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「猫の習性を知らずに飼い始める人が多い」広島県動物愛護センターが取り組む保護猫の幸せのための施策

2023年8月、広島空港の近くにリニューアルオープンした広島県動物愛護センター。保護猫たちが幸せに暮らせるようにと、さまざまなイベントを実施。センターの取り組みをご紹介します。
*記事内容はすべて、2023年10月1日現在のものです。

イベントに参加して猫の習性を知る

撮影/Akimasa Harada
三原市の広島空港の近くにリニューアルオープンした広島県動物愛護センター(以下センター)。新しいセンタは、図書コーナーのほかにも、これまで以上に人々が訪れやすいよう月曜日を除いた土日、祝日も開館し、週末には譲渡会やイベントなども企画しています。毎週土曜日には「猫の譲渡前講習会」、「猫ふれあい体験」、「バックヤードツアー」、奇数月の第4土曜日に「ペット防災セミナー」が行われています。
撮影/Akimasa Harada
土曜日のセミナーによく使われる「ブルーヴ研修室」
猫を初めて家に迎える方に参加して欲しいのが、偶数月の第4土曜開催の「にゃんこセミナー」。
「猫について学ぶ機会がないまま猫を飼い始めるケースが多いように思います。猫の習性を知り、猫の快適な環境づくりをすることで、猫も人もより幸せに暮らすことができるということを知って欲しいですね」とセンター愛護管理課主査で、獣医師の森中重雄さん。
たとえば、猫タワーをわざわざ買わなくても家にある物を工夫して快適な環境にできることや、爪とぎ器は設置場所や置き方にも猫の好みがあること。狩猟本能を満たすためにおもちゃを使って猫と遊ぶ時間をつくる大切さなども伝えたいとのこと。「飼い主さんたちのコミュニケーションの場になるような内容も企画しているので、ぜひ"うちのコ"の話をしに遊びにきてください」(森中さん)。

猫の幸せを考えて去勢・避妊手術を

広島県は、ノラ猫に対して平成28年度から本格的に地域猫活動の支援を開始。県の地域猫活動ガイドラインにのっとった活動をしている地域には去勢・避妊手術の支援を行い、広島県獣医師会に委託して、令和5年度は年間500匹まで無料で手術を行っています。
撮影/Akimasa Harada
検疫ずみで、一定の期間を経て体調のいいコたちが譲渡猫展示室に行くまでに過ごしているケージ
撮影/Akimasa Harada
新しい飼い主さんとの出会いを待つセンターの猫
ここ数年は、猫の多頭飼育崩壊による引き取り相談が増えています。「今でなくても、そのうち去勢・避妊手術すればいい」という考えの人が多く、「そのうち」と手術を先延ばししている間に妊娠・出産してしまう。そうして飼い猫が増えて、すべての猫に手術をすることが金銭的に難しくなっている現状があるそうです。

「猫は交尾をするとほぼ妊娠しますし、生殖器の病気予防や発情のストレス防止、猫の福祉の観点からもぜひ、去勢・避妊手術を徹底していただきたい。こうした話はセミナーでもしっかり行っています」と森中さん。センターは、保護した猫を譲渡につなげるだけでなく、セミナーなどを通じて、命の大切さを学ぶ場でもあり、飼い猫との幸せな生活を学ぶ場でもあるのです。
お話しをお伺いした人/広島県動物愛護センターのスタッフさん
出典/「ねこのきもち」2023年12月号『ねこのために何ができるのだろうか』
撮影/Akimasa Harada 写真提供/広島県動物愛護センター
取材/小出広子

※この記事で使用している画像は2023年12月号『ねこのために何ができるのだろうか』に掲載しているものです。
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