猫と暮らす
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市民に親しみやすい新・動物愛護管理センター
*記事内容はすべて2024年6月1日現在のものです。
動物のいのちをつなぐ愛あるセンター
「オープンした際には広く注目されたこともあり、あっという間に猫の収容数がオーバーしてしまいました。どうやら猫を手放したいと考えていた人に、すぐに引き取ってもらえる身近な施設ができたと思われた節があるようです」と話すのは、獣医師で指導係の近藤さん。センターのおもな役目は「教育普及事業の強化」と「適正譲渡の推進」であり、"入口"と"出口"の取り組みを強化していきます、と近藤さんは話します。
「収容数を減らすには、まず"入口"の部分での対策、つまり予防的措置を講じてセンターへ持ち込まれる個体数を減らす取り組みに加え、終生飼養を念頭に置いた飼い主教育は欠かせません。また"出口"の部分では、譲渡数を拡大させるための対策が重要です」
さまざまな人と連携し、取り組むことが大切
「収容したときに健康状態が悪い猫も多数いて、治療や体調管理に苦慮する場面も増えてきました。また、多頭飼育の現場から引き取った猫は不妊手術していない場合がほとんどで、収容中に出産するなど不測の事態が起こることも」
そのため、センターには診察から手術まで行うことができる「処置・検査室」を完備。獣医師の資格を持つ職員が処置を行います。ただ、開業の動物病院のようには対応できないこともあるため、現在試験的に札幌市小動物獣医師会に業務委託の形で往診してもらって、動物の健康維持・管理の向上に取り組んでいるそうです。また、不妊手術については、連携協定を結んでいる北海道大学獣医学部に協力を依頼し、手術を実施する取り組みも行っているのだとか。
一方、"入口"の部分では地元の保護猫団体と連携することも。捕獲のサポート、子猫の引き受けなど、ボランティアの方々の協力は不可欠だといいます。「関係各所にもご協力をいただきながら、ともに取り組んでいこう、という動きが始まったのもここ数年の話です。そんな中、センターが完成し、"人が集まる場所"ができた意義は大きいと思います」と、近藤さん。「犬猫はじめて講習会」や「子ども向けワークショップ」、動物愛護団体と協同の譲渡会といったイベントを開催するなど、センターを広く市民に開放するとともに、譲渡促進のためにさまざま取り組んでいます。
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