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口元を触られるのを嫌がったら気をつけて! 飼い猫がかかりやすい歯の病気「吸収病巣」って? |獣医師解説

「吸収病巣(きゅうしゅうびょうそう)」とは、飼い猫では「歯周病」に次いで多いといわれる、口の中の病気です。今回は、そんな猫の吸収病巣について、獣医師の藤田桂一先生に詳しくお話を伺いました。飼い主さんの体験談もご紹介するので、あわせて参考にしてみてくださいね。

吸収病巣ってどんな病気?

ノルウェージアンフォレストキャットのルナちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
吸収病巣とは、破歯(はし)細胞によって歯が吸収される病気です。

破歯細胞は、通常歯肉の中に含まれていて、乳歯から永久歯へと歯が生え変わる時期に乳歯の歯根を溶かし、生え変わりを助ける役割を担っているのですが、それがなぜか永久歯に作用してしまうことによって吸収病巣は起こります。

原因がわかっていないため予防法はなく、罹患率は約25~75%(※)。4~6才以降で明らかになることが多く、歯周病や歯肉口内炎と併発するケースも少なくありません。
※罹患率に幅があるのは、複数の検査報告があり、各罹患率が異なるためです。

こんな症状が見られたら要注意!

アメリカンショートヘアのちゃいくん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
一般的に、歯根の先端部分付近で吸収病巣が進行している場合は、無症状のことが多いです。一方、吸収病巣で炎症が起きたり、歯の神経に病巣が及んでいたりすると痛みを伴うため、口元を触られるのを嫌がったり、ゴハンを食べにくそうにしたりすることがあります。

愛猫に以下のような様子が見られたときは、動物病院で一度診察を受けるようにしましょう。

口の状態の変化

  • 口臭がする

  • 口を気にして自分でなでることがある

  • 口のまわりを触ると嫌がるようなそぶりを見せる

歯の状態の変化

  • 歯と歯肉の境目が出血している

  • 歯肉が赤らんでいる

  • 歯肉に近い部分の歯が欠けている

しぐさや行動の変化

  • 冷たい水を飲むのを嫌がる

  • 食欲不振

  • 硬いものを食べられなくなった

  • よだれが出る

  • あごをカクカクさせる

飼い主さんに聞いた!愛猫の吸収病巣体験談

サイベリアンのショセットちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
吸収病巣は、麻酔がかけられるときは抜歯をして治療するのが原則ですが、すでに歯根が吸収されている場合は、歯冠のみを切除するなど、病状によって治療法が異なります。

では、愛猫が吸収病巣になったことがある飼い主さんは、どのような治療を受けたのでしょうか。最後に、飼い主さんの体験談をご紹介します。

愛猫が3匹とも吸収病巣に(Sさん/愛猫 しのちゃん、ますみちゃん、亶(たん)くん)

「これまで愛猫3匹が吸収病巣にかかりました。発症に気付いたのは、食欲不振や歯肉の炎症、前歯がぐらついていたことなどがきっかけです。歯周病と併発していたコもいて、ますみは全抜歯、しのは下の犬歯以外は全抜歯、そして、亶は部分的な抜歯をしました」(Sさん)

歯磨きで異変に気付いた(Tさん/愛猫 一四(いよ)ちゃん)

「毎日愛猫の歯を磨いているのですが、ある日下の奥歯2本に血のようなものがついているのを発見。吸収病巣と診断されましたが、症状が進行したら抜歯するとのことで、口の中などに異変がないか経過観察中です」(Tさん)
吸収病巣は進行性の病気なので、放置しておくと歯は溶けて吸収されてしまいますが、その間に痛みを伴うことも。症状があらわれたら、できるだけ早く治療を受けるようにしましょう。
お話を伺った先生/藤田桂一先生(フジタ動物病院院長 獣医学博士 日本小動物歯科研究会会長)
参考/「ねこのきもち」2024年8月号『猫に非常に多い歯の病気。 飼い猫がかかりやすい「吸収病巣」って?』
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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