壁で「ガリガリ」爪研ぎ
せっかくの壁紙が猫の爪研ぎでボロボロ。壁に保護シートを張ってみたり、市販の爪研ぎを与えてみたり、対策を講じても猫はやっぱり壁で研いでしまいます。しかし爪研ぎには、獲物を狩る前に古い爪をはがし、新しく尖った爪にするという重要な体のメンテナンスの役割があります。
また、自分の縄張りを主張するマーキングや、活動前の景気づけ、といった意味合いもあります。飼い主さんからすると困ってしまいますが、猫がガリガリするのは元気でやる気があることの現れでもあります。
体を「なめなめ」
猫が体を舐めるのは、体を清潔に保つ以外にも、狩りをする際にニオイで獲物に気づかれないよう、自分の体臭を消すためだといわれています。また、舐めることは自分でスキンシップしていることになるため、リラックスしたい気分のときや何か失敗してしまったとき、自分を落ち着かせるために毛づくろいしたりします。飼い主さんやほかの猫を舐めることがありますが、それは違うニオイを舐めとることで安心感を得ようとしています。
力を抜いて「だらーん」
猫がだらだらしている姿、シャッターチャンスと言わんばかりに愛らしく癒されますよね。飼い主さんからすると、だらけてリラックスしているように見えますが、実際には狩猟をしていた時代の名残でした。
獲物を狩るのはとてもエネルギーを使うため、それ以外の平穏な時間はいざというときのために体を休めているのだそう。このおやすみタイムがあるからこそ、獲物を発見したときには瞬時に狩猟モードに切り替えることができるのです。こういった切り替えの良さも、猫ならではと言えるでしょう。
人間からするとよく見かける行動ですが、猫にとっては、野生の時代に身に付けた生きるための能力によるものだとわかりましたね。長い歳月をかけて培われた本能は、人間との生活でそれほど急に変わることはないようです。
猫の先祖がどんな生活をし、どんな環境にいたのか。それを知って猫の本能と上手に付き合うことができれば、愛猫との暮らしももっと楽しくなるでしょう。
参考/「ねこのきもち」『愛猫の本音事典 しぐさ編』(監修:動物関係のライター・エッセイスト 加藤由子さん)
文/chiroko
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。