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【獣医師が解説】猫が痙攣を起こした!対処法や考えられる原因とは?

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猫が痙攣を起こしている!こんなとき、あなたならどうしますか?猫の健康トラブルが起きた際、まず役に立つのは知識です。今回は、愛猫が痙攣を起こした場合の対処法や痙攣の原因、痙攣から考えられる病気や予防法を解説します。

猫の痙攣はなぜ起きる?原因となるおもな病気や刺激とは

見上げる猫

猫の痙攣はおもに「脳の異常・病気」「脳以外の異常・病気」「痙攣ではない場合」の3つに分けられます。

脳の異常・病気で考えられる原因


  • 症候性てんかん(脳炎・脳腫瘍・水頭症・脳出血・脳梗塞・外傷等による)

  • 特発性てんかん(明らかな原因がない)


てんかんとは、突然意識を失って倒れて痙攣を起こす病気で、痙攣中によだれや泡が出てくることがあります。てんかんには、原因不明の「特発性てんかん」と、ウイルス感染症や水頭症などが原因で起こる「症候性てんかん」の2種類があります。 (突発性てんかんには、遺伝的素因もあると考えられています。)

脳の異常・病気以外で考えられる原因


  • 腎臓病(尿毒症)

  • 肝臓病(肝性脳症)

  • 感染症

  • 低血糖(子猫に多い)

  • 熱中症

  • 中毒


とくに、子猫などは下痢や食欲不振によって低血糖になりやすく、すぐに治療することが大切です。ほかにも、ワクチンの接種でアレルギー反応を起こしたり、イギリスの研究結果では甲高い金属音に対し高齢の猫が発作を起こしたりする可能性があることもわかっています。(「FARS」猫科動物聴覚原性反射発作」)

痙攣ではない場合


  • 睡眠中のピクピク

  • 震え(寒さ・高齢の猫の筋力低下)・病気や炎症による痛み


睡眠時のピクつきは基本的に問題ありませんが、起きているときにピクつきがある場合は神経症状の可能性もあるので注意が必要です。震えが見られる場合、重要になってくるのは意識があるかないか。もし猫が意識を失い震えているようなら、痙攣の可能性が高いです。高齢の猫であれば筋肉量の低下による震えもあるので、まずは落ち着いて意識の確認を行ないましょう。

受診しなくても問題がないケース

寝ている間に、ピクピクと痙攣のような動きをすることがありますが、ほとんどの場合これは痙攣ではなく「夢を見ていて少し動いているだけ」だと考えられてます。

ねこのきもち WEB MAGAZINE『病気・症状データベース』(慢性腎不全)

ねこのきもち WEB MAGAZINE『病気・症状データベース』(急性腎不全)

ねこのきもち WEB MAGAZINE『病気・症状データベース』(尿毒症)

ねこのきもち WEB MAGAZINE『病気・症状データベース』(猫伝染性腹膜炎)

ねこのきもち WEB MAGAZINE『病気・症状データベース』(熱中症)

ねこのきもち WEB MAGAZINE『病気・症状データベース』(ビタミンB欠乏症)

「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『獣医師が答えるQ&A』(寝ているときに足先がピクピクすることがあります。これはけいれんでしょうか。)

「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『獣医師が答えるQ&A』(猫は寒くて痙攣(けいれん)をおこすことはありますか。)

「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医師が解説】死亡例も「猫のてんかん」症状から原因〜対処法まで』

猫の痙攣は末期症状?死亡につながる場合も

聴診器をあてられる猫

重い病気、病気の末期症状の可能性も

死亡率の高い猫伝染性腹膜炎(FIP)では、痙攣などの神経症状がみられることがあります。ほかにも腎不全による尿毒症末期でも痙攣が引き起こされます。日頃から食欲の低下や体重の減少、口臭がないかなど日常的に気にかけてあげてください。

痙攣が直接死亡原因になる場合

てんかん重積といって、てんかん発作がやまずに丈発作をおこしてしまう様な場合は、身体がショック状態になり死に至る危険性があります。また、てんかんなどによる痙攣時は体の自由がきかず意識がなくなることもあります。このため、落下やケガなどのリスクがあり、安全な場所で見守ってあげることが必要です。

猫の痙攣への正しい対処でパニックを回避!

膝の上でくつろぐ猫

猫がケガをしないよう、周りにあるものを片付ける

痙攣中の猫は予測のできない動きをします。猫の周囲を見渡して、ぶつかったらケガをしてしまいそうなものがあれば、遠ざけておきましょう。高所で痙攣があった場合は落ちてしまわないように気をつけてあげてください。

大声で呼びかける・ゆする・抱っこするのはNG!落ち着いて観察する

先述の通り、痙攣の原因は脳の問題(脳炎、脳腫瘍、脳梗塞)によるものと、脳以外の問題によって引き起こされるものがあります。大声を出したり、ゆすって刺激してしまうと、より状態を悪化させてしまうおそれがあるので、まずは落ち着いて見守りましょう。

時間を計り、できれば動画撮影を

痙攣中はとにかく慌てず、猫のようすを冷静に観察することが重要です。もし余裕があれば、痙攣の状態を動画で撮影しておきましょう。受診時に口だけで説明するよりも、正確に獣医師に症状を伝えることができます。

痙攣が1分以上続いたら緊急受診

<緊急性が低いケース>


  • 痙攣が1分以内でおさまる

  • おさまった後、痙攣を繰り返さない

  • 痙攣が起きたあと、猫のようすがいつもと変わらない


痙攣を繰り返さないときは無理に夜間救急まで行かずようすを見てもいいですが、痙攣が1分以上続いた場合はすぐに受診を検討してください。 ほかにも緊急性の高いケースは以下の通りです。

<緊急性が高いケース>

  • 痙攣が1分以上続いている

  • 何度も痙攣を繰り返す

  • 痙攣がおさまったあと、ぐったりしていて元気がない

  • 痙攣後意識が戻らず、声をかけても反応がない


こういった症状が表れた場合は、放っておくと後遺症が残る可能性もあります。最悪の場合、命にもかかわるため、できるだけはやく獣医師の診察を受けて適切な処置をしてもらいましょう。

猫の痙攣の診断・治療・予防について

眼鏡と本と猫

痙攣発作で受診した場合の診断

問診、身体検査、神経学的検査、血液検査などを行ないます。また、「症候性てんかん」と「特発性てんかん」を判断する際はMRIが必要となります。

痙攣の治療法

痙攣発作が脳の病気によって引き起こされる場合、多くは抗てんかん薬を使用して治療をしていきます。くわえて病気に応じてステロイドや利尿薬の処方や、脳腫瘍の場合は手術や放射線治療などを行ないます。治療には原因を治療する「根本的治療」と、症状を抑えたり緩和したりする「保存療法」がありますが、現状として根本的治療は難しく、保存療法が中心となります。また「特発性てんかん」の根本的治療はいまのところ存在しません。

痙攣発作の予防法

とくに異常がなくても年に一度は健康診断を受けること、猫が食べてはいけない食べものを遠ざけ誤飲誤食をさせない、高い音を出すときは猫がそばにいないか確認するなど日ごろから気にかけておきましょう。また、てんかん発作はストレスが関係しているともいわれています。猫がストレスをためない環境づくりも大切です。

猫が痙攣を起こした際、すぐに病院に行ったほうがいいのか気になりますよね。もし動物病院が開いている時間帯で、なおかつ飼い主さんが「気になるから受診したい!」という気持ちであるのなら、迷わず動物病院に行きましょう。もし心配のいらない痙攣だった場合でも、獣医さんに「心配いらない」という診断をもらえたほうが、自己判断で大丈夫だと思いこむよりも安心できるはずですよ。

参考/「ねこのきもち」2015年9月号『3号連載 猫に多いオシッコ系の病気シリーズ 第3回(最終回) 若い猫でもシニア猫でも 飼い主さんが一番わかっておきたい 慢性腎不全という病気』(監修:モノカどうぶつ病院院長 小林清佳先生)
   「ねこのきもち」2016年6月号『空前の猫ブーム! 人は一体、猫のどこまで知っているの? 11年でわかった猫のこと』(監修:東京猫医療センター 院長 JSFM<ねこ医学会>理事 服部幸先生)
   「ねこのきもち」2017年4月号特別付録『愛猫の緊急対策マニュアル』(監修:東京猫医療センター 院長 JSFM<ねこ医学会>理事 服部幸先生)
   「ねこのきもち」2018年9月号『重症になりやすいから知っておきたい”アルファベット”感染症』(監修:Pet Clinicアニホス 院長 弓削田直子先生)
   「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『病気・症状データベース(慢性腎不全)(急性腎不全)(尿毒症)(猫伝染性腹膜炎)(熱中症)(ビタミンB欠乏症)』
   「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『獣医師が答えるQ&A(身体の一部をピクピクさせる)(全身的な痙攣を起こす)』
   「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医師が解説】死亡例も「猫のてんかん」症状から原因〜対処法まで』(監修:ねこのきもち相談室獣医師)
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/takemori.m
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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