猫と暮らす
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子猫ばかりでなく”おとな猫”の魅力を知ってほしい 保護猫シェルターが伝えたい地域猫の現状とは
*記事内容はすべて、2023年12月10日現在のものです。
地域と交流する拠点を持つことの大切さ
「点滴といったストレスのかかる治療はできるだけ減らして、朝晩の投薬と月1回の通院のほかは穏やかに過ごしてもらっています。じつは、ステラもかつて私たちがTNR(※)した猫。当時は保護施設を持っていなかったため、心の中で『ごめんね』と謝りながら多くの猫を街へリリースしましたが、今は責任を持って最後まで見守れるようになって本当に嬉しいです」と代表理事の古川尚美さん。
※TRAP(捕まえる)、NEUTER(不妊手術する)、RETURN(元の場所に戻す)の頭文字をとった用語。繁殖させず、地域猫としてともに暮らすための活動です。
「入館無料にしているため、近隣にお勤めの方、学校帰りの小学生など、いろんな方がいらっしゃいます。皆さんの癒しの場になっているようです。また、私たちの活動にとってもこのホームがあるメリットは大きく、地域猫の課題や傷病・高齢猫の現状を伝える発信拠点を持つことができました」
活動を続けていく上で"発信力"を味方に
「欧米ではおとなの猫から先に引き取り手が決まっていきますが、日本にはかわいいものを愛でる文化があり、子猫を希望する人が大多数。でも、少し価値観を変え、おとなの猫の魅力を知ってほしいです」
「より多くの方に"保護猫について話す機会"を提供したい。そして、もっと猫にやさしい社会に近付くといいですよね」と古川さんは話します。
出典/「ねこのきもち」2024年2月号『ねこのために何ができるのだろうか』
撮影/後藤さくら
取材/野中ゆみ
※この記事で使用している画像は2024年2月号『ねこのために何ができるのだろうか』に掲載しているものです。
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