猫と暮らす
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地域猫を増やさないための動物愛護センターの2つの取り組み
*記事内容はすべて、2024年2月1日現在のものです。
飼い主のいない猫にも”管理”が必要
地域猫活動とは、捕獲して(T)、不妊手術し(N)、元の場所に戻して(R)、管理する(M)という「TNRM」を推進する事業。中でもカギを握るのが「M(マネジメント)」で、地域猫をお世話している住民の方に「食事は時間を決めて与え、その時間に来る猫の数を把握すること」や「周辺にトイレを設置して、糞尿被害を減らす」などの管理をお願いしているそうです。
※TRAP(捕まえる)、NEUTER(不妊手術する)、RETURN(元の場所に戻す)、MANAGEMENTの頭文字。
「センターから譲渡する猫も、すべて不妊手術をすませています。飼い主さんを信頼しないわけではありませんが、万が一逃げ出して繁殖する可能性もありますよね。これはサービスというよりも、動物愛護を請け負う行政の責任として行っています。おかげで、職員の仕事を増やしてしまいました(笑)」
これまでもこれからも大切な2つの活動
「地域猫活動において、私たちの重要な仕事のひとつは市民の理解を得ることです。各町内会にチラシを配り、回覧をまわしてもらっていると、当然、協力できないという猫嫌いの住民の方もいますよね。そのときは、街の環境問題を改善する活動だと説明します。管理しながら地域で飼い、それぞれが"一代限りの生"を全うすれば街から猫はいなくなりますから」
本来はすべての猫が家庭で飼われるべきだという、高義さん。だから、最終的に目指しているのは"地域猫ゼロ"なのだとか。
具体的な取り組みは、小学校へ出前授業に行ったり、職場体験の小学生や中学生を受け入れているそうです。
高義さんの話に耳を傾けていると、小さな横須賀市動物愛護センターがこれからもっと大きな優しさに包まれた場所へと成長していくのではないか、そんな予感がするのでした。
出典/「ねこのきもち」2024年4月号『ねこのために何ができるのだろうか』
撮影/後藤さくら
取材/野中ゆみ
※この記事で使用している画像は2024年4月号『ねこのために何ができるのだろうか』に掲載しているものです。
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