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【獣医師監修】猫の脱走防止 おすすめグッズやSNSで話題のDIYアイデアも

猫が脱走すると再会できなくなるおそれもあるため、十分な対策が必要です。今回は、猫が脱走する原因やしておきたい脱走防止策について解説します。マネしてみたい脱走防止柵のDIYアイデアやおすすめグッズもご紹介するので、参考にしてみてくださいね。

荒木 陽一 先生

 獣医師
 プリモ動物病院 練馬院長

 東京農工大学農学部獣医学科(現 共同獣医学科)卒業

●資格:獣医師

●所属:日本獣医がん学会

●主な診療科目:一般診療(外科・内科)、救急診療、腫瘍科

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猫は脱走しやすい? 飼い主さんの声をご紹介!

寝る猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫の室内飼いが主流となっている昨今、脱走することなんてそうそうないのでは? と思ってしまいますよね。しかし実は、愛猫が脱走した経験をもつ飼い主さんは意外と多いのです。

愛猫の脱走を経験した飼い主さんの割合

猫の脱走に関するアンケート(ねこのきもちWEB MAGAZINE)
※アンケート/2020年9月実施「ねこのきもちアプリ」内アンケート調査(回答者数400人)
猫の脱走に関するアンケート(ねこのきもちWEB MAGAZINE)
ねこのきもちアプリにて、400名の飼い主さんを対象に「猫の脱走」についてアンケート調査したところ、48%と半数近くの飼い主さんが愛猫に一時的に脱走された経験があるという結果が明らかになりました。

「うちは完全室内飼いだから大丈夫」と思っていても、飼い主さんが外出する際に一緒に外に出る、思わぬすき間から抜け出すなど、脱走の危険性はゼロではないので注意が必要です。

どういった所から脱走した?

同アンケートのなかで、「家のどの場所から脱走しましたか?」と質問したところ、以下のような回答が得られました。
  • 玄関のドア
  • 裏口や勝手口
  • ベランダ
  • 縁側
  • 少し開いていた窓
  • 掃き出し窓やサッシのすき間
  • 窓や網戸、引き戸を自分で開けて など
そのほか、「風呂場やトイレの窓のすき間から脱走した」「襖を開けてキッチンや浴室に勝手に入りこんでいた」といった声も。体が細くやわらかい猫は、ほんの少しのすき間があれば容易にすり抜けてしまうようです。

猫はなぜ脱走したがるの?

見つめる猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
ではなぜ、猫は脱走したがるのでしょうか? その理由について見ていきましょう。

刺激を求める好奇心から

猫は好奇心の強い生き物です。室内だけでの生活ではどうしても刺激不足が起こり、外の鳥や虫などの刺激に興味をひかれて外に出たがることがあります。また、一度外に出たことで縄張りが広がり、縄張りをパトロールしたいという本能から脱走を繰り返すことも。

発情期

猫は性成熟すると発情し、繁殖のために交尾する相手を求めて外に出たがります。特に未去勢のオスは縄張り意識が強いため、縄張りを広げようとして外に出ようとすることが多いようです。ちなみに、猫の発情期は日照時間や人口の明かりにも左右されるため、明るい室内で過ごしている猫は、年に3~4回発情期を迎えることもあるとされています。

環境の変化による不安

猫は環境の変化を嫌うため、引っ越しをしたときや、保護したばかりのときなどは、元の環境に戻りたいという不安から脱走することがあります。

ストレス

相性の悪い猫を複数飼いしている、室内環境が合わないなど、生活のなかで何かしらストレスを感じていると、外に出たいという衝動が起きる場合があります。

どんな猫が脱走しやすい?

丸い目の猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
「猫は脱走しやすい」といっても、必ずしもすべての猫が脱走するわけではありません。脱走しやすい猫の傾向や特徴は以下のとおりです。

脱走しやすい猫の特徴や傾向

  • 外で暮らした経験がある元ノラ猫や保護猫
  • 去勢・避妊手術を受けていない猫
  • 外の猫と接触しやすい環境に住んでいる猫
  • 相性の悪い猫と同居している猫 など
前述したように、猫は外に対する興味や生活に対する不安感などから外に出たがります。上記のような特徴をもつ猫は、特にそういった心境になりやすいため注意しましょう。

時期も関係あり? 猫の脱走に注意したい季節

猫が脱走しやすい季節は春~夏にかけてといわれています。これは、気温が高くなって窓や玄関を開ける機会が増えることと、その時期に外猫が発情期を迎えるからだと考えられます。

猫の脱走の理由や傾向については、以下の記事でも詳しく解説されているので、参考にしてみてください。

愛猫を外に出さないための脱走防止策とは

ふわふわの猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
冒頭でご紹介したアンケートのなかで、「愛猫の脱走防止のために何か対策をしていますか?」と質問したところ、76%もの飼い主さんが「はい」と回答しています。実際に、どのような場所にどんな対策をしているのか見てみましょう。

特に脱走防止策を行うべき場所は?

玄関

飼い主さんや家族が外出するときや、宅配便の荷物を受け取るときなど、玄関を開けた瞬間に愛猫が外に飛び出してしまうことが多いようです。特に帰宅時は、飼い主さんの足音を聞きつけて玄関で待ちかまえている猫も多く、一気にドアを開けると外に飛び出してしまう危険性も高くなります。

実際に玄関付近に脱走防止対策をしている飼い主さんは多く、「ゲートや柵などを設置している」「愛猫を抱っこしてから玄関を開けている」などの声がよせられました。

窓は網戸にしているときに、猫が網戸を破ったり自分で開けたりして脱走するケースが大半のようです。暑い時期は窓を開ける機会が多く、閉め忘れも起こりやすいので要注意。
飼い主さんのなかには、猫が網戸を開けられないよう、網戸ストッパーなどを使って固定しているかたも多く見受けられました。

ベランダ

ベランダは日光浴のためにベランダに出したら柵のすき間から外に出てしまった、洗濯物を取りこんでいるときにいつの間にか外に出ていた、という脱走体験談が多く挙がっています。
飼い主さんたちは、ベランダに柵やネットを取りつけるだけでなく、ベランダに出る前に猫を別の部屋に隔離するなどの対策をとっているようです。

愛猫の脱走防止のためにすべき対策

愛猫の脱走を防ぐためには、柵や室内ドアを利用して行動範囲を区切り、なるべく玄関に近づけないようにすることが重要です。また、暑くて窓を開けたい場合は、ストッパーを使って網戸を開けられないようにしたり、破っても出られないように金属製の柵を取り付けたりするなどの対策が必要でしょう。

なお、未去勢・未避妊の猫の場合は、手術をすることも脱走防止対策として有効といえますので、かかりつけ医と相談しながら検討してみてください。

猫の脱走防止対策におすすめのグッズ

最近は、おしゃれな見た目で取りつけも簡単な脱走防止グッズがたくさん販売されています。DIYは難しいというかたは、以下のようなグッズを試してみるのもいいでしょう。

マルカン 猫網戸脱走防止フェンスL

網戸に取りつける脱走防止用のフェンスです。縦・横どちらにも取りつけ可能で、窓のサイズに合わせて自由にカスタマイズできます。かなり頑丈で、「今のところ脱走する意欲を喪失したみたい」との口コミも。

のぼれんニャン バリアフリー II

キッチンや階段ののぼり口、部屋と部屋の間など、家のさまざまな場所に取りつけることができるゲート柵です。オートクローズ式なので、閉め忘れて愛猫がすり抜けてしまったという心配もなし。片手でスムーズに開閉できるのもうれしいポイントです。

猫・脱走防止パーティション(突っ張りパーテーション)CatCatch

パーテーションタイプの脱走防止フェンスです。167cmとかなりの高さがあり、すき間も狭いので、猫が飛び越えたり下をすり抜けたりする心配がありません。スライドやドア開きができて、人は自由に通り抜けできるのもいいですね。

自宅で簡単にできる!脱走防止策のDIYアイデア集

かわいい猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
飼い主さんたちのなかには、脱走防止用の柵や壁をDIYで作っているかたもいます。ここでは、InstagramやYouTubeに投稿された、手作り脱走防止対策の写真や作り方の動画をご紹介します。

実際に飼い主さんたちが行った手作り脱走防止対策

まずはInstagramに「#ねこのきもち」で投稿された、手作りの脱走防止対策の写真を見ていきましょう。

玄関からの脱走防止に

玄関の脱走防止対策
@ggisan
ヤンチャで脱走常習犯な元保護猫と暮らしているという@ggisanさん宅では、突っ張り棚と水切りラックを使って玄関に脱走防止ガードを作ったそうです。1つ1つのすき間が狭く猫の体もまだ小さいので、玄関を開けても脱走を防げているのだとか。

窓からの転落・脱走・網戸のぼり防止に

窓からの転落・脱走・網戸のぼり防止に
@otomi_gen
@otomi_genさん宅では、窓からの転落や脱走、網戸のぼり防止のために、ワイヤーネットを使って窓に柵を作ったそうです。猫の通り道になっていた片側の窓にしっかり固定されているので、もう脱走の心配はしなくてよさそうですね。

浴室から玄関までの脱走防止に

浴室から玄関までの脱走防止
@megu_tabineko_company
これまで玄関前にフェンスをつけていたという、@megu_tabineko_companyさん宅。浴室で遊んでいた愛猫に気づかず、ドアを開けて脱走させかけてしまったのをきっかけに、洗面所の入り口まで囲めるように柵を改良したそうです。

材料は100均の突っ張り棒、ワイヤーネット、結束バンドの3つのみ。結束バンドで軽く固定しているだけなので、使わないときは折り畳んでおけば場所も取らないといいます。柵の拡張、ロック、片づけ、すべてが簡単にできるのがいいですね。

部屋への侵入防止に

部屋への侵入防止
@gazira_rei_8
@azira_rei_8さん宅では、部屋の扉に侵入防止用の柵を作っています。作り方はすのこと100均のネットを、角材に固定しただけと簡単。猫たちがのぼってもびくともしないほど丈夫で、侵入防止レベルも高いそうです。

実践したい人向け!脱走防止柵のDIY動画をご紹介!

さらにここからは、自分でも猫の脱走防止柵を自作したいかたに向けて、おすすめのDIY動画をご紹介します。専用パーツを使った本格的なものから、100均のアイテムを使ったお手軽なものまであるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

【DIY動画1】賃貸戸建てにも設置できる脱走防止柵

※掲載について投稿者の許諾を得ています。
まずは、夫婦の日常や保護猫シェリちゃんの成長記録動画などが人気の「わたなべ夫婦」さんが作製した、脱走防止柵のDIY動画をご紹介します。

「わたなべ夫婦」さんの脱走防止柵のこだわりは、猫が隙間から抜け出せないけれど、空気や日差しが入って賃貸でも設置できるということ。壁などに穴を開けなくても柵がしっかり固定できる、アジャスターは特に重宝しているそうです。

脱走防止柵設置後は、シェリちゃんがたまに柵を気に掛けるそぶりはあるものの、抜け出す不安がなくなって快適に暮らせているといいます。動画では玄関やベランダなど、4パターンの脱走防止柵の作り方をわかりやすく解説してくれているので、参考にしてみてください。

【DIY動画2】100均商品を使った猫用脱出防止柵

※掲載について投稿者の許諾を得ています。
続いてご紹介するのは、保護猫のさもじくんとほたねちゃんの日常動画が人気な「さもじとほたねの日常」さんが手作りした、100均商品を使った脱走防止柵です。

「さもじとほたねの日常」さんは、結束バンドの結合部分を丸くカットしたり、倒れても怪我をしない程度の重さの素材を使ったりと、愛猫たちがケガなどをしないことにこだわって脱走防止柵をDIYしたそう。

実際に脱走防止柵を玄関に設置してみたところ、愛猫たちは「この先に行ってはいけない、超えてはいけない」と認識してくれたのか、飛びつくこともないといいます。

【DIY動画3】玄関ドアに設置できる伸縮・可動自在な脱出防止柵

※掲載について投稿者の許諾を得ています。
最後にご紹介するのは、「よし工房 / Yoshi WorkShop」さんが手作りした、伸縮・可動させられる脱走防止柵のDIY動画です。

「よし工房 / Yoshi WorkShop」さんが脱走防止柵をDIYするにあたりこだわったのが、玄関を出入りするときに邪魔にならないことと、賃貸でも設置できること。2×4材と伸縮ラティスを使うことで、内装を傷めず90度可動できるので、荷物を持ちながら出入りするときも引っかからないそうです。

実際に玄関に脱出防止柵を設置したところ、設置から2年近く経過している今でもしっかり機能しており、愛猫が外に出てしまうトラブルもまったくないのだとか。玄関は毎日何回も開閉する場所なので、こちらの柵のようにしっかり耐久性があるのは安心ですよね。

万が一の迷子に備えて、迷子札と一緒にマイクロチップの装着も

真顔の猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

マイクロチップとはどんなもの?

マイクロチップとは、直径が約2mm、長さが約12mmの電子標識器具で、個体を識別するための15桁の番号が搭載されています。

専用のリーダーで15桁の番号を読み取ることで、飼い主さんの連絡先情報を調べる手がかりとなるため、最近では、猫が脱走したときや災害発生時などに備えて、猫の体内(皮下)に埋め込むケースが増えているようです。

なお、改正動物愛護法に基づき、2022年6月からペットショップやブリーダーにマイクロチップの装着が義務付けられます。すでに猫を飼っている人については、装着が努力義務となるため、これを機に検討してみましょう。

装着方法・費用は?

マイクロチップは専用の挿入器を使って、猫の体内(皮下)に埋め込みます。愛猫の体内に異物を埋め込むことに関して、抵抗や不安を感じる飼い主さんもいるかもしれませんが、猫にとっての体の負担は皮下注射を打つときとほぼ同じくらいとされています。

費用は数千円~1万円程度で、動物病院で装着できます。避妊・去勢手術といった全身麻酔をかける予定があれば、そのときに装着してもらうのもいいでしょう。

ちなみに、装着後は獣医師から渡される登録用紙を日本獣医師会に送付することによって情報が登録されます(登録料あり)。情報が登録されないと意味がないため、早めに手続きを行いましょう。

マイクロチップの詳しい情報については、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

愛猫を脱走させないようしっかり対策しよう!

椅子に座る猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
室内飼いの猫が外に出てしまうと、迷子になるだけでなく、交通事故や感染症のリスクもあります。愛猫を危険な目に遭わせないためにも、日ごろからドアや窓の開け方を見直したり、DIYした脱走防止柵などを設置したりして、脱走させないよう心がけましょう。
参考/「ねこのきもち」2013年6月号『玄関・窓・ベランダの対策で|窓をよく開ける季節は要注意 もう脱走させません!』
参照/Instagram、YouTube
監修/荒木陽一先生(プリモ動物病院 練馬院長)
文/pigeon
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※一部記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※アンケート/2020年9月実施「ねこのきもちアプリ」内アンケート調査(回答者数400人)

★Instagram、Twitterで「#いぬのきもち#ねこのきもち」でご投稿いただいた素敵な写真・動画を紹介しています。
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