猫と暮らす
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【獣医師監修】猫は脱走したら帰ってくる?防止法・探し方・捕獲方法
猫の脱走しやすい場所はどこ?脱走防止対策は?
家の中で猫が脱走しやすいルート
猫の脱走ルートその1「玄関」
全体の36%と最も多かったのが、玄関からの脱走。飼い主さんの外出時や帰宅時、宅配のやり取りをしている間などに、出て行ってしまう猫がいるようです。
猫の脱走ルートその2「窓」
続いて多かったのが窓からの脱走で、全体の32%でした。猫が網戸を自分で開けたり、爪や頭で破いたりと、網戸の状態のときに脱走されるケースが大半です。中には、網戸のない窓をうっかり開けっ放しにしてしまったという飼い主さんもいました。
猫の脱走ルートその3「ベランダ」
全体の30%を占めたのが、ベランダからの脱走です。窓を開けて洗濯物を取り込んでいる間に出て行ってしまった、ベランダの柵の上やスキマから脱走してしまったなどの体験談がありました。日光浴のためについベランダに出してしまう飼い主さんもいますが、注意が必要な場所といえるでしょう。
猫の脱走防止対策
玄関はドアの開け方を見直し、脱走防止柵を設置!
また、猫がドア付近に近づけないよう、脱走防止柵を設置するのも有効です。置くだけの簡易ペット用フェンス、玄関に続く廊下に取り付けて二重構造にできる扉といった、いろいろなタイプの商品があります。中には、100円ショップなどのグッズを使って脱走防止柵を自作する飼い主さんも。DIYに興味のある方は、以下の記事も参考にしてみてください。
窓は網戸のガードを強化し、ロックをかける
ベランダには猫を出さず、柵のスキマをふさいでおく
家の中に猫が安心して休める居場所をつくる
脱走した猫は帰ってくる?実際の迷子体験談もご紹介
脱走した猫が帰ってくる確率は?
もし動物病院に行くときなど外出先で脱走してしまうと、さらに見つけることが困難になります。移動の際には、愛猫を洗濯ネットに入れてからキャリーケースに入れるなど、確実に脱走されない対策をしてください。
実際にあった迷子体験談
家族が出入りするときに脱走!3日後に無事見つかりました
家族が玄関を開けたときに、愛猫が一緒に出てしまいました。かなり捜しましたが見つからず…。あきらめかけた3日目の夜に発見し、無事保護できてホッとしました。
(北海道 M・Tさん)
荷物を運び出す際に脱走!大事に至る前に確保しました
玄関を開けて不用品の荷物を運び出していたところ、愛猫が外に飛び出してしまいました。逃げ回る愛猫をなんとか捕まえましたが、車通りが多い場所の近くだったので冷や汗ものでした。
(佐賀県 J・Kさん)
熊本地震で多数の猫が迷子に!マイクロチップが役に立ちました
2016年4月に起こった熊本地震。家屋の倒壊や同行避難時のパニックで、多数の猫が脱走して迷子に。保護された猫のうち、マイクロチップを装着していた猫の多くは飼い主さんと再会でき、安堵しました。
一方で、マイクロチップを装着していなかったり、装着していても登録の手続きがされていなかったりで、身元の照会ができないケースも。「そのとき」が訪れる前の備えが大切だと実感しました。
(熊本県熊本市 竜之介動物病院院長 徳田竜之介先生)
猫が脱走したらどうする?捜し方と捕まえ方
脱走した猫を保護する手順
- 必要なものを用意する
猫を安全に保護して連れ帰るために必要な、キャリーケース、フード、バスタオル、懐中電灯を用意します。キャリーケースは大きめの洗濯ネットでも代用可能です。 - 猫が隠れやすい場所を捜す
車の下、茂み、物置の下、建物のスキマ、エアコンの室外機の下、公園の隅やベンチの下など、猫が潜みやすい暗くて狭い場所を捜しましょう。 - 猫を見つけたら保護する
猫を見つけたらフードでおびき寄せ、近づいてきたらバスタオルをかぶせて確保し、キャリーケースに入れます。脱走した猫は精神的に不安定なので、大声を出したり、急いで駆け寄ったりしてはいけません。 - 帰宅後は全身をチェックする
ケガをしていないか、歩き方がおかしくないか、体をかいていないか、ウンチやオシッコ、たべる量に変化はないかをチェック。該当するものがあれば動物病院を受診しましょう。
見つからない場合は呼びかけを!
そもそも猫が脱走するのはなぜ?脱走しやすい猫や季節は?
猫が脱走する理由
- 鳥や虫を追いかけたい
- 木登りしたり走り回ったりしたい
- 縄張りをパトロールしたい
一度でも外に出ると縄張りが広がり、本能から脱走を繰り返すようになってしまう猫もいるようです。
脱走しやすい猫の特徴
元ノラ猫・元保護猫
一度でも外で暮らしたことがある猫は、外の刺激ある生活を覚えているため、脱走しようとすることが多くなります。
避妊・去勢手術を受けていない猫
発情期を迎えたメス猫は、交尾する相手を求めて外へ出ようとするでしょう。そして、その声やニオイに引きつけられたオス猫も同じように、メス猫を探しに行こうと脱走を図りやすくなるのです。
近所にノラ猫が多い環境に住んでいる猫
近くで発情している猫がいたり、猫同士の集会が開かれていたりすることで、外に興味をもつ猫もいます。
多頭飼育をされている猫
猫同士の相性が悪いと、室内の生活でのストレスから脱走したいという衝動が起きることがあるようです。
猫が脱走しやすい季節
猫が脱走するとどんな危険があるの?災害時にも役立つ備え
外に出ることに伴う危険
交通事故や誤飲・誤食などのトラブル
外に出たことのない猫は車の危険性がわからないため、道路に飛び出して交通事故にあうことも多いようです。打ちどころによっては、骨折や脳挫傷、横隔膜ヘルニアなどのケガを負うことや、命の危険もあるかもしれません。また、誤飲や誤食などのトラブルも起こりえます。
ノラ猫とのケンカや接触によるリスク
猫同士のケンカにより、噛み傷や引っかき傷などのケガを負うおそれがあります。また、外で生活している猫と接触することで、猫白血病ウイルス感染症・猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)など、さまざまな感染症にかかるリスクも。メス猫であれば、望まない妊娠・出産の心配もあるでしょう。
家に帰れず行方不明になるおそれ
ノラ猫に追いかけられるなどして家から遠く離れ、帰れなくなってしまう猫も。脱走したまま行方不明になってしまう猫も少なくないようです。
脱走時・災害時のためにしておきたい備え
キャリーケースに慣れさせておく
移動の際の脱走を防いだり、脱走した猫を確保しやすくしたりするため、ふだんからキャリーケースを安心できる場所として認識させましょう。猫の好きな場所に扉を開けて置いておく、中に入ったときにフードを与えるなどして、少しずつ慣れさせると◎。
ワクチンの接種や避妊・去勢手術をすませておく
感染症や望まない妊娠・出産を防ぐため、猫カゼなどの予防ワクチンを定期的に接種し、繁殖の予定がない場合は避妊・去勢手術を検討しましょう。
迷子札やマイクロチップを装着しておく
迷子札やマイクロチップといった猫の身元が証明できるものを装着しておけば、愛猫の行方がわからなくなったとしても、再会できる可能性が高くなります。
ただし迷子札に関しては、どこかに首輪を引っ掛けてしまうことを避けるために外れやすく作られているものもあるので、購入時にどういったものかを確認しましょう。
「ねこのきもち」2017年4月号特別付録『シーン別 愛猫の緊急時対策マニュアル』(監修:竜之介動物病院院長 徳田竜之介先生、環境省自然環境局総務課動物愛護管理室専門官 柳川智巳さん)
「ねこのきもち」2017年8月号『愛猫を守るためにできることが見えてくる!イマドキ猫の健康事情(猫の迷子とマイクロチップ)』(監修:聖母坂どうぶつ病院獣医師 鵜飼佳実先生)
「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『【ペットシッターが解説】猫の脱走防止策まとめ』(https://pet.benesse.ne.jp/topics/cat/vapes019_201704.html)
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/nekonote
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※アンケート/「ねこのきもち」2013年6月号より
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