日本では家の中だけで猫を飼うことが多いため、肥満体形の猫が少なくないようです。少々ぽっちゃりしている猫は愛嬌があって可愛いものですが、太りすぎはよくありません。ダイエットが必要かどうか、愛猫の体を見て、さわって、診断してみましょう。
太ったままだとどうしてダメなの?
活動性が下がりストレスを感じる
適正体重をオーバーして太り始めると、動くのが億劫になり活動性が低下します。そうなると、本来行うべきパトロールや観察、毛づくろいなどの時間が減り、生活の満足度が下がってストレスを感じる可能性が指摘されています。
病気にかかりやすくなる
肥満になるとさまざまな病気にもかかりやすくなります。糖尿病や肝リピドーシスは特にかかりやすいとされる病気の代表です。そのほかに皮膚病、泌尿器・呼吸器・循環器・心臓の病気にもかかりやすくなるといわれています。
愛猫の体を見て、さわって、チェック!
体格には個体差があるので、愛猫の肥満度を知るには実際に見て、さわって脂肪量を確認することが大切です。下の4項目をチェックしてみましょう。
①ウエストにくびれがあるか?
猫の体を上から見たとき、ウエスト(後ろ足のやや前)にくびれがあるかをチェック!標準体形の猫なら、何となくでもウエストのくびれがわかります。くびれがわからない、または写真のフィガロ君のようにウエストが膨らんでいるようならダイエットが必要です。
一番左のイラストはくびれがわかる「標準体形」です。真ん中のようにくびれがわからなければ「やや肥満」、右のイラストのようにウエストが膨らんでいる場合は「肥満体形」といえるでしょう。
②背骨を感じられるか?
首から腰まで背骨を押して、背骨の存在が感じられるかチェックしましょう。
標準体形であれば、背中が背骨を頂点として左右に下がっていて、背骨の存在が感じられます。背中が平ら、または背骨を感じられない場合はダイエットが必要です。
③肋骨を感じられるか?
猫の前足の付け根から腰までを両手で挟んで、肋骨の存在を感じられるかチェック!標準体形であれば、軽くさわっただけでも肋骨がわかります。ぎゅっと押さないと感じられない、またはまったく感じられないようならダイエットが必要です。
④おなかをつまめるか?
猫が立っている状態で、おなかをつまんでみましょう。さわるのが難しい場合は横から見てチェック!標準体形の場合、つまめないか、つまめても薄い皮だけです。厚みのある脂肪をつまめるようなら(見てチェックするときはポッコリ垂れ下がっている場合)肥満体形なのでダイエットが必要です。
1つでも当てはまれば愛猫にはダイエットが必要だと認識しましょう。当てはまる数が多いほど肥満度が大きいといえます。
週に1回体重をはかろう
体形を把握したら、現在の体重をチェックしましょう。人用の体重計で簡単にはかれます。100g単位まで表示されるデジタルの体重計だとわかりやすいですよ。
そのあと飼い主さんの体重をはかり、最初の猫と一緒にはかった体重から飼い主さんの体重をマイナスすると、猫だけの体重が算出できます。
猫の平均体重は、オスが4~5kg、メスが3~4kgです(大型猫種を除く)。これを上回ったらダイエットが必要かもしれません。ただし、体格には個体差があるので、上の体格チェックと合わせて確認してくださいね。
抱っこができない場合のアイデア
抱っこが苦手な猫の場合は、以下のような方法で体重をはかってみましょう。
カゴなどに入れて測定
ある程度高さのあるカゴなどに猫を入れ、そのまま体重をはかり、あとからカゴの重さを引きます。
愛猫好みの段ボール箱をセット
体重計に愛猫が好きそうな段ボール箱をのせ、猫が入ったら測定し、あとで箱の重さを引きます。
好きなおやつで誘導
愛猫が好きなおやつを見せ、ニオイをかがせながら体重計の上に誘導します。
これからダイエットに取り組む場合、体形チェックよりも体重チェックのほうが変化がわかりやすいです。週に1回ぐらいのペースで継続して体重を測定しましょう。愛猫が活動的に充実した日々を過ごせるよう、飼い主さんもサポートしてあげてくださいね。
参考/「ねこのきもち」2018年10月号『愛猫には必要ないと思ってない?“はかる”でダイエット診断』(監修:モノカどうぶつ病院院長 小林清佳先生)
イラスト/堀内洋乃
文/Richa