ぽっちゃり猫は見た目がキュートですが、「ぽっちゃり」は、率直に言うと「肥満」です。可愛いという理由だけで、ぽっちゃり猫をぽっちゃりのままにしてはいけません。
今回は、猫の肥満がなぜダメなのかと、3つの「はかる」を駆使した肥満対策&予防法をご紹介します。
日本の猫は太り気味?
飼育している猫の体形、飼い主さんは正しく把握していますか?毎日愛猫を見ている飼い主さんは、愛猫の体形の変化に気づきにくいものなのです。
モノカどうぶつ病院院長の小林清佳先生いわく、日本には肥満体形の猫が多いものの、「ダイエットをさせなければ」と思っている飼い主さんは少ないのだとか。実際医療の現場でも、肥満体形の猫は多いと感じていらっしゃるそうです。
こちらの円グラフは、「愛猫の体形をどう思っていますか?」というお題で、ねこのきもち読者の皆様に実施したアンケート結果です。グラフを見ると、痩せている~標準的だと思う、と答えた方が合計53%。やや太っている~かなり太っていると思う、と答えた方が合計47%でした。約半数の飼い主さんが、愛猫が太っていると感じているようですね。
肥満のままにしてはダメな理由
「ぽっちゃり猫は可愛いから、そのままでもいいんじゃない?」そんな風に考える方もいるかもしれませんが、肥満体形を放っておくのは猫にとってよくありません。肥満が猫に与える、2つの大きな悪影響をご紹介します。
活動性が低下することによりストレスを感じる
適正体重超過で太り始めると、動くのが面倒になったり体がだるくなったりして、活動する時間が減ってしまいます。グルーミングやパトロールなど、猫が日常行っている動きをする時間が減ると、生活の満足度も同時に減っていくので、ストレスがたまりやすくなるおそれがあるのです。
病気にかかりやすくなる
肥満の猫はそうでない猫に比べて、さまざまな病気にかかりやすくなります。代表的なのが、糖尿病や肝リピドーシス。肥満の猫がかかりやすいとされています。他にも、皮膚病や泌尿器・心臓・循環器・呼吸器の病気にもかかりやすくなると考えられているため、肥満のままにしておくと寿命を縮めるおそれがあります。
3つの「はかる」でダイエットをしよう!
愛猫が肥満である、または肥満にさせたくない!そんな飼い主さんにおすすめするのが、3つの「はかる」を利用したダイエット方法です。とても簡単なので、今日から実践できるものばかりですよ。
①体形をはかる
体格には個体差があるため、見るだけでなく実際に触って体形をチェックすることが重要です。4つのポイントをご紹介します。
- まずは、背中を首から腰まで触ってみましょう。背骨が感じられればOK。背骨を感じない、または背中が平らになっている場合は、肥満体形といえそうです。
- 次は猫を上から見て、くびれがあるかチェック!くびれがない、または膨らんでいたら肥満体形です。
- 今度はおなかをつまんでみてください。薄い皮ではなく、厚い脂肪をつまめたら、それはダイエットが必要なサインです。
- 最後は肋骨。前足の付け根から腰にかけて、両手で挟むように包み込んでみてください。強く押さないと肋骨を感じられない、あるいはまったく肋骨の場所がわからない場合は、肥満ということになります。
4つのポイントの中で、1つでも当てはまったらダイエットが必要だと思ってください。4つとも当てはまってしまったら、早急に対処が必要です。
②体重をはかる
体重は明確な数値として出るので、日々の変化がわかりやすいといえます。人用の体重計でOKですが、100g単位まで表示される体重計が理想ですね。大型種を除けば、猫の体重はオスが4~5kg、メスは3~4kgが平均的だといわれています。これを上回るとダイエットが必要かもしれません。ただ体形には個体差があるので、「①体形をはかる」でご紹介したチェック方法と合わせて判断してください。体重のチェックは、週に1回を目安に行いましょう。
③フードをはかる
愛猫が肥満だとわかったら、毎日のフードの量を見直してみましょう。毎日目分量でフードを与えてはいませんか?可愛いからと、際限なくおやつを与えてはいませんか?人と同じで食べすぎは肥満のもとなので、注意が必要です。フードを与える量ですが、ほとんどの場合フードのパッケージに適量が記載されています。それを目安に、適量を与えることを心がけるようにしましょう。
猫の肥満は見た目を変化させるだけでなく、猫の体に悪影響を及ぼす場合があります。まずは愛猫が肥満なのかそうでないのかをチェックして、肥満だったらダイエットをして改善を、普通体形だったとしてもそこで安心せず、しっかりキープできるように日々気をつけてあげましょうね。
参考/「ねこのきもち」2018年10月号『愛猫には必要ないと思ってない?“はかる”でダイエット診断』(監修:モノカどうぶつ病院院長 小林清佳先生)
文/higarina