おっとり、やんちゃ、臆病……。猫にはさまざまな性格があります。そんな猫の性格が決まるのには生まれつきの特徴や育つ過程が大きく影響します。
具体的に何が性格にどう影響するのでしょうか?
血筋でみる傾向
父母の性格や血統、被毛の種類でも傾向が
親からの遺伝は、見た目だけでなく、性格にも少なからず表れるといわれています。一説では、同じ環境下で父親が人懐こいと、子猫も人懐こくなるという話も。また、人に飼われる前提で交配されている純血種は、フレンドリーな性格が多いです。毛の特徴でも傾向があり、毛が短いほどアクティブ、白い部分が多いほど警戒心が強い猫が多いといわれています。
性別でみる傾向
オスは活発、メスは気難しい猫が多い
性別で性格に違いが出るのは、おもに脳の機能と性ホルモンの影響です。オスは、メスにアピールをしなければいけないことから、活発&積極的な傾向に。
一方、子猫を敵から守りながら育てなくてはいけないメスは、気難しい性格になりやすいです。ただしこれは、去勢・避妊手術の有無などでも個体差が生じます。
年齢でみる傾向
約2〜9カ月齢で性格のベースが決まり、シニアになるにつれてまた変化する
猫は生後2カ月前後の頃に、「社会化期」を迎え、この期間にどれだけ人やほかの猫と関わったかによって、フレンドリーさが変わってきます。また、シニア期に差し掛かる7才くらいからは、体力が落ちることもあって、無駄な行動をしない、落ち着いた性格になる傾向にあります。
環境でみる傾向
家族のライフスタイルや同居猫などでも違いが出る
人との距離感でも、猫の性格は変わります。たとえば、留守番が長い猫は、日中寂しいぶん甘えん坊になりやすいですし、つねに人がいる家の猫は、落ち着いていたりします。また、複数飼いの場合、1匹が元気過ぎるともう1匹が控え目な性格になるなど、猫同士の関係も、性格形成の一因になり得ます。
猫の性格は血筋や性別、年齢、環境によって決定付けられる傾向にあるよう。しかし、上述されているように加齢や環境の変化などで性格が変わってくることもあるので、「こういう性格」と決めつけずに柔軟な対応をしてあげたいですね。
参考/「ねこのきもち」2017年7月号『愛猫は何系? 簡単チェックで接し方丸わかり性格別ねこの取扱説明書』(監修:獣医行動診療科認定医 荒田明香先生)
文/浪坂一
撮影/石原さくら
※この記事で使用している画像は2017年7月号『愛猫は何系? 簡単チェックで接し方丸わかり性格別ねこの取扱説明書』に掲載されているものです。