猫はトイレに不満があるとストレスから粗相などの問題行動を起こしてしまうこともあります。
しかし、猫は自分自身ではトイレ環境を変えられないので、飼い主さんが整えてあげる必要があります。
今回は猫がノーストレスなトイレ環境のための4つのポイントをご紹介します。
1、数と置き場所
同居猫との共用を不満に感じる猫も!
理想のトイレの数は、「猫の数+1個」。猫が2匹なら、トイレは3個となります。猫同士の関係がよく、とくに問題がなければ猫の数と同じでもOKですが、その場合はこまめなお手入れを心がけて。置き場所は、複数のトイレを同じ場所に置くよりも、家のあちこちに置き、いつでも行けるようにしたほうがいいでしょう。
猫の数プラス1個が理想
2、容器のタイプと大きさ
小さ過ぎるとはみ出すことも
トイレ容器にはさまざまなタイプ、種類があるので、愛猫の性格や飼い主さんの使い勝手を考え、合ったものを選びましょう。また、トイレ容器が小さいとはみ出しの原因になります。猫が立った状態で全身が入るサイズ以上のトイレ容器を用意して。大柄な猫なら、収納ケースやガーデニング用品で代用する手も。
猫が立った状態で全身が入るサイズが理想
猫が足をついて立ったときに、無理なく全身が入るサイズの容器を選んで。
フード付き
囲まれた空間のほうが落ち着いて排泄できる神経質な猫向き。オシッコを高く飛ばす猫にも!
フードなし
最も一般的。フチに足をかけられるので、猫は排泄姿勢がとりやすい。砂が飛び散りやすいのが難点。
システムトイレ
オシッコは下のシーツやマットで受け止めるしくみ。飼い主さんのお手入れがラクなのがメリット。
3、トイレ砂の種類
猫も飼い主さんも納得できるものを
「気持ちよくかきたい」という猫の欲求と、「飛び散りにくい」「お手入れがラク」という飼い主さんの理想が両立しにくい部分も。多くの種類があるので、いろいろ試してお互いによいと思えるものを探して。激しく砂をかく猫の場合、砂の量を少なくすることで飛び散りが解消するケースも。その場合は、砂の交換ペースを早めて。
粒の大きさ
本物の砂粒大のものから、小石大のものまで。小さいほど猫にはかきやすい半面、飛び散りやすい。
粒の重さ
粒の大きさと原料によって違います。軽いほど、遠くまで飛び散ったり、猫の肉球にくっ付きやすい。
原料
おもに有機物系(紙、木、おからなど)と無機物系(鉱物)があります。固まる機能付きのものも。
4、お手入れの方法と頻度
定期的な漬け置き消毒は必須!
日常的には、ウンチと周辺の砂、砂の塊を取り除き、容器の汚れをお掃除シートなどで拭き取ります。そして月に1〜2回は砂を交換(追加は×)し、容器を水洗い+漬け置き消毒して。細かい傷に入った汚れや、結晶化した尿の成分も取り除くことができます。
※定期的な消毒は、砂を交換するときに行いましょう
水洗い
お風呂場などで、水洗いを。中性洗剤を使い、スポンジでやさしくこすり、汚れを落とします。
漬け置き消毒
容器に水を張り、規定量の塩素系漂泊剤を入れて、30分ほど漬け置きします(猫の誤飲に注意!)。
愛猫にはいつも心地よい生活を送ってもらいたいもの。そのためにも上記のような点に気を付けたトイレ環境をつくってあげられると、いいでしょう。しかし、トイレを急に新しいものに変えるたりするのはNG。猫は環境の変化に弱い生き物なので、突然今まで使っていたものがなくなると戸惑って排泄を我慢してしまうかもしれません。たとえば今までのトイレはそのまま置いておき、新しいものを1つ追加してもいいかもしれませんね。
参考/「ねこのきもち」2016年7月号『飛び散り・ニオイ・はみ出しにサヨナラ!! KNT(快適・ねこ・トイレ)計画、始めよう!』(監修:モノカどうぶつ病院院長 小林清佳先生)
文/浪坂一
イラスト/イデシタタケシ
※この記事で使用している画像は2016年7月号『飛び散り・ニオイ・はみ出しにサヨナラ!! KNT(快適・ねこ・トイレ)計画、始めよう!』に掲載されているものです。