愛猫を撫でてあげたいと思ったとき、じつはとてもタイミングが重要です。猫が「今はダメ!」と思っているときに触ると、怒られてしまうことも。
今回は、猫が見せる「触ってもいいよ♪」のサインと上手な触り方のコツ、触ると怒られてしまう瞬間について、ねこのきもち獣医師相談室の先生が解説します!
猫が「触ってもいいよ」と思っているときのサイン7つ
猫は元々、誰かに合わせて行動することが苦手です。たとえ大好きな飼い主さんであっても、触られたい気分でなければ機嫌よく触らせてくれません。
愛猫からの「触ってもいいよ」のサインを見逃さずに、絆を深めましょう。以下の7つのサインが、触ってもいいときの合図に。
①体の上に乗ってくる
積極的な猫は「触ってほしい」とアピールをするときに、自ら飼い主さんの体に乗ってくることがあります。膝の上やお腹の上、お気に入りの場所は猫によって違うようです。
②スリスリしてくる
顔や体を飼い主さんにスリスリしてくるのも、触ってほしいサインのことが。スリスリしてくるところを触ってあげると、嬉しそうにしていることが多いようです。
軽いスリスリを無視していると、強めにグイグイ押してくる猫もいますね。
③触ってほしい場所を見せる
無防備に体の一部を飼い主さんにさらけ出すのは、触ってほしいのサインのことが。
お腹を出してゴロンとしてきたり、お尻を向けて座ったりしたら、その場所を優しく触ってあげてみてください。
触ってもいいサインの場合は、おとなしく気持ちよさそうにしています。
④前足でチョイチョイする
前足でチョイチョイして、触ってほしいと要求する猫もいます。飼い主さんの手が止まると、再びチョイチョイしておねだりすることも。
これを何回も繰り返していると、飼い主さんの手をキャッチして触るように要求する積極的な猫もいます。
⑤近寄ってじっと見つめる
飼い主さんをじっと見つめているのは、甘えたい大好きのサインです。さらに飼い主さんのすぐそばまで来てじっと見つめていたら、触ってほしいと思っているのかも。
これは、どちらかというと控えめな猫に見られる様子です。気づいたら優しく触ってあげてくださいね。
⑥飼い主さんに付いて回る
飼い主さんの行動に合わせて後を付いて回るのも、なにかを要求しているサイン。トイレや食餌などの欲求が満たされていても、飼い主さんの後をついて回るのであれば、甘えたいのでしょう。
ちょっと触ってあげるときっと喜んでくれるはずなので、たとえ忙しくても触ってあげてくださいね。
⑦鳴く
鳴きながら飼い主さんの視界に入ってくるのも、なにかを要求しているサインです。もしかしたら「触って~!」と鳴いているのかもしれませんね。
愛猫が大好きなところを優しく触ってみるといいでしょう。
猫は「こんなとき」に触ってほしいと思いがち!
たとえば飼い主さんが用事があってなにかをしていたり、留守にして構ってもらえないときほど、自分の存在をアピールするように「触ってほしい」のサインを出しているようです。
そのサインに気づいたら、少し相手をしてあげてみてくださいね。
猫が喜ぶ上手な触り方
「優しくそっと触ってほしい」「少し強めに触ってほしい」など、触られ方の好みや、触られると嬉しい箇所は猫それぞれ違います。猫が喜ぶように触るには、触ってほしいというサインが見られたときにだけ触るようにしましょう。
また、触られて気持ちよさそうにしていても、「もうたくさん!」と思うまでしつこくしてしまうと、猫はイライラする様子を見せて逃げ出したり、噛んでくることも。イライラした様子が見られたら、すぐに触るのを止めましょう。
一般的に触られると猫が喜ぶポイントは、顔(額から鼻すじ、頬から顎の下)、背中、尻尾の付け根、肩から前脚付け根などです。
顔(額から鼻すじ、頬から顎の下)
額や鼻筋、顎の下は指先で優しく掻くように撫でたり、猫からのスリスリの強さに合わせて触ってあげると喜びます。
首周りは、揉むように触ると気持ちよさそうにする猫もいます。
背中
背中は一番触りやすい場所ですね。首元からお尻にかけて、毛並みに沿って触りましょう。
毛づくろいによって自ら手入れをしている猫たちは、毛並みが乱れるのを嫌います。逆毛の方向に触らないように気をつけましょう。
お尻(しっぽの付け根)
しっぽの付け根を「ポンポン」と軽く叩くように触ると喜ぶ猫がいます。
しかし、しっぽの付け根は敏感な場所なので、強く叩いたり、触るだけで嫌がる猫も。猫の様子を見ながら触ってください。
肩から前脚の付け根
肩から前脚の付け根あたりをマッサージするように触ると、気持ちよさそうにする猫も多いでしょう。
「今は触っちゃダメ!」 猫が怒りそうな瞬間7つ
猫がなにかに夢中になっているときや、静かにくつろいでいるときは、自分の時間を大切にしたいため、飼い主さんに触ってほしいという気持ちは少ないように見えます。
とくに、以下の7つのタイミングは注意するといいでしょう。
①怒っているとき、警戒しているとき
猫が威嚇してきたり、攻撃してくるのをなだめようとして触るのはやめましょう。
②不安を感じているとき
来訪者、家族の増減、家具の配置換えなどで不安になり、静かな狭い場所や人の手の届かない場所で身を隠すようにじっとしているときは、触らずにそっとしておいてあげましょう。
③興奮しているとき
おもちゃなどに夢中になって興奮しているときも、直接猫の体を触るのは控えましょう。
④寝ているとき
うとうとしているだけでも、猫にとっては安らぎの時間です。飼い主さんが触ると、猫は邪魔されたと感じイライラしてしまうかも。
⑤食べているとき
集中して食べているときも、触られるのを嫌がる猫が多いです。食べている最中に構うと、怒ったり、食べるのを止めてしまうことがあります。
⑥トイレに入っているとき
トイレは安心して集中したいもの。触られるだけでなく、近くでじっと見られたり、声をかけられたりするのを嫌がる猫は多いでしょう。
⑦毛づくろいしているとき
せっかく整えた毛並みを触られるのは、猫は嫌いなようです。また、イライラしたときに、リラックスするために毛づくろいをしていることもあります。触らずにそっとしておいてあげましょうね。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami