大切な愛猫には、少しでも長く元気でいてもらいたいと思うものですよね。日頃から愛猫の健康を気遣った暮らしをしている飼い主さんも多いと思いますが、なかには「あの飼い方では寿命を縮めてしまうかも…」と思える人もいるようです。
今回は、ねこのきもち獣医師相談室の先生が実際に目撃した「猫の寿命を縮めかねない飼い主さんの行動7つ」について紹介します。
猫の寿命を縮める可能性のある7つのこと
①肥満にさせてしまう
愛猫から、ごはんやおやつをおねだりされることもありますよね。「愛猫がかわいいから」「ねだるから」と、愛猫の好きなだけ食事を与えていると肥満になってしまいます。
肥満は糖尿病や関節の問題、尿路結石のできやすさなど、さまざまな疾患の原因となるので注意が必要です。
肥満対策について
飼い主さんが愛猫の肥満対策で意識したいことは、以下のようなことです。ぜひ心がけてみてください。
- おやつや間食を控える(与える場合は1日の摂取カロリーの10%以内にする)
- 適度な運動をさせる
- 総合栄養食は適正なカロリー計算をした上で与える
②病院に連れて行かない
飼い主さんのなかには、病気になったとしても愛猫を病院に連れて行かない人もいるようです。異変に気づいているのに放置してしまうと、治せる病気も治らない、もしくは慢性化して病状が悪化する恐れも。
病気の早期発見、早期治療に努めよう
病気は早期発見、早期治療を心がけることで、猫への負担を減らすことができます。定期的な健康診断をして、愛猫が健康的な生活を送れるようにしましょう。
③ストレスを与える
猫が落ち着いて生活を送ることができないような環境だと、ストレスを感じてしまいます。猫が居心地が悪いと感じる環境は、下記のようなものです。
- 家の中や周囲に物音が多い
- 自分だけの安全な居場所がない
- 落ち着く場所がない
- 逃げ場がない
- 自由に移動できない
- トイレが汚い
- 寒い、もしくは暑い
ストレスを与え続けている状況が続くと、寿命を縮める要因となる可能性があります。愛猫にストレスがかからない、落ち着いて生活できるような環境づくりを心がけましょう。
④飼い主さんの喫煙
人において、受動喫煙による肺がんと虚血性心疾患の死亡数は年間約6,800人と言われていますが、猫では悪性リンパ腫のリスクが上昇することが報告されています。
また、タバコの煙の成分が衣服や壁、カーテン、絨毯などに付着して、その残留物が直接・間接的に被害をもたらす「三次喫煙」にも注意が必要です。
たとえ飼い主さんが猫とは別の場所でタバコを吸っていたとしても、有害物質が付着した衣服で抱っこされたり、物質が付着した部分を舐めてしまうことで、猫が有害物質を口にしてしまうのです。
愛猫の健康のために禁煙を考えよう
受動喫煙や三次喫煙まで考えると、空間分煙をしたり空気清浄機などを設置したとしても、タバコの害は無視できるものではないですよね。愛猫のことを考えて、禁煙されることをおすすめします。
⑤猫を外飼いしている
猫は室内だけで飼いましょう。外へ行く習慣があると、感染症やノミ・ダニなどの寄生虫のリスクが増大します。また、事故やケガをする危険性も増えます。
車が激しく行き交う道路も多く、猫がそうした場所に飛び出して事故に遭い、命を落とすコも少なくありません。骨折したり、打ちどころによっては脳挫傷、横隔膜ヘルニア、気胸などを患うこともあります。
こうした悲しい事故に愛猫を遭わせないためにも、室内飼いを徹底しましょう。
⑥猫のそばでアロマオイルを使用する
アロマオイルも、猫にとっては有害な場合があります。ニオイが強いだけではなく、強い毒性があるものも知られていますし、アロマオイルの猫に対する安全性に関してはまだまだ未確認なことが多いのが現状です。
猫のいる家でのアロマオイルの使用は控えたほうがよいでしょう。
洗剤や芳香剤なども成分を確認しよう
衣類や住居用の芳香剤も、アロマオイルや香水と同じと考えてよいでしょう。洗剤や柔軟剤、シャンプー、消臭剤などにも香料の一部に危険な成分が含まれているものがあるので、使用前には必ず成分を確認して、極力猫用のものなどを使用するようにしましょう。
⑦避妊・去勢手術をさせない
避妊・去勢手術は、子孫を残す目的がある場合以外はしておくほうがよいでしょう。手術をしておくとホルモンが関連する病気を防ぐことができ、寿命を伸ばすともいえるからです。
手術をするしないは飼い主さんが決めることですが、病気のリスクや発情期にくるストレスは室内猫であっても大きいことを覚えておきましょう。
愛猫からのおねだりに応えたかったり、飼い主さん自身タバコを吸いたかったり、部屋でアロマを炊きたかったり。そうした気持ちも理解できますが、一緒に暮らしている愛猫の体に負担をかけてしまうと、飼い主さんは覚えておいてください。
愛猫が健康でいられるように、日々できる対策はしていきましょうね!
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
取材・文/sorami