猫を撫でてあげたとき、「あんまり気持ちよさそうにしていないかも…」と思ってしまったことはないですか? もしかしたら、猫が触られるのが苦手な部位を撫でてしまったり、上手な撫で方ができていない可能性があるかもしれません。
猫が触られるのが好きな部位・嫌いな部位は?
猫は一般的に、顔まわり〜背中を触られるのを好むコが多く、足先・しっぽを触られるのを嫌がるコが多いようです。
顔まわり〜背中を触られるのが好きなワケ
顔まわりから背中にかけてなど、猫が人や物にニオイをつけるときにこすりつける部位は、人に触られても気持ちがいいと感じることが多い傾向に。
足先・しっぽを触られるのが嫌いなワケ
足先やしっぽなどの体の先端は神経が密集しているため、触られるのを嫌うコが多い傾向に。
触られるのが好きな部位・嫌いな部位は個体差が大きく、例外もあります。飼い主さんは、愛猫がどこの部位をどんなふうに撫でられるのが好きなのかを、様子をよく観察して見極めてみてください。
猫がウットリする「顔まわり」の撫で方のコツ
今回は、触られるが好きな猫が多い顔まわりの撫で方のコツを紹介します。ここでは、「頬」「あごの下」「耳まわり」「額」の4つの部位ごとに見ていきます。
頬の上手な撫で方
指の腹や手の甲で、ヒゲの付け根から生えている方向にゆっくり優しく撫でてあげましょう。猫がスリスリするときにこすりつける部分を撫でてあげるといいですよ!
あごの下の上手な撫で方
口のすぐ下から喉のあたりまで、指先で毛並みに沿って優しく撫でてあげましょう。指先や手の甲でゆっくりと往復して撫でてあげるのもいいですね!
耳まわりの上手な撫で方
手のひら全体で猫の耳をすっぽり覆うようにして、耳の付け根周辺を指先で優しくモミモミしてみて。耳介(三角の部分)をつぶさないように、優しく触ってあげてください!
額の上手な撫で方
猫の両目の間あたりから両耳の間に向けて、指の腹でそっと上に撫でてみて。手の甲で円を描くようにして、額の広い部分をゆっくり撫でるのでもOKです!
猫の顔まわりを撫でてあげる際は、ぜひ実践してみてくださいね♪
猫とスキンシップする際に覚えておきたい5つのこと
最後に、猫とスキンシップする際に飼い主さんが覚えておいてほしいこと5つを紹介します。
①スキンシップのタイミングを決めるのは、飼い主さんではなく猫
飼い主さんが愛猫と触れ合いたいと思っても、猫の気分が乗らなければうまくいきません。スキンシップのタイミングを決めるのは、飼い主さんではなく猫のほうなのです。
猫が「甘えたい」「撫でてほしい」と思って飼い主さんのそばに来たときにスキンシップをしましょう!
②無理強いと余計なお世話はNG!
愛猫とスキンシップしたいからといって、くつろいでいるのにわざわざ移動させたり、無理に抱っこしようとするのはNGです! また、毛布などをかけてあげるのも控えましょう。
猫が逃げなくても、「嫌だな」と思って我慢している可能性があります。これを繰り返していると、飼い主さんのそばに来なくなってしまう可能性も…。
猫が嫌がることをしないこと、スキンシップのタイミングや猫の居場所は猫の意思を尊重してあげることを覚えておいてください!
③手の温度や撫でる速さ・強さにも気をつけよう
撫でたときに猫が驚いてしまった場合、「嫌なことをされた!」と記憶して、そばに来なくなってしまうことがあります。
愛猫とのスキンシップの際には、驚かせないように配慮することが大切です。たとえば、冷たい手で触ったり、強く撫でたりすると、猫が驚いてしまうことがあるので注意してください。
手が冷たい場合は触る前に温めたり、撫でるときは優しくゆっくり撫でてあげるなどを意識してみましょう。
④「もう充分!」のサインを見逃さないで
猫を撫でているときに下記のようなしぐさが見られたら要注意!
- つぶっていた目を開ける
- 耳を後ろ向きに反らせる
- しっぽをパタパタと振り始める
これらは、「もう充分!」という猫からのサインです。このサインが見られたら、撫でるのを続けずにストップしてください。
猫の気分はコロコロと変わりやすいので、「気持ちいいな」と思っていても、突然「もうやめて!」と噛んでくることがあります。おそらく猫は噛む前に「もう充分!」のサインを見せているはずなので、見逃さないようにしましょう。
⑤警戒心が強い猫の場合は、撫でるまでに日にちと時間をゆっくりかけよう
緊張や警戒心が強い猫は、飼い主さんのところになかなか来ないことがあります。まずは、猫が近寄れそうな場所に、猫のお気に入りのくつろぎスペースを用意してあげましょう。ポイントは、愛猫が緊張・警戒しない距離を保ってあげることです。
そして猫が近寄ってきても、飼い主さんは無関心を貫きましょう。緊張や警戒心が強い猫の場合、飼い主さんがなにもしないことに安心します。近づいて来ても声をかけたり手を出したりせず、気づいていないフリをしてみてください。
日にちと時間をかけて少しずつ距離を縮めていき、猫がリラックスしていたら驚かせないように注意してそっと撫でてあげましょう。
参考/「ねこのきもち」2016年12月号『今よりもっと仲よく、"懇ろ"に にゃんごろスキンシップ』(監修:モノカどうぶつ病院院長 小林清佳先生)
文/sorami