意外とあいまい!? 猫のお世話はどれくらいすればいい?
猫の「お世話の頻度」をしっかり知っていますか? 何となくの自己判断では愛猫の健康を損ねてしまうこともあるそう。とくに知っておきたい8つの「お世話の頻度」の目安を紹介します。
1 ブラッシングの頻度は…
最低でも週1回以上。長毛猫は毎日がベスト
ブラッシングは、抜け毛や毛玉対策として不可欠なお世話。抜け毛を毛づくろいのときに飲み込み過ぎると、胃の中で毛玉になり胃粘膜を刺激して嘔吐などを起こす「毛球症」になることが。最低でも週1回以上は行い、春と秋の換毛期は毎日できるといいでしょう。ただし、長毛猫はとくに毛玉によって皮膚が蒸れた状態になり「皮膚炎」を起こしがちなので、通年毎日行うことが理想です。
長毛猫はコーミングも プラスすると◎
コームを使ったコーミングも取り入れて。毛の絡まりがほぐしやすいので毛玉予防効果がより高まります。
2 歯磨きの頻度は…
できる猫は歯ブラシで毎日。できない猫は綿棒で週2回ほど
猫は、口腔トラブルを抱えやすく、3才を過ぎた猫の8割以上が「歯周病(歯肉炎・歯周炎)」だというデータも。予防として、歯垢が歯石に変わる前に歯磨きで除去することが大切です。できる猫は歯ブラシで毎日歯磨きを。難しい猫は綿棒で週2回ほど見える歯だけでもこすって。それも無理な猫は動物病院で少なくとも年に1回はチェックを。
3 爪切りの頻度は…
子猫は週1回。成猫は2週間に1回ほど
鋭く尖った伸び放題の爪のままでは、ジャンプや走ったときに爪が引っかかり、爪が剥がれたり、足を脱臼したりなどケガをする恐れが。また、複数飼いの場合、猫同士がケンカした際に相手の角膜を傷つけ「角膜炎」を起こすことも。そんなことから爪切りは欠かせないお世話です。爪が伸びる速度は個体差もありますが、子猫は伸びるのが速いので週1回、成猫は2週間に1回を目安に。伸びるのが遅くなるシニア猫でも、3週間に1回はお手入れをしましょう。
爪切りの目安は 血管より約2㎜以上 離れたところ!
根元のピンクの部分は血管です。ギリギリのラインまで切ろうとすると出血する恐れがあるので、そこから約2㎜以上離れたところをカットしましょう
4 顔周りのケアの頻度は…
汚れは毎日チェックを。 汚れていたら早めにケア
猫は、自分で毛づくろいして体を清潔に保ちますが、毛づくろいしにくい顔周りは汚れが残りやすいのでケアをしてあげたいもの。あごは、フードが付いたまま放置すると「あごニキビ」
の原因に、目は、目ヤニを放置すると「結膜炎・角膜炎」の原因になります。耳アカが大量の場合は、「外耳炎」の可能性があるので受診を。汚れを毎日チェックし、汚れていたら早めに、お湯で湿らせたコットンやガーゼでやさしく拭き取って。
※耳のケアについては、やり過ぎると耳道を傷める原因になるので注意しましょう。
5 食事の頻度は…
少しずつ食べる猫は1日分を1回にまとめても。一気食いする猫は1日2回以上に分けて
猫は本来、1日に数回少量ずつ食べる習性があります。ですから、そのように少しずつ食べる
猫の場合は、傷みにくいドライフード(総合栄養食)であれば、1日分を1回にまとめて置い
ておいてもいいでしょう。ですが、一気食いする猫は、胃腸に負担がかかる原因になるので、1日2回以上に分けて与えるようにして。
1 日分はしっかり計量することが大切!
計量せずに与えると肥満の原因に。1 日のフード量はパッケージに記載の適正量を守るように徹底して。
6 体重測定の頻度は…
年齢に関係なく週1回。少なくとも隔週1回
猫の体重の増減を知ることは、病気の発見や予防になるので、体重測定を習慣化することは
大切なこと。体が小さい猫にとって1㎏の増減は、人だと10㎏ほどの増減になります。肥満は、「糖尿病」などを引き起こす可能性が。また、2週間に100g以上体重が減るなら「がん」や「腎臓病」など、シニア猫であれば「甲状腺機能亢進症」などの可能性が。猫の体重に大幅な増減が見られたら早急に動物病院で受診して。
抱っこをして量ると簡単!
自分の体重との差で、猫の体重が測定できます。体重計は、精密に計量できるデジタルタイプがおすすめ!
7 トイレ掃除の頻度は…
できるなら排泄の度に。無理でも1日2回以上
猫はきれい好きな動物なので、トイレが汚れたままでは排泄を我慢して「膀胱炎」など泌尿器系の病気や「便秘」になることが。また、ストレスから粗相をしたり、免疫力が落ちて「猫カゼ」などになることも。トイレのタイプによりますが、掃除は排泄の度が理想です。無理でも1日2回以上を目指して。また、トイレ砂は、2週間〜1カ月を目安にすべて入れ替え、その際にトイレ容器も丸洗いと除菌をするのが理想です。
8 遊びの頻度は…
毎日、1回 10 分ほどを間隔をあけて3回以上
もともと狩猟動物である猫にとって、遊びは〝狩り〟の代わりになる大切な行為。猫は、たまに長く遊ぶよりも短い時間でも毎日遊ぶほうが、狩猟本能が満たされてストレス発散に繋がります。肥満予防のうえにコミュニケーションにもなるので、できれば1回10分ほどを間隔をあけて、3回以上遊んであげるといいでしょう。
シニア猫は興味をもたせるだけも〇
シニア猫の場合は刺激を与えることで「認知症」予防に。嫌がらない範囲で、ニオイを嗅がせるなど、おもちゃに興味をもたせてあげて。
いかがでしたか?
「お世話の頻度」の目安をぜひ参考にてみてくださいね。
参考/「ねこのきもち」2020年8月号『お世話や健康管理に役立つ! 知っておきたい猫まわりの3つの「目安」』(監修:ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生)
文/Betty
撮影/shizu*、尾﨑たまき、石原さくら
撮影協力/保護猫カフェ「駒猫」
※この記事で使用している画像は「ねこのきもち」2020年8月号『お世話や健康管理に役立つ! 知っておきたい猫まわりの3つの「目安」』に掲載されているものです。