「きんにく体操=ボディメイク」と思いがちですが、この体操の第一の目的は健康維持! 猫も筋肉が衰えると健康を害することがあります。それを詳しく説明するともに、4つの「きんにく体操」を紹介しましょう。
筋肉の衰えは、体の不調につながる恐れが!
筋肉は、運動だけでなく、健康に強く影響を及ぼすことを知っていますか? じつは、筋肉は体温を生み出す熱源でもあるので、衰えると体が冷えやすくなり、免疫力が下がって病気になりやすくなるのだとか。猫自身でもよくストレッチをしていますが、愛猫の健康維持のためには、飼い主さんが筋肉を伸ばしたり鍛えたりしてあげると筋肉の衰え予防として効果的です。次から紹介する「きんにく体操」に挑戦してみて。
じっくり鍛えるストレッチ系筋肉体操
まずは、猫の筋肉を伸ばして鍛える体操をご紹介します。愛猫と飼い主さんの「ペアストレッチ」はスキンシップにもなりますよ! それぞれの体操を毎日3セット目標にして。
始める前に… 猫の体を温めてから体操すると筋肉が伸びやすい!
人は、お風呂上がりなど体が温まっているときに筋肉が伸びやすいと感じますよね。猫も同じなので、湯たんぽなどで鍛える部位を温めてから行いましょう。ぬるま湯を入れたペットボトルをくつ下に入れて結んだ手作り湯たんぽで温めるのがオススメです!
※ペットボトルは耐熱用を使用し、決して熱湯は入れないようにしてください。
大切なことは… 力加減は、弱過ぎず強過ぎず!
弱過ぎると効果がありませんが、強過ぎると筋肉を傷める原因に。耳を反らすなど「イヤ」のサインが出ない程度に加減をして行って。
ちなみに… 1つのポーズに対して、5~10秒維持できると効果的!
筋肉は充分にストレッチされるまでに時間がかかるもの。一つひとつのポーズで動きを止めてゆっくり行うことで効果が期待できます。
上腕三頭筋に効果的! 前足体操
ひじを伸ばす筋肉で、立っているときに体を支えるために役立っている上腕三頭筋。衰えると立っていることが困難になるので両前足を対角にストレッチして鍛えて。
前足を前方へ引っ張ってから、胸元へ押し寄せる
膝の上で、猫を仰向けに抱っこし、前足のつけ根を持って、前方へ軽く引っ張って維持することからスタート(5秒キープ)。その後、前足が交差するように胸元へ向けて押し寄せて維持します(10秒キープ)。これを両前足しましょう。
大腿四頭筋に効果的! 後ろ足体操
ひざを伸ばす筋肉で、走ったり跳んだりするときに使う大腿四頭筋。一番衰えやすい筋肉といわれているので衰えるスピードを遅くするためにも、両後ろ足の伸縮体操をしましょう。
後ろ足をゆっくり 伸ばしてから、ゆっくり縮める
膝の上で、猫を仰向けに抱っこし、後ろ足の付け根を持って前方へ伸ばして維持(10秒キープ)。その後、持っている手をひざに変えて後方へ縮めて維持します(5秒キープ)。これを両後ろ足しましょう。
軸上筋群 (脊柱起立筋)に効果的! 背骨体操
背骨の上にある筋肉で、体幹の伸展や姿勢を安定させるために役立っている軸上筋群。背骨を伸ばしたり、左右へひねったりする運動を取り入れてみて。
1/前足のつけ根を持ち、背骨が伸びるように上方へ引っ張る
膝の上で、猫を仰向けに抱っこし、太ももで後ろ足あたりを軽く挟みながら、前足のつけ根を持って上方へ引っ張るように伸ばして維持します(10秒キープ)。このとき、猫の背骨が自分の体に沿うように引き寄せると◎。その状態のまま、左右に軽くゆらすとさらに効果的です。
2/前足のつけ根を持ったまま、左右へ体をひねる
1と同じ体勢で、体を左へ、右へひねって維持します(各7秒キープ)。猫の背骨を自分の体に密着させるようにすると安定します
しっかり鍛えるハード系筋肉体操
シニア猫には不向きですが、筋肉だけでなく全身運動にもなるハード系も取り入れて。筋肉に栄養を行き渡らせるために、こまめに休みを入れながら行うことが大切です。2~3分体操し、2~3分休む。これを毎日3~5セット目標にして。
大腿二頭筋に効果的! 後ろ足体操
ひざを曲げる筋肉で、跳ぶときに役立つ大腿二頭筋。助走なしで高く跳べるように強力なバネのように発達していますが、上下運動やジャンプ運動でより鍛えて。
じゃらしおもちゃなどで上下運動を誘導して
猫のお気に入りのじゃらしおもちゃなどを使って、上下運動を。ゆっくり繰り返すことで鍛えられるので、できるだけスローに反復して上下運動ができるようになると◎
じゃらしおもちゃなどでジャンプへ導いて
猫のお気に入りのじゃらしおもちゃなどを使って、できるだけ高くジャンプできるように練習して。おもちゃをキャッチできれば前足も鍛えられます
いかがだったでしょうか? 無理せず、猫と一緒に「筋肉体操」に挑戦してみてくださいね。
参考/「ねこのきもち」2021年2月号『猫の健康維持のために 伸ばして! 遊んで! Let’sきんにく体操』(監修:東京都港区にあるアニマル・ケアサロンFLORA院長 中桐由貴先生)
文/Betty
撮影/尾㟢たまき、撮影/Akimasa Harada
撮影協力/猫と本 Miaw
※この記事で使用している画像は「ねこのきもち」2021年2月号『猫の健康維持のために 伸ばして! 遊んで! Let’sきんにく体操』に掲載されているものです。