猫といえば「またたび」。またたびは、日本の山地に自生するマタタビ科の落葉つる性植物です。ネコ科の動物は、またたびのニオイを嗅いで、人でいうところの多幸感や食後の満足感と同じような感覚を感じているといわれています。
飼っていない人にも「猫のまたたび好き」は浸透しているほどですが、その陶酔ぶりに「大丈夫かしら?」と心配になったことはありませんか?
やはりまたたびにも与えるときのルールがあるよう。注意すべきことをまとめました。
与えるのは数日おきくらいが〇
またたびを与えて猫が反応を示す場合、一度反応すると、刺激に慣れてしまうのか、その後数時間は反応しなくなるといわれています。頻繁に与える必要はありませんし、新鮮さを保つためにも、数日おきくらいが好ましいでしょう。
与える量は製品の用法を守って。 実験では 葉1枚分で効果が
またたびを使用した製品によって推奨される量は異なるので、製品の注意書きを守りましょう。ちなみに実験では0・05㎎のネペタラクトール(またたびに含まれる、反応を引き起こす成分)で反応が確認できました。これはまたたびの葉1枚が含む量よりやや多いくらいです。
依存性は心配しなくてもよさそう
またたびを薬物に近いものと思っている人もいますが、禁断症状が出る中毒性や依存性はないと考えられています。あくまで嗅覚を通しての一時的な生理現象なので、与えないかぎり、猫は自ら欲してはこないでしょう。
猫の様子を見ながら与えて
またたびに反応するかどうかは、年齢・健康状態に関係はありません。ただし、子猫やシニア猫、持病のある猫、投薬中の猫の場合は、事前に動物病院に相談し、様子を見ながら、与えるかどうか判断するといいでしょう。
またたびに反応して我を忘れたような愛猫を見て、薬物のような害を心配していた人もいるかもしれませんが、中毒性も依存性もないとのこと。まさに、用量、用法を守ることが大切。愛猫とのコミュニケーションツールのひとつとして、上手に付き合いたいですね。
参考/「ねこのきもち」2021年7月号『猫とまたたび研究』(監修:宮崎雅雄先生 岩手大学農学部教授、上野山怜子さん 岩手大学総合科学研究所農学専攻修士2年)
文/ハナマサ
※この記事で使用している画像は2021年7月号『猫とまたたび研究』に掲載しているものです。