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【獣医師監修】猫に歯磨きは必要?デンタルケアについて教えます
猫にも、歯磨きは必要なのでしょうか? 柔らかい食事が多い家猫は、歯石がたまりやすく、歯周病になりやすいといわれています。愛猫の口腔内衛生を保つためにも、歯磨きの必要性と歯の磨き方、頻度、そのほかのデンタルケア用品を紹介します。

平野 太陽 先生
獣医師
右京動物病院SAGANO院長
麻布大学卒業
奈良動物二次診療クリニック第6期研修修了
●資格:獣医師/宅地建物取引士
●所属:京都市獣医師会/日本動物病院協会/日本獣医画像診断学会/日本獣医がん学会/日本獣医腎泌尿器学会
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右京動物病院SAGANO院長
麻布大学卒業
奈良動物二次診療クリニック第6期研修修了
●資格:獣医師/宅地建物取引士
●所属:京都市獣医師会/日本動物病院協会/日本獣医画像診断学会/日本獣医がん学会/日本獣医腎泌尿器学会
猫に歯磨きが必要なわけ
そもそも歯磨きは、細菌の増殖場所となる歯垢や、その元となる食べカスを口腔内から除去する目的で行われるもの。人の場合は、歯磨きを怠ると、口腔内で細菌が増殖して、虫歯になることもあるので、それを未然に防ぐために行っているのです。
人にとって欠かせない歯磨きですが、猫にとっても有用なのでしょうか。結論からお話しすると、猫にとって歯磨きは有用です。猫に歯磨きが必要といわれる大きな理由を、3つ紹介します。
人にとって欠かせない歯磨きですが、猫にとっても有用なのでしょうか。結論からお話しすると、猫にとって歯磨きは有用です。猫に歯磨きが必要といわれる大きな理由を、3つ紹介します。
猫は歯石がたまりやすい
猫の口腔内はアルカリ性をしており、人と環境が異なるので虫歯になることは少ないといわれています。その代わりに歯の表面に付着した歯垢が固まりやすいため、歯石を形成してしまうのです。
また、一般的に飼育動物は野生動物より食べている物が柔らかく、歯の表面の汚れを物理的にそげ落とす機会が少ないといわれています。加えて、噛む回数自体も少ないので、歯石がつきやすくなるのです。
また、一般的に飼育動物は野生動物より食べている物が柔らかく、歯の表面の汚れを物理的にそげ落とす機会が少ないといわれています。加えて、噛む回数自体も少ないので、歯石がつきやすくなるのです。
歯磨きをすることで歯周病を予防できる
歯石の表面は粗く凸凹しているので、そこに新たな細菌が大量に付着すると、歯石に隣接した歯肉や口腔粘膜に炎症を引き起こすことも。歯磨きをすることで、この歯石の元となる食べカスや歯垢を口腔内から除去することは、歯周病を未然に防ぐことにもつながるのです。
さまざまな病気の発症も遅らせることができる
口腔内の病気は、出血による口臭や、炎症や潰瘍による食欲不振にもつながります。これらの症状がでることを遅らせるためにも、歯磨きは重要な役割を担うのです。また口腔内の問題が全身へ発展することもあり、腎臓疾患や心臓疾患を引き起こして、最悪、死に至るケースがあることも理解しておくべきでしょう。
家猫は野生の猫よりも寿命が長い分、人生における口腔内の問題が増えてきます。若い頃からの歯磨き習慣が、健康を長く保つ上でとても重要といえるのです。
家猫は野生の猫よりも寿命が長い分、人生における口腔内の問題が増えてきます。若い頃からの歯磨き習慣が、健康を長く保つ上でとても重要といえるのです。
猫の歯磨きの頻度は?
歯磨きは、口腔内に発生するさまざまな病気の予防を目的として行うものなので、毎食後に歯磨きできるようになるのが理想的です。まだ歯磨きに慣れていない猫の場合は、週に2~3回を目安に行いましょう。
口腔内環境の悪化は全身性疾患の影響によることもあるので、毎日の歯磨きをきっかけに口の中を観察することは、大きな病気の早期発見にもつながるでしょう。
口腔内環境の悪化は全身性疾患の影響によることもあるので、毎日の歯磨きをきっかけに口の中を観察することは、大きな病気の早期発見にもつながるでしょう。
猫の歯磨き!ストレスを最小限におさえて、スムーズに磨く方法
いざ歯磨きを始めようと思っても、慣れないうちは必死に抵抗されるので、歯磨きどころではありません。そんな歯磨き初心者の飼い主さんのために、歯磨きの慣れさせ方と歯磨き法を紹介します。
まずは口&歯にタッチすることに慣れさせよう
ステップ1:口周りに触れて口角を引き上げる
最初は猫の口まわりを触ることから、始めてみましょう。猫が触られると喜ぶところから始めて、だんだんと口のまわりに手を移動していきます。大丈夫そうなら次は口角と頬のあたりをやさしくもんでみましょう。そして口角を引き上げるように頬をグイっと引き伸ばします。
最終的に奥歯まで見える笑顔の口になれば成功です。
最終的に奥歯まで見える笑顔の口になれば成功です。
ステップ2:歯にタッチする
猫の顎下に片手を当て、人差し指で上唇を持ち上げながら前歯を触ります。継続していくうちに奥歯の方まで触らせてくれるようになったら、いよいよ歯ブラシを使った歯磨きの準備が整います。途中で嫌がるようなら、無理強いせずにすぐ手を離してあげましょう。
歯磨きのときに用意するもの
用意するものは、こちらです。
歯ブラシと歯磨きペーストは、必ず猫用のものを用意しましょう。人用のものは、素材や成分の猫への無害性が立証されていませんので、猫には使わないようにします。
また、乾いた歯ブラシは硬くて嫌がる猫もいるので、使う前に水をたっぷり含ませてから歯磨きペーストを付けるのがコツです。歯ブラシの持ち方は握りしめるのではなく、鉛筆を持つスタイルをキープしましょう。そうすれば余計な力が入らず、猫にストレスがかかりにくくなるでしょう。
- 猫用の歯ブラシ
- 猫用の歯磨き(歯磨きペースト)
- 水と歯磨きペーストを入れるトレー
歯ブラシと歯磨きペーストは、必ず猫用のものを用意しましょう。人用のものは、素材や成分の猫への無害性が立証されていませんので、猫には使わないようにします。
また、乾いた歯ブラシは硬くて嫌がる猫もいるので、使う前に水をたっぷり含ませてから歯磨きペーストを付けるのがコツです。歯ブラシの持ち方は握りしめるのではなく、鉛筆を持つスタイルをキープしましょう。そうすれば余計な力が入らず、猫にストレスがかかりにくくなるでしょう。
ストレスフリーな歯の磨き方
ステップ1:奥歯をすばやく磨く
奥歯(臼歯)は歯垢や歯石が付着しやすく、汚れがたまりやすい箇所です。猫の頭を手で後ろから掴み、その掴んだ手の親指を使って口角を後ろに引っ張るイメージで、唇を上にめくりあげます。
臼歯が見えたら、猫用歯ブラシに猫用歯磨き粉をつけてやさしく磨いてあげてください。歯ブラシは小刻みに動かすのがポイントです。全ての臼歯を綺麗に磨ければベストですが、表面についた汚れを取ってあげるだけでも十分効果はあります。
臼歯が見えたら、猫用歯ブラシに猫用歯磨き粉をつけてやさしく磨いてあげてください。歯ブラシは小刻みに動かすのがポイントです。全ての臼歯を綺麗に磨ければベストですが、表面についた汚れを取ってあげるだけでも十分効果はあります。
ステップ2:前歯をすばやく磨く
奥歯がある程度綺麗にできたら、次は前歯にうつります。猫の上唇の前側をグイっと持ち上げて前歯を出したら、やさしく歯ブラシを動かして磨きましょう。長い犬歯はタテ方向にも磨いてあげます。
コツは、時間をかけすぎずに手早く磨き上げることです。愛猫と一緒に練習するつもりで取り組むと、飼い主さんも愛猫への歯磨きが上達するでしょう。
コツは、時間をかけすぎずに手早く磨き上げることです。愛猫と一緒に練習するつもりで取り組むと、飼い主さんも愛猫への歯磨きが上達するでしょう。
どうしても歯磨きを嫌がる猫には
成猫になってから歯磨きに挑戦するのは難しいもの
猫は、基本的に口の中を触られることを好みません。噛む力が弱い時期(乳歯が生えてくる時期)から口に指を入れて慣れさせておくと、歯磨きがスムーズにできるようになりますが、成猫になってから歯磨きに初チャレンジする場合は、できるようになるまでにかなり時間がかかるでしょう。
それでも歯みがきに抵抗をなくすには
指に美味しい液状のものをつけて、指が口に入れば美味しいという学習をさせると、口の中に指を入れられることに抵抗がなくなるかもしれません。
いきなり歯ブラシを使うことは難しいので、指を入れるところから始めて、次に美味しい汁を染み込ませたガーゼを指に巻いて、歯の表面を擦ってあげましょう。習慣化してしまえば、人と同じように毎日のルーティンとして続けていけるでしょう。
いきなり歯ブラシを使うことは難しいので、指を入れるところから始めて、次に美味しい汁を染み込ませたガーゼを指に巻いて、歯の表面を擦ってあげましょう。習慣化してしまえば、人と同じように毎日のルーティンとして続けていけるでしょう。
時間で区切ることも大切
歯磨きにあまり時間をかけ過ぎるとストレスになるので、歯磨きの制限時間を決めて、時間がきたらその日は切り上げるといったことも長く歯磨きを習慣化していく上では必要かもしれません。
成猫からの歯磨きスタートでも、すんなり歯磨きをさせてくれる猫がいるかもしれませんので、まずはトライしてみることが大切です。
いろいろ試した結果、どうしても歯磨きできない場合は諦めることも必要です。デンタルケアグッズを使って、最低限の口腔内のケアをしてあげましょう。
成猫からの歯磨きスタートでも、すんなり歯磨きをさせてくれる猫がいるかもしれませんので、まずはトライしてみることが大切です。
いろいろ試した結果、どうしても歯磨きできない場合は諦めることも必要です。デンタルケアグッズを使って、最低限の口腔内のケアをしてあげましょう。
歯磨きを受け付けない場合は、ほかの方法でお手入れしよう
事実、猫が歯磨きを嫌がるので困っている人は少なくありません。歯みがきを嫌がる猫の口腔内衛生を保つためには、デンタルケアグッズが役に立つでしょう。
歯みがきシートで拭いて汚れを除去する
歯ブラシをどうしても嫌がるような場合には、歯磨きシートを人差し指にきつめに巻いて、口の中や歯を拭き取ってあげるのがおすすめです。実際に、すんなり歯を磨かせてくれる猫は少ないので、歯磨きシートで汚れを拭ってあげるだけでも、なにもしないよりいいでしょう。
ただし、歯磨きシートのみのケアでは、歯垢は落とせません。歯磨きシートは、歯を触ったりするのに慣れさせるための、歯ブラシを使った歯磨きの前段階としてください。
ただし、歯磨きシートのみのケアでは、歯垢は落とせません。歯磨きシートは、歯を触ったりするのに慣れさせるための、歯ブラシを使った歯磨きの前段階としてください。
歯みがき用のフードやおやつを食べて汚れを落とす
デンタルケアフードは、つぶの形状を工夫することで、猫が噛んだときに歯石がこすり落とされるように作られていて、歯石の蓄積を抑える効果が証明されています。一度できてしまった歯周病などの改善を目的とするのではなく、ふだんの口腔内ケアを目的として使用しましょう。
歯磨きガムを噛んで汚れを落とす
歯磨きガムは、噛むことで汚れを除去する目的で作られたガムです。歯石をつきにくくするうえ、口臭予防の効果が期待できるメリットも。いろんなサイズのものがありますが、何回も噛むことで歯の汚れを除去していくので、与えるとしたら飲み込めない程度の大きさのものがいいでしょう。
ただし、汚れを除去はできますが、歯磨きの代わりにはなりません。また、犬用のものでは歯が折れてしまう心配があるので、必ず猫用のものを選びましょう。
ただし、汚れを除去はできますが、歯磨きの代わりにはなりません。また、犬用のものでは歯が折れてしまう心配があるので、必ず猫用のものを選びましょう。
おもちゃを使って汚れを除去する
猫用の噛むおもちゃの中には、デンタルケアできる商品も。これらのおもちゃを使うと、歯磨きほどの効果は期待できませんが、歯周病などの予防になるといわれています。
噛むおもちゃを購入する場合は、耐久性があるものを選び、唾液がついても丸洗いできる衛生的なものを選ぶとよいでしょう。
噛むおもちゃを購入する場合は、耐久性があるものを選び、唾液がついても丸洗いできる衛生的なものを選ぶとよいでしょう。
マウスクリーナーを使って汚れをつきにくくする
手軽さを求めるなら、マウスクリーナーがおすすめです。飲み水に入れるだけで口腔内のケアができます。
どんな商品を買えばいいか気になるかたは、「ねこのきもちSTORE」でデンタルケアのカテゴリーを検索してください。ご家庭にあうデンタルケアグッズが見つかるかもしれません。
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参考・写真/「ねこのきもち」別冊『丸ごとハッピーお手入れbook』
参考/「ねこのきもち」2016年12月号『メーカーの"中の人"に聞きましたフードのギモン、すっきり解決』
監修/平野太陽先生(右京動物病院SAGANO院長)
文/こさきはな
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
参考/「ねこのきもち」2016年12月号『メーカーの"中の人"に聞きましたフードのギモン、すっきり解決』
監修/平野太陽先生(右京動物病院SAGANO院長)
文/こさきはな
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
「ねこのきもちSTORE」が選ぶ オススメ商品ランキング
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