猫は過去に経験したイイことやイヤなことをよく覚えているため、知能を人にたとえると「3歳児くらい」といわれることが多いようです。また、状況によっては他の年齢に近い行動をとることも。今回は、猫と人の子供の知能の共通点について解説します。
猫の知能は3歳児くらいって本当?共通点とは?
飼い猫も3歳児も経験を繰り返すことで学習する
猫は、「飼い主さんの手に触れたらおやつをもらえた」など、「○○をしたらイイことがあった」という経験を繰り返すことによって学習し、イイことが起こるように「○○」するようになります。人の3歳児も同じで、「甘えたらお母さんに抱っこしてもらえる」など、イイことが起こると学習して覚えます。逆に「××をするとイヤなことが起こる」ということも覚え、「××」をしないようになる場合もあります。
飼い猫も3歳児もお世話が不可欠
飼い猫は飼い主さんに、3歳児は保護者に、お世話をしてもらわないと生きていくことができないという点も、共通しているといえるでしょう。ごはんを食べたい、水を飲みたいという生理的欲求だけでなく、かまってほしい、遊んでほしいというコミュニケーションの欲求に対しても、叶えてもらうためにさまざまな手を使ってアピールします。
猫のこんなところは人でいうと何歳くらい?
飼い主さんの表情をうかがう【1歳児くらい?】
猫は見慣れないものを初めて見たとき(調査では扇風機にリボンを複数つけたもの)、それと飼い主さんの顔を見比べ、「あれは何?」というように、飼い主さんに情報を求めるような動きをすることが、研究で明らかになっています。人の場合は、初めてのおもちゃを見たとき、母親が笑っていれば触り、怖い顔をしていれば触らない、という判断を1歳頃にできるようになるといわれています。
留守番ができる【小学生くらい?】
猫は本来、狩りをして食べ物を確保し、単独で生きていく生き物です。ですので、単独で行動ができ、留守番をすることもできます。一方、人の場合は、多くの幼児はひとりにされると不安になるため、幼児期の間はまだまだ保護者がそばにいなければなりません。保護者が安心して留守番させられるのは小学生以上になってからでしょう。猫は幼児よりも、「自立している」という面からみるとオトナだといえます。
飼い主さんとそれ以外を区別できる【新生児くらい?】
猫は声や見た目で判別して、飼い主さんと他の人を区別できるということが研究でわかっています。最近では、声を聞いただけでも飼い主さんだと認識できるということも証明されているそうです。一方、人の場合は、生まれて数日で、早くも母親と他の人の区別がつくといわれています。
猫は3歳児を自分と同等にみている?
小さい子供が猫を叩いたり、しっぽを引っ張ったりと乱暴に触ることがありますが、猫は相手が小さな子供だと理解しているのか、じっと耐えたり、そっと離れたりして我慢することが多いようです。
しかし、データはないとのことですが、それまで雑に触られても我慢していた猫でも、子供が3歳くらいになると、威嚇したり、猫パンチをしたりし始めることがあるのだそう。子供が3歳くらいになると猫は「自分と同等」とみて、反撃するようになるのかもしれません。
猫の知能にはさまざまな一面があり、人の幼児に比べて「オトナ」な面もあれば「コドモ」な面も。愛猫の行動を、人にたとえて観察してみると、面白い発見があるかもしれませんよ!
参考/「ねこのきもち」2018年9月号『イイこと、イヤなこと、そのとき猫は… 「猫の知能は3歳児くらい」ってホント?』(監修:上智大学総合人間科学部心理学科准教授 齋藤慈子先生)
文/AzusaS
構成/ねこのきもちWeb編集室
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。