災害発生、猫の命を守るのは、飼い主さんの防災に対する知識や心構えです。猫と暮らしていると、人だけで暮らしている場合とは違った備えが必要になるので、注意が必要です。
そこで今回は、猫のために取り入れたい室内の安全対策や、猫連れで避難所生活を送る場合の注意点などについてご紹介します。
猫のための室内の安全対策
災害時の備えというと、避難時に持ち出すアイテムなどについて考えがちですが、まずは家の中の被害を抑える対策をすることが大切です。被災時に家で猫と一緒にいるとは限りませんので、安全な猫の居場所を確保できるよう、次のような備えをしておきましょう。
キャリーケースとケージを家の中の避難場所にする
キャリーケースとケージを安全な場所と猫が覚えていれば、いざというときも反射的に逃げ込んでくれる可能性があります。日頃から開放して、猫に使わせるといいでしょう。
水はふだんから複数カ所に置く
水が飲めず脱水症状に陥ると、猫の命に関わります。水はふだんから複数カ所に置いて、どれかがこぼれても飲める状態にしておきましょう。
「危害を及ぼすもの」はしまう・固定する
震災時、家具や猫グッズが倒れて猫にぶつかったり、逃げ道をふさいだりする危険があります。転倒防止器具でしっかり固定し、割れると危ない雑貨などは収納する習慣をつけましょう。
猫を連れて避難所で暮らすときに注意したいこと
避難所という、人がたくさんいて慣れない場所での生活は、猫の負担になります。そのため、小さな異変にも気付けるよう、いつも以上に猫の様子に気を配りましょう。
また、避難所で生活する人のなかには、動物が苦手だったり、猫アレルギーの人がいたりする可能性もあります。お互いが少しでもストレスなく過ごせるよう、猫のニオイや抜け毛に配慮することも大切です。
排泄物以外にも気を付けたいのが「フードのニオイ」
ペットと暮らしていない人にとっては、フードのニオイも不快になることがあるようです。残ったフードは密閉容器や袋に入れるなどして、配慮するようにしましょう。
猫連れの場合、避難所に入れないことも?
災害時は猫を連れて安全な場所へ移動しますが、猫を連れている場合、必ずしも避難所に入れるとは限りません。今から自宅の地域の体制を確認するのはもちろん、避難所以外の場所で暮らす場合についても考えて、備えておきましょう。
「自宅」が避難場所になる場合
倒壊具合や地盤などの状態が住むのに危険はないと判断できる場合、自宅で猫と一緒に過ごすケースも。
猫にとっては住み慣れた空間なので、一番ストレスのかからない方法といえますが、ライフラインが断たれている場合は、物資を得る際に避難所などに通うことになるなど、暮らしにくい面もあるでしょう。
また、一見被災の影響がない家でも、見えない部分がもろくなっているおそれもあるので、油断は禁物。ライフラインの復旧時に電気配線にダメージがあると、火事になることがあるので、用心しておきましょう。
「車・テント」が避難場所になる場合
車やテントで生活する場合、避難所よりプライバシーが守られますが、狭いスペースのため、猫にも人にも負担がかかりやすいといえるでしょう。
また狭いからこそ、車中・テント泊の場合、換気や出入りすることが多くなるため、猫が脱走するリスクも高くなります。そのため、リードや小さめのケージを用意しておくと安心でしょう。
なお、暑い時期に被災した場合は、人も猫も熱中症になる危険性が考えられます。人の場合は、エコノミークラス症候群になるおそれも。実際の災害時には、日中だけ車などで過ごして、夜は避難所で過ごす人もいたようです。
9月は防災月間でもあるため、これを機に災害時に備えてみてはいかがでしょうか? ぜひ参考にしてみてくださいね。
参考/「ねこのきもち」2018年9月号『猫も環境もそれぞれ違うから 愛猫を救うのは カスタム防災』(監修:NPO法人アナイス代表 新潟県中越大震災動物救済本部監事 東日本大震災東京都動物救援センター運営管理部門副センター長 平井潤子先生)
文/カガ美五葉
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。