冬でも毛に覆われて暖かそうな猫の体ですが、じつは冷えている部位もあるのだとか。たとえ室内で暮らしていても、冬はとくに冷えから体調を崩す猫も少なくありません。
そこで、冷えからくる病気や「冷えとり」に効果的なマッサージの方法について、アニマル・ケアサロンFLORA医院長の中桐由貴先生による解説をもとにご紹介します。
マッサージを始める前に、確認!
マッサージは、猫がリラックスしているときに行うこと。あらかじめ部屋を暖めておき、飼い主さんの手が冷えていたら事前に温めておくことも大切です。
いきなりマッサージを始めるのではなく、まずはスキンシップから。顔や背中をやさしくなでることから始めましょう。最初のうちは一度に10回くらいを目安に、無理強いしないようにしましょう。
猫の冷えやすい部位① お腹
動物の体の中で、お腹は冷えに一番弱い部位だといわれています。猫の場合、お腹が冷えているイメージはありませんが、じつは冷えスポットなのです。
お腹が冷えると、胃腸を動かす筋肉や消化酵素の働きが弱くなり、下痢や便秘、食欲不振になる猫が。お腹を温める「ま~るくマッサージ」をやってみましょう!
1. お腹に手を当て、4本指で反時計回りにさする
親指以外の指4本をお腹に当てます。指先に少しだけ力を入れて円を描きます。
2. 手のひらで 時計回りにさする
手のひらに少しだけ力を入れながら、1と逆方向に円を描きます。
3. 手全体でゆっくり円を描く
最後は手全体を使って。どちら回りでも、行いやすい方向でOKです。
猫の冷えやすい部位② 腰~しっぽ
体の末端にあるしっぽは、空気に触れることが多く冷えやすい部位。そのしっぽとつながっている腰も、冷えていることが多いのです。
腰が冷えると腎臓の血流が悪くなり、膀胱炎や尿石症の原因に。また腰痛や足のしびれを感じる猫も。腰〜しっぽを温める「ユラユラ&ニギニギマッサージ」をやってみましょう!
1. 背骨に沿って人差し指でゆっくり押していく
背中の中心からお尻に向け、背骨の凸凹のへこんだ部分を押します。(1カ所につき約5秒)
2. 背骨を指で挟むようにして、左右にゆっくり揺らす
1と同じ部分を、親指と人差し指・中指で背骨を挟むようにして、ユラユラ揺らします。
3. しっぽを握りながら先端へ移動させる
しっぽの付け根を軽く握り、握ってはゆるめるを繰り返しながら先端へ。※しっぽは引っ張らないように注意しましょう。
マッサージは血行を促進させ、体を温める効果が望めます。冷えやすい部位を温めることが、猫の健康維持につながります。
愛情を込めてマッサージして、愛猫の体と心を温めましょう!
参考・写真/「ねこのきもち」2018年1月号『ぽっかぽかサーモ画像付き 3ステップで血行促進!冷えとりマッサージ』(監修:アニマル・ケアサロンFLORA医院長 日本ペットマッサージ協会理事 中桐由貴先生)
文/朱音
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。