「愛猫をうまく抱っこできない……」とお悩みの飼い主さん。もしかしたら、知らず知らずのうちに“NG抱っこ”をしているのが原因かも。今回は、アニマル・ケアサロンFLORA院長の中桐由貴先生に、猫に負担をかけない抱っこの仕方をお聞きしました。
“NG抱っこ”していませんか?
まずは、猫が嫌いな抱っこの仕方や猫が嫌だなと思うタイミングで抱っこしようとしていないか、見直してみましょう。抱っこできる猫には大丈夫なことでも、できない猫を抱っこしようとする場合は気を付けて。抱っこに苦手意識がある猫には、猫のことを考えた配慮がとくに必要です。
“NG抱っこ”の例
- お尻が不安定
- ぎゅっと抱きしめる
- お姫様抱っこ
- 立ったまま急に抱っこしようとする
- 猫が何かしているときに抱っこしようとする
猫にやさしい抱っこの三原則
猫に負担をかけない、やさしい抱っこの仕方には、3つのポイントがあります。
安定している
猫が安心して体を預けられるのは、体がぐらぐらしたり落ちそうになったりしない、安定した抱っこ。猫のお尻を包み込むように、しっかり支えるのがポイントです。
圧迫しない
愛情表現でぎゅっと抱きしめたつもりでも、猫には“体を圧迫されて苦しい”と受け取られてしまいます。抱っこするときは、腕で猫を圧迫しないことがポイントです。
ある程度自由な状態
自由を奪われると、猫は不安やストレスを感じてしまいます。必要以上に拘束せず、顔や体の向きを変えられる体勢で抱っこするのがポイントです。
抱っこするタイミングも大切!
猫の抱っこは、“仕方”はもちろん、“タイミング”も重要です。
毛づくろい中など、何かをしている最中に抱っこされると、猫は「邪魔された」と感じてしまいます。抱っこするときは、猫がひまそうにしているタイミングを狙いましょう。
猫にやさしい抱っこの仕方
抱っこの前に――猫のそばに腰をおろしてリラックス
飼い主さんが立ったまま猫を抱っこしようとすると、腕と手の力だけで持ち上げることになります。力んだ手や覆いかぶさる姿勢を猫は嫌うので、抱っこの前に、まずは猫のそばに腰をおろしてスキンシップをしましょう。飼い主さんも猫もリラックスすることが大切です。
①両手で猫を持ち上げる
猫の両脇から手を添え、左右の親指と人差し指で肩甲骨を、薬指と小指で前足の付け根をはさんで持ち上げます。
首の後ろをつまんで持ち上げてもOK
猫を持ち上げる際は、お腹側から前足の付け根に片方の手を添え、もう片方の手で首の後ろをつまんで持ち上げてもOKです。
胸まわりをつかんで持ち上げるのはNG!
ついやってしまいがちかもしれませんが、胸まわりをつかんで持ち上げるのは、両手で猫の胸を圧迫してしまうのでNGです。
②猫をひざにのせ、前足の下からお尻の下へ腕をまわす
猫を持ち上げたら、ひざの上に横向きにのせましょう。ここでは、素早くのせることがポイントです。持ち上げられた状態が短いほど、猫が嫌がらず抱っこが成功しやすくなります。
ひざの上にのせたら、猫の頭側にある自分の腕を、猫の前足の下からお尻のほうへまわしましょう。二の腕のあたりに猫をもたれさせ、もう片方の手は猫の胸のあたりに添えるようにします。
③お尻をしっかり抱え、猫の体を引き寄せる
猫のお尻を片方の手のひらで包むようにしっかり抱え、体を自分のほうに引き寄せたら抱っこ成功です!猫が腕から抜けてしまわないよう、もう片方の手は猫の胸に添えておきましょう。
この抱っこの仕方なら、猫も体や顔の向きを変えられるので、安心・快適です。
抱っこには、猫と飼い主さんの信頼関係がとても大切です。愛猫のペースを尊重しながら、少しずつチャレンジしてみてくださいね。
参考・写真/「ねこのきもち」2019年10月号『“できない”も “できてるつもり”も もう、大丈夫。パーフェクト抱っこできるようになりたい!』(監修:アニマル・ケアサロンFLORA院長 日本ペットマッサージ協会理事 中桐由貴先生)
文/terasato
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。