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知っておきたい! 猫の「ヒゲ」を飼い主が切ってはいけない理由

猫のヒゲにはどのような役割があり、猫にとってどれほど重要なものなのでしょうか? 猫のヒゲについて、ねこのきもち獣医師相談室の獣医師が解説します。

猫のヒゲの役割・重要性について

見上げる猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
——猫のヒゲの役割・重要性について教えてください。
ねこのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「猫のヒゲは、根元に特殊な構造がそなわっている『触毛』という特別な器官です。

鼻の両脇のいわゆる『ヒゲ』が一番立派で目立つ触毛ですが、目の上のあたりや口の横、頬、アゴ下、足首の付近など、体のさまざまな部位にさまざまな長さの触毛が生えています。すべて合わせると、体全体のヒゲの数は約50~60本になるといわれています。

ヒゲを含め、触毛の長く伸びた毛の部分はタンパク質などで作られた丈夫な構造をしています。それを支える根元の部分には、特殊な形の静脈や感覚神経などが多く分布しており、毛の部分に伝わるわずかな振動などのさまざまな刺激を、敏感に感じとれるような構造になっています」
——猫にとってヒゲは重要なものなのですね。
獣医師:
「そうですね。ヒゲは狭い道でも挟まらないかどうか、周囲に障害物がないかどうかなどを確認するセンサーのような役割や、感情をあらわす役割なども持っています」

猫のヒゲが抜けたり切れたりしたときの対応

眠るアメリカンショートヘア
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
——猫のヒゲが抜けたり切れたりしたとき、飼い主さんが注意して見てあげたいことはありますか?
獣医師:
猫のヒゲが自然に抜けてしまうのは、特に問題ありません。猫のヒゲは、およそ6カ月に1回の頻度で生え変わるといわれています。

触毛には特別な機能が備わっていますが、体のほかの部分を覆う普通の毛と同じように、時期がきたら抜け落ち、やがてまた新しく生えてくるサイクルを繰り返しながら健康な状態を保ちます。

ヒゲが自然に抜けるのは問題ないですが、飼い主さんが故意にヒゲを短く切ったり抜いたりするのは、絶対に避けてください。ヒゲを抜くと、痛みが生じてしまいます。また、ヒゲなどの触毛を短く切ってしまうと、刺激を十分に感じ取れなくなる可能性があります」
——猫同士のじゃれ合いなどで、ヒゲが切れてしまうこともあるのでしょうか?
獣医師:
「猫同士のじゃれつきやグルーミングの際などに、ヒゲを噛み切られてしまうことが稀にあります。ヒゲが生える根元が傷んでいなければ、やがて切れたヒゲは抜け新しいヒゲがまた生えてきます。自然に生え変わるまでは、いじらずにそっとしておきましょう」
見つめる猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫にとってヒゲはとても重要な器官。故意に切ったり抜いたりしてはいけないものだと、飼い主さんは覚えておきたいですね。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
取材・文/sorami
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