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猫の「お尻歩き」って何!? 異変のサインの可能性も|獣医師解説
猫はお尻を気にしているときに、“不思議な行動”をすることがあるようです。今回、ねこのきもち獣医師相談室の原 駿太朗先生が解説します。
猫が「お尻歩き」をする理由は?
——猫がお尻を地面につけてスリスリと歩くという、不思議な行動を見せることがあるようです。どのような理由が考えられますか?
原先生:
「猫はお尻がチクチク、ムズムズしているときにまず舐めますが、それでもまだ気になる場合は、お尻を地面にスリスリすることがあります。
歩き方としては、両後肢を前方に持ち上げて、お尻だけを地面につけた状態で前肢だけで這うように歩き、『お尻歩き』と呼ぶことがあります」
「猫はお尻がチクチク、ムズムズしているときにまず舐めますが、それでもまだ気になる場合は、お尻を地面にスリスリすることがあります。
歩き方としては、両後肢を前方に持ち上げて、お尻だけを地面につけた状態で前肢だけで這うように歩き、『お尻歩き』と呼ぶことがあります」
猫のお尻がチクチク、ムズムズする原因は?
——猫のお尻がチクチク、ムズムズする原因はなんですか?
原先生:
「お尻歩きをする一番の原因として考えられるのは、肛門腺に関係することです。たとえば…
「お尻歩きをする一番の原因として考えられるのは、肛門腺に関係することです。たとえば…
- 肛門腺にたまった分泌物がうまく排出されていない
- 肛門嚢に炎症がある
などでしょう。そのほかに考えられることとしては…
- 条虫などの寄生虫卵が肛門周囲に付着している
- 肛門の周囲に皮膚炎などがある
- 排便がうまくいかず、肛門周囲に便の一部が残っている
などの可能性もあるでしょう」
猫がお尻を気にしている場合の対処法は?
——上記のような原因が考えられるとき、どのようなケアや治療がされるのでしょうか?
原先生:
「まずは、肛門腺のお手入れをしてあげましょう。一般的には、猫はグルーミングの際に自分自身で肛門腺のケアができる場合が多いのですが、ケアがうまくできない猫も時折います。
また、体質的に肛門腺からの分泌物の粘り気が強かったり水分が少ないなどの理由で、肛門腺の分泌がうまくいかなくなることもあります。もし繰り返すようであれば、定期的に肛門腺絞りをしてあげましょう。
高齢や肥満などが原因で猫自身による肛門腺のケアができなくなったり、また肛門腺の分泌がうまくいかなくなることもあります。肛門腺のトラブルにつながることもあるので、注意してあげてください」
「まずは、肛門腺のお手入れをしてあげましょう。一般的には、猫はグルーミングの際に自分自身で肛門腺のケアができる場合が多いのですが、ケアがうまくできない猫も時折います。
また、体質的に肛門腺からの分泌物の粘り気が強かったり水分が少ないなどの理由で、肛門腺の分泌がうまくいかなくなることもあります。もし繰り返すようであれば、定期的に肛門腺絞りをしてあげましょう。
高齢や肥満などが原因で猫自身による肛門腺のケアができなくなったり、また肛門腺の分泌がうまくいかなくなることもあります。肛門腺のトラブルにつながることもあるので、注意してあげてください」
——肛門腺絞りをしても改善しない場合は、どのような対処が必要なのでしょうか?
原先生:
「肛門腺絞りを試しても改善しない場合は、上述のように寄生虫や皮膚炎が原因かもしれません。動物病院を受診しましょう。具体的には、下記のような対処をしていきます。
「肛門腺絞りを試しても改善しない場合は、上述のように寄生虫や皮膚炎が原因かもしれません。動物病院を受診しましょう。具体的には、下記のような対処をしていきます。
・条虫などの寄生虫の片節(寄生虫の体の一部)が肛門周囲に付着している場合
→片節そのものの確認や、便検査による虫卵の検出などで感染を確認した上で、駆虫薬を使って駆虫をしていきます。
・肛門の周囲に皮膚炎等がある場合
→なぜ皮膚炎が起こったかの検査と同時に、清潔に保つため炎症の起こってる周囲の毛を刈ることがあります。
・排便がうまくいかず、肛門の周囲や内部に便の一部が残っている場合
→肛門の周囲に便が付着したり、肛門内に便の一部が残るなどの状況は、腸そのものの不調や、直腸内の構造変化などに伴ってみられることがある症状です。直腸内の構造変化を調べる際には、直腸検査(肛門から指を入れて内側を触診する検査)をし、何か出づらくさせている構造物がないか確認します。また、軟便で出しきれていない可能性がある際には、便検査やエコー検査など消化管全体を評価する検査をおこなっていきます。
→片節そのものの確認や、便検査による虫卵の検出などで感染を確認した上で、駆虫薬を使って駆虫をしていきます。
・肛門の周囲に皮膚炎等がある場合
→なぜ皮膚炎が起こったかの検査と同時に、清潔に保つため炎症の起こってる周囲の毛を刈ることがあります。
・排便がうまくいかず、肛門の周囲や内部に便の一部が残っている場合
→肛門の周囲に便が付着したり、肛門内に便の一部が残るなどの状況は、腸そのものの不調や、直腸内の構造変化などに伴ってみられることがある症状です。直腸内の構造変化を調べる際には、直腸検査(肛門から指を入れて内側を触診する検査)をし、何か出づらくさせている構造物がないか確認します。また、軟便で出しきれていない可能性がある際には、便検査やエコー検査など消化管全体を評価する検査をおこなっていきます。
愛猫のお尻のことで気になる症状が見られる場合は、動物病院で診てもらいましょう」
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・原 駿太朗先生)
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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