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【獣医師監修】猫の上手なブラッシング方法を解説!頻度やブラシの選び方も

愛猫のブラッシングは、日々の健康チェックやコミュニケーションの一環として、欠かせないケアです。この記事では、猫のブラッシングを行う頻度やブラシの選び方から、基本のブラッシング方法まで解説します。

猫にブラッシングが必要な理由と頻度の目安

まずは、猫にブラッシングが必要な理由と、ブラッシングを行う頻度について知っておきましょう。

猫の新陳代謝を促して体の異変やケガにいち早く気づける

ブラッシングは皮膚へのマッサージ効果によって、新陳代謝が促進されるほか、皮膚病、腫れ物、ケガ、ノミの寄生などを早期発見するチャンスにもなります。
猫は体調が悪いと毛づくろいをしなくなるので、普段からまめにブラッシングをすることで、なでるだけでは気づきにくい愛猫の体調の変化にもいち早く気づけます。
そういう意味でも、猫の健康維持のために大切なお手入れです。また、リラックスして触れ合うことで、愛猫との絆を深めることにもなります。

猫が毛づくろいで飲み込む毛の量を減らせる

よく毛づくろいをする猫は、飲み込んだ毛を吐くことがあります。吐くことは体力を消耗し、胃腸やそのほかの臓器にも負担をかけますから、なるべく避けたいものです。
ブラッシングをすれば、毛を飲み込む量を減らすことになりますから、吐く回数も減らせます。とくに毛が多く抜ける、春と秋の換毛期は丹念に行いましょう。

猫が嫌がるならシャンプーをせずにブラッシングだけでOK

シャンプーを嫌がる猫は多いですが、猫は自分で毛づくろいをして体を清潔に保ちますから、嫌がる猫に無理にシャンプーをする必要はありません。体に何かついてしまったり、汚れが気になったりする場合には、固めに絞った蒸しタオルでやさしく拭くのがおすすめです。

シャンプーよりも、大切なのはブラッシングです。ブラッシングをすることで、猫が飲み込む抜け毛を減らすことができます。初めは少しずつ、無理のない範囲から徐々に慣れさせて、猫をブラッシング好きにしてあげましょう。

長毛は毎日・短毛は週に1~2回が目安

汚れがつきやすく、もつれやすい長毛猫は、毎日のブラッシングが理想です。毛同士がすれて毛玉ができやすい脇、おなか、内股はとくに丁寧に行ってください。一方、毛玉ができる心配のない短毛猫は、週1~2回程度でもOKです。

嫌がる猫を押さえ込んでもさらに嫌がるだけなので、1~2分からでも、猫がやらせてくれる時間を限度にして少しずつ慣れさせるようにしましょう。
また、獣毛ブラシを使う場合は、人の手の甲で試して気持ちいい強さを力加減の目安にするといいでしょう。

猫用ブラシの選び方

短毛種、長毛種それぞれにおすすめのブラシをご紹介します。

短毛猫は「ラバーブラシ」

ラバーブラシは、T字タイプよりも、柄が少ないタイプのほうがおすすめです。力が分散されて、やさしくブラッシングしやすいといわれています。強くとかすと摩擦で毛が取れ過ぎることもあるので注意しましょう。
また、ブラッシングが苦手な猫におすすめなのが、飼い主さんの手をはめ込む、ミトンタイプのブラシ。手の形をしているので、猫はなでられている気分になるのかもしれません。

ラバーブラシ

ミトンタイプのブラシ

長毛猫は「スリッカー」「コーム」

長毛猫には、根元までしっかりとかせるスリッカーブラシと、毛の絡まりをほどきやすいコームが必須です。どちらもピン部分が金属製だと衛生的です。コームは、目の細かさが2種類あると便利です。長毛猫のブラッシングの仕上げや抜け毛が少ないときには、ピンの目が粗いピンブラシを使うのもいいでしょう。

スリッカーブラシ

コーム

猫のブラッシングの仕方

猫のブラッシングへの慣らし方、基本的なブラッシングの手順を解説します。

(1)手で触れられることに慣らす

猫の体を手でやさしくなでることからスタートしましょう。
触りやすい首や背中を毛並みに沿ってやさしくなでて、手の感触に慣れさせます。続けてできるだけ自然に、おなかや内股などをなでます。

(2)ブラシやコームを当てて軽く動かす

ブラシの感触に慣らすように愛猫の背中から軽く当ててみましょう。
体に触っても抵抗する様子がなければ、短毛猫の場合は首の後ろや背中に軽くブラシを当てて、力を入れずに少し動かしてみましょう。長毛猫の場合は、脇、おなか、内股などに毛玉ができやすい傾向があります。
毛玉はコームを使ってほぐしますから、早くからコームに慣れさせる意味でも生後2か月頃から毛を整える意識でコームを使い始めるといいでしょう。

全体にブラッシングをする

愛猫がブラシに慣れたら、猫の嫌がりにくいところから順番にブラッシングしていきましょう。
猫が嫌がりにくい、首の後ろから始めてみましょう。抜け毛が一番浮いているのが背中なので、まずは背中を重点的にとかしましょう。ブラッシングのおおまかな順序は以下の通りです。

(1)まず嫌がりにくい首から背中をブラッシング
(2)背中から少しずつ移動して腰に
(3)背中に近い場所から脇腹に
(4)腰や首から足先に向けて
(5)嫌がらないならしっぽも
(6)あごの近くから顔周りに

猫のブラッシングのワンポイントアドバイス

おなかのブラッシングはうつ伏せで背中の皮膚を引っ張って行う

おなかのブラッシングは、猫を仰向けにしなくてもできます。うつ伏せのまま、背中の皮膚をやさしく引っ張り、脇から出てきたおなかの毛をかき出すようにとかします。

猫用コームは毛の流れに沿って動かす

コームの歯は先が丸く、強く当てさえしなければ猫は痛がりません。とかす際はコームの歯の向きに気をつけて、毛の流れ通りに動かしてください。
猫の体と平行にブラシを当てましょう。毛の生え際から毛先に向かう流れに沿ってコームを入れます。片方の手で軽く猫の体を押さえるとやりやすいでしょう。
猫の体に垂直に歯を当てないでください。猫の体に立てるようにして歯を当ててコームでとかすと猫の皮膚を傷めることがあるので、注意しましょう。
ブラッシングは、猫を飼ううえで大切なお手入れのひとつです。ぜひ、猫が喜ぶブラッシング方法をマスターして、愛猫の体調管理やスキンシップに役立ててくださいね。
監修/長谷川諒先生(きたじま動物病院)
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより
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