1. トップ
  2. 猫と暮らす
  3. 雑学・豆知識
  4. 地震や雷など 猫が「身の危険」を感じたときにとる行動

猫と暮らす

UP DATE

地震や雷など 猫が「身の危険」を感じたときにとる行動

猫が身の危険を感じて怖がるのはどんなときかわかりますか? 不測の事態が起きたとき、猫は咄嗟にどんな行動をとる可能性があるのか、飼い主さんは知っておくことが大切です。

この記事では、猫が身の危険を感じることはなにか、そして怖がる猫のために飼い主さんができることはなにかなどを、ねこのきもち獣医師相談室の川田優貴先生が解説します。

猫はどんなことに身の危険を感じる?

見つめる猫
getty
猫が自分の身に危険が及ぶかもしれないと感じるのは、地震や雷などの自然災害ほかの動物に襲われるときなどです。

動物は、特定の刺激によって何らかの恐怖や危機を感じた際、その刺激から遠ざかる方向に速やかに移動しようと行動する傾向があります。猫においても、このような行動は見られます。

今回は、室内飼いの猫でも体験することの多い地震と雷が起こったときのことについて、くわしく見ていきましょう。

地震

何かが気になる猫
getty
地震の場合、動物が恐怖や危機を感じるきっかけになる直接の刺激は、地面の振動や地鳴りなど。とくに家屋の中にいる場合には、その振動によって家全体がきしむ音がしたり、高いところのものが落ちる音や衝撃があったり、実際に家具が倒れたりなど、動物が恐怖を感じる刺激がさらに多くなる傾向があります。

見上げる猫
getty
猫は聴覚が人より優れているため、雷の音が人よりずっと大きく聞こえます。そのため、大きな音の雷が苦手で、「大きな音がして怖い」と思っているコが多いのではないかと思います。

ただし、それにも個体差があることと、雷に対して慣れている猫であれば、それほど恐怖心を持たないコもいるようです。

災害などの異常事態が起きたときに猫がとる行動とは?

鳴いている猫
getty
地震や雷など猫にとって不測の事態が起きたとき、ふだんでは考えられない行動をとることも。下記の3つのようなことに注意してください。

①怖さから外に出てしまう

猫は地震の揺れや雷の音などの刺激から遠ざかろうとして、結果的に屋外に出てしまうことも。猫自身の意思としてではなく、本能的な行動として外に出てしまうのです。

②奥まった狭い場所に隠れて出てこない

猫は強いストレスを感じたり、大きな物音などの不快な刺激を感じた際には、奥まった狭い場所に引きこもり出てこないことがあります。

そのため、地震や雷のような不測の事態によって怯えてしまった際にも、奥まった狭い場所に逃げ込み、しばらくじっとして出てこない可能性が考えられます。

「想像を超えるような狭い場所」に隠れてしまう場合も!?

舌を出す猫
getty
平常時の猫の隠れ場所としては、押し入れの中やベッド、ソファなどの家具の下の隙間などが考えられます。また、蓋を開けてあった洗濯機の中に好んで隠れる猫も稀にいるため、日常的に注意が必要です。

一方、地震や雷の際に恐怖を感じて逃げ込む場合には、平常時よりもさらに目立ちにくい、奥まった場所を選びがちな傾向に。

猫は頭の幅が通るところであれば通り抜けることができるため、たとえば地震の際には転倒した家具の隙間や開いた戸棚の中、飛び出した引き出しの奥など、人の想像を超えるような狭い場所に隠れてしまう可能性もあります。

そのため、災害後にまだ猫が見つかっていない間は、家具を片付ける際にも隙間や奥を慎重に確認しながら行うほうが無難でしょう。

③恐怖から心身にさまざまな変化も

地震や雷などの異常事態の恐怖から、下記のような心身の変化が見られる猫もいます。

  • 一時的に攻撃的になる

  • 不安感から人のそばを離れなくなったり、人の後を追ってずっと鳴き続ける

  • ストレスからの多食や食欲不振

  • 嘔吐や下痢などの消化器症状

地震や雷に怯える猫…そのとき、飼い主さんはどうすればいい?

見つめる猫
getty
地震や雷が起きると、猫だけでなく飼い主さんもパニックになってしまう場合があるかもしれません。いざというときにどう行動すればいいか、飼い主さんも予め考えておいたほうがいいですね。

愛猫を抱っこするとき、無理は禁物!

たとえば地震が起きたとき、愛猫を抱っこして一緒にテーブルの下などに避難することが可能であればいいですが、恐怖でパニックになっている猫を無理に触ると、きつく噛まれるなど、人間のほうが怪我をする場合もあるので、無理は禁物です。

異常事態でも、飼い主さんはふだんどおり冷静に!

地震や雷を怖がっている猫に対して、飼い主さんは猫の恐怖を助長させるような態度をとってはいけません。どちらかというと「怖くないよ」と思わせるような態度、つまりふだんどおりの冷静な状態で、慌てず優しく猫に接したほうがいいでしょう。

飼い主さんもその状況を怖がってしまうと、猫にも「やっぱり怖いんだ!」と認識させてしまう可能性があります。

不測の事態に備えて、愛猫のために飼い主さんができることは?

くつろぐ猫
getty
地震や雷などの事態が起きたとき、愛猫のために咄嗟になにかをするのは難しいことも多いです。そのため、そうした事態に日頃から備えておくことが大切になります。

たとえば、ふだんから猫用の専用ケージやクレートなどを室内に設置し、居心地よく自由に出入りできる空間として慣らしておくことも、万が一の際には役に立つ場合も。猫が「ケージは安心できる場所」と理解していると、緊急時にはケージを隠れ場所として自分から身を隠す行動も、ある程度は期待できます。

ほかにも、雷を予測できるときは雨戸やカーテンを閉めておいたり、家の中では音は中心部ほど響きにくいので、猫をそこに移動させておくのもいいですね。

地震や雷を予測するのは難しいことですが、できるだけ猫を1匹の状態にしないほうが好ましいです。留守番中に怖い経験をしてしまと、余計にそうした事態を怖がってしまうようになることが多いからです。

もしものときのために迷子札やマイクロチップの検討も

地震や雷の際には外に飛び出す猫もいるので、予め迷子札、もしくは連絡先を直接記載してある首輪をつける習慣を持ったり、マイクロチップを装着するなど、万が一の際に捜索しやすくする工夫についても配慮するほうがいいでしょう。
見つめる猫
getty
地震や雷の際にできることをするのも大切ですが、万一の状況に備えて事前に準備できることも少なくありません。日頃から環境や習慣などの工夫を、できる範囲で少しずつ対応しておくほうが安心です。

ぜひ飼い主さんは、今からでも対策をしてみてくださいね!
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・川田優貴先生)
取材・文/nekomam
編集/ねこのきもちWeb編集室
CATEGORY   猫と暮らす

UP DATE

関連するキーワード一覧

人気テーマ

あわせて読みたい!
「猫と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る