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【獣医師が解説】猫のフィラリア、感染経路と検査、予防法は?|ねこのきもち

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飼い主さんも猫自身も気づかぬうちに、体に忍び込む寄生虫。そのなかでも、診断がつきにくく、寄生されると重篤な状態になることがあるのが「フィラリア」。犬だけの寄生虫と思っている人もいますが、猫もかかります。そんな、恐ろしい「フィラリア」という寄生虫について獣医師が解説します。


監修/鵜飼佳実先生(聖母坂どうぶつ病院)

猫のフィラリアってどんな寄生虫?

フィラリアは、犬の心臓にすみ着く寄生虫としてよく知られていますが、じつは猫など、さまざまな哺乳類に寄生します。猫の場合、犬と違って気づかれないケースが多いのですが、最近の調査では猫の10匹に1匹は感染した証拠があるとの報告もあります。猫にフィラリアが寄生した場合、犬のように体内で成虫にまで発育しないことが多く、大部分は途中で死滅します。ですがまれに、猫の体内でフィラリアが成虫になることも。成虫の大きさは10cm以上になります。

猫のフィラリアの感染経路は?

フィラリアは、どのような経路で動物に感染するのでしょうか? 猫の体に取り込まれるまでを追ってみると…

1 蚊が犬を吸血、ミクロフィラリアを取り込む
イヌ科の感染動物の血液中には、ミクロフィラリア(仔虫)がたくさんいます。蚊は、その動物を吸血した際に、ミクロフィラリアを自分の体内に取り込みます。

2 蚊の体内でミクロフィラリアが感染幼虫に成長
蚊の体内に取り込まれたミクロフィラリアは、蚊の体内で「感染幼虫」と呼ばれる、次のステージへと成長します。

3 蚊がほかの動物を吸血、感染幼虫がその動物の体内へ
蚊が猫を吸血した際に、感染幼虫はその体内に入り、移動しながら発育して、最終的に肺の血管内で成虫になります。

猫のフィラリアが寄生する場所は? そして初期症状は?

フィラリアは猫の体内で成長し、やがて心臓や肺の血管にすみ着きます。

犬の場合の症状:咳や心雑音、腹水など
猫の場合の症状:咳、食欲不振、嘔吐、下痢など

猫の場合は、大多数の虫体は未熟のまま死滅しますが、まれに生き残った1~2匹の虫体が成虫になることがあります。成虫が寄生しても、猫は無症状のまま経過するケースが多いのですが、2~4年すると寿命が尽きた虫体は血液に流され、比較的太い血管につまります。その結果、血液の流れが阻まれて猫が突然死するリスクが生じるのです。

猫のフィラリアの検査・治療は?

犬のように、血液検査や免疫検査は容易ではなく、確実な診断が難しいのが現状です。猫の体内に寄生したフィラリアの成虫の治療は犬よりも難しく、現実的にはほとんど不可能といえるでしょう。

猫のフィラリアを予防するには?

フィラリアから猫を遠ざけるため、なるべく蚊の発生しやすい環境をつくらないようにしたいもの。最近では、完全室内飼いの猫でも感染が報告されることが増えています。また、蚊取り剤や、防虫グッズで対策をしても、完全な予防にはなりませんので、必ず動物病院で猫用のフィラリア予防・駆除剤を処方してもらいましょう。

猫のフィラリアの予防・駆除剤の投与期間は?

お住まいの地域によって予防期間は異なるので、かかりつけの獣医師に相談の上、予防期間を決めておくと安心でしょう。なお、猫の寄生虫の予防・駆除剤は、猫の首の後ろに滴下するタイプが一般的です。滴下タイプなら、飼い主さんでも自宅で簡単に猫に投与することができます。

まとめ

飼い主さんが感染に気づかないうちに、猫が突然死してしまうこともある、怖い寄生虫のフィラリア。ですがしっかり対策をしておけば、むやみに怖がる必要なないでしょう。定期的に予防・駆除剤を投与して、愛猫をフィラリアから守りたいですね。


監修/鵜飼佳実先生(聖母坂どうぶつ病院)
東京都新宿区にある聖母坂どうぶつ病院獣医師。地域に根差したアットホームな動物病院づくりを目指す。愛猫は小町ちゃん、VIVIちゃん、剛くん、礼二くん、おすぅちゃん、みのちゃん
文/ねこのきもち編集室

聖母坂どうぶつ病院

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