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【獣医師監修】子猫・成猫の健康チェックポイント 異変や痛みのサインも

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猫は自分で「具合が悪い」「おなかが痛い」などと言えません。愛猫の異変を察知して、早めに病院を受診させるのが飼い主さんの役目です。ここでは、子猫・成猫の健康をチェックするポイントと、異変に気づいたときの対処法をご紹介します。

この記事の監修

長谷川 諒 先生

 獣医師・潜水士
 Ani-vet代表
 往診専門 レイクタウンねこ診療所院長
 きたじま動物病院所属獣医師
 ヤマザキ動物専門学校非常勤講師(薬理学)

 北里大学獣医学部獣医学科卒業
 北里大学獣医生化学研究室研究生在籍 研究テーマ「伴侶動物の鉄代謝」

●所属:国際猫医学会日本猫医学会日本獣医学会

●主な診療科目:内科(猫)/一般診療(外科、内科)/予防医療

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毎日チェックしたい3つのポイント

子猫・成猫の健康について、毎日チェックしたい3つのポイントをご紹介します。

【1】食欲はあるか

愛猫が1日に摂取するフードの量と水の量がどれくらいかを把握しておきましょう。フードは置きっぱなしにせず1回ずつ片付けると食べる量を把握しやすいです。

【2】排泄はいつも通りの量・回数か

多くの猫の場合、1日にオシッコを2〜3回、ウンチは1〜3回程度します。ウンチは色や形、量を把握しておきましょう。オシッコの量は砂の塊の大きさなどで覚えておくとよいでしょう。
詳しくはこちらで紹介しています。

【3】遊びたがるか

5〜6才までの健康な猫ならば、元気よく遊ぶものです。いつもと比べて遊ぶ時間が極端に少ない場合は、体調が悪いのかもしれません。

受診が必要な猫の異変のサイン

以下のような異変に気がついたら、動物病院で受診しましょう。

・目が開けられない
・目をシバシバさせるなど痛がる
・目が赤い
・涙や目ヤニが出る(1〜2日以内に受診をしましょう)

目の異常は猫自身が目をこすることで悪化するので、すぐに受診をしてください。

・息使いが荒い
・呼吸が苦しそう

口を開けたり、ハアハアと苦しそうな呼吸をしていたりしたら、呼吸器や心臓などの異常が考えられます。このような状態は命にかかわることもあるので、緊急で受診しましょう。

耳・鼻

・耳や鼻が白っぽい、黄色っぽい、赤っぽい
・鼻水やくしゃみが出る(1〜2日以内に受診をしましょう)

耳や鼻がいつもより白っぽいときは貧血、黄色っぽいときは黄疸、赤いときは発熱の可能性があります。いずれも命にかかわる病気で見られる症状です。

・腹部がふくれる。
食べ過ぎや便秘でもないのに、おなかがふくれていたら、心臓病や低タンパク血症、腹膜炎などによる腹水(おなかに水がたまる)のほか、排尿困難による膀胱腫大や蓄膿症による子宮腫大、腫瘍などが考えられます。おなかを突き出すように寝てばかりいるといった様子がみられたら、痛みのある可能性があります。

・つやがない

猫の毛つやは人間の顔色のようなものです。つやがなかったり、バサバサしていたりするときは脱水や栄養不良などの問題があるかもしれません。早めに動物病院へ行きましょう。

おしり

・肛門まわりに白い粒がある

白い粒、または黄色っぽく変色したご飯粒のようなものが付いていれば、消化器官内に寄生虫がいる可能性があります。

陰部

・陰部ばかりなめる
・血尿が出る

陰部ばかりをなめるのは、泌尿器や生殖器に何らかの違和感がある可能性があり、オシッコや子宮の病気などの恐れがあります。血尿は子宮・卵巣系からの出血、細菌感染や結石などによる腎臓や膀胱の異常、ネギ類の誤食による中毒などが考えられます。

体全体

・けいれんしている
・触ると痛がる

けいれんは誤食による中毒やてんかんなどさまざまな原因が考えられます。中毒は一刻を争うのですぐに動物病院に連絡をしましょう。
外に出る猫は思わぬケガをしていることもあります。触ると痛がるような箇所があれば、すぐに受診しましょう。

猫の痛みのサイン

猫は、痛みを表に出しにくい動物です。しかし、猫はいろいろなしぐさや行動で、痛みのサインを飼い主さんに伝えています。痛みのサインを知ることで、病気の早期発見や痛みの軽減をしてあげられるので、普段からよく愛猫を観察しましょう。

猫の痛みのサインに気づきにくい理由

猫は「痛みに強い・鈍感」なわけではなく、人と同じように痛覚があり痛みを感じます。しかし、人は猫の痛みに気づきにくいと言われており、それには理由があります。

痛みがあっても人に助けを求めない

猫はもともと、1匹で狩りを行い、縄張りを守ってきた動物。単独行動ゆえ、ケガや病気で痛みがあれば誰に頼るでもなく、安静にしながら回復を待ちます。こうした習性から、飼い猫も痛みがあれば、人に訴えるどころか、身を隠そうとする傾向があります。
よく「猫は人に死ぬところを見せない」といわれるのも、重篤で痛みが強いほどそっとしておいてほしい気持ちが強く、人目を避けるからでしょう。

動物病院では痛みのサインが表れにくい

猫は縄張りの外にいる恐怖が痛みを上回りやすいと言われています。人を含めて動物は、集中・緊張状態にあると、痛みを 忘れてしまう傾向にあるようです。そして、飼い猫にとって緊張しやすい代表的な場所といえば動物病院です。
警戒心が強い猫ほど、縄張りの外にいる不安で固まってしまって痛がる様子を見せないので、獣医師も痛みの度合いを判断しにくいのです。

休んでいるときに見られる痛みのサイン

特に以下のようなときは、痛みが強い可能性があるので要注意です。
・部屋の隅や薄暗い場所にいる
・いつも行かない場所で休んでいる
・人が触るとうなったり、叫んだりする
・人が触った部位を気にするようにじっと見る
・同じ部位をしきりになめている

以下のような状態が見られるときは、元気がない状態です。感染症や胃腸などの病気、ケガや骨折、そのほかあらゆる原因による症状のひとつとして痛みがある可能性があります。
・いつもより明らかに長く寝ている。
・うずくまっている。
・ほとんど寝ない。

歩いたり走ったりしている時の痛みのサイン

・足を浮かせるようになった
・足を引きずるようになった
・足運びがぎこちなくなった

足をかばうような不自然な動きには、おもに骨や関節の痛みが疑われます。また神経系の病気で体にマヒが起きたり、背骨に異常があったりしても足運びがぎこちなくなることがあります。

トイレにいるときに見られる痛みのサイン

・つらそうな声をあげたりうなったりする
・何度もトイレに出入りする
・排泄のポーズをするのに出ない

このようなときは泌尿器系の病気の疑いがあります。尿道などに結石ができる「尿石症」や細菌感染などによる「膀胱炎」が代表的です。また、腸内に異物や腫瘍があって便秘になることも。いずれも無理やり排泄しようといきむときに激しい痛みが生じ、思わず悲痛な声が出てしまう様子がみられます。

食べるときに見られる痛みのサイン

・ヘンな声や音を出して食べるようになった
・フードをこぼすようになった
・顔を傾けて食べるようになった
・いつもより食べるのが遅い
・食べなかったり食べる量が減ったりした

いつもより食べにくそうにしている様子は、口の中に痛みがあるサインです。痛みを伴う口内疾患には「歯周病」や歯が溶けてしまう「歯の吸収病巣」、免疫系の病気が関わる「口内炎」があります。
フードを目の前にしても食べないなど、食欲の減退は口内疾患以外に胃腸炎やそのほかの病気、ケガによる痛みが関係していることもあります。

遊んだり跳んだりするときに見られる痛みのサイン

・猫タワーなどでジャンプしなくなってきた
・おもちゃに飛びつかなくなった
・おもちゃに反応しなくなった

おもちゃへの興味喪失や高いところへジャンプしなくなる様子は、体調不良で余裕がなくなるとすぐに見られるサインです。関節炎や骨の異常による足の痛みのほか、あらゆる内臓疾患やケガが疑われます。

愛猫の痛みのサインに気づいたときの対処法

では、愛猫の異変や痛みのサインに気づいたら、飼い主さんはどのように対処するべきなのでしょうか?

できる限りほかの異変を確認してから受診する

なるべく情報を拾い集めてから獣医師に伝えることが正しい診断につながります。

治療中も痛みのケアについて獣医師に相談する

痛みを取り除くには、基本的に原因となる病気の治療を目指しますが。しかし治るまで痛みが続く病気やケガでは、その間も鎮痛剤の投与などケアは必要になります。猫の痛みに気付いてあげられるのは飼い主さんだけです。積極的に獣医師に痛みのケアについて相談しましょう。

痛みのサインの様子を写真や動画で撮っておく

室内での普段の行動に表れる痛みのサインを獣医師に伝える際に助けになるのが動画や写真です。家での異変の様子がわかる資料があるほど、獣医師も痛みの度合いを想像しやすく、鎮痛剤の量を調整するなど痛みに合わせた治療がしやすくなります。

愛猫の健康管理では、毎日愛猫の様子を観察して、いつもと変わりないか確認することが大切です。そして、もし異変や痛みのサインを見つけたら、早めに動物病院に相談しましょう。

監修/長谷川諒先生(きたじま動物病院)
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより

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