猫と暮らす
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【獣医師監修】猫のオシッコ&ウンチの健康チェック法 画像つきで解説
排泄物の量・色・ニオイ・硬さは健康状態のバロメーターです。表面的には見えない内臓の不調を、いち早く見つける手がかりになります。愛猫の健康管理をする上で、見るべきポイントを紹介します。

長谷川 諒 先生
獣医師
株式会社Ani-vet 代表取締役
保護猫施設専門往診病院 下京ねこ診療所 院長
動物病院京都 ねこの病院 所属獣医師
北里大学獣医生化学研究室 研究生
●所属:日本猫医学会/日本獣医腎泌尿器学会
●書籍(監修):『知っておきたい ネコの多頭飼いのすべて 獣医師が教える 幸せに暮らすためのポイント』メイツ出版 /『いちばんよくわかる猫種図鑑 日本と世界の60種』メイツ出版
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株式会社Ani-vet 代表取締役
保護猫施設専門往診病院 下京ねこ診療所 院長
動物病院京都 ねこの病院 所属獣医師
北里大学獣医生化学研究室 研究生
●所属:日本猫医学会/日本獣医腎泌尿器学会
●書籍(監修):『知っておきたい ネコの多頭飼いのすべて 獣医師が教える 幸せに暮らすためのポイント』メイツ出版 /『いちばんよくわかる猫種図鑑 日本と世界の60種』メイツ出版
猫にとってオシッコ・ウンチが大切な理由
まずは、猫にとってオシッコ・ウンチが重要な理由を知っておきましょう。
生きるための基本的な行動だから
健康状態の見極めには、生き物として基本的な「食べること」「寝ること」「排泄すること」の3つが重要です。ふだん通りのオシッコやウンチが出ているか、毎日観察をすることが健康への第一歩になります。
病気のサインや消化器・全身の異変が現れるから
泌尿器はもちろん、それ以外に問題があるときにも、オシッコに異変が現れるケースが多くあります。
また、ウンチの異変は、胃や腸をはじめとする消化器の異変を直接反映していることが多いです。それだけでなく、脱水などの全身状態を反映することもあります。
また、ウンチの異変は、胃や腸をはじめとする消化器の異変を直接反映していることが多いです。それだけでなく、脱水などの全身状態を反映することもあります。
オシッコが丸1日出ないと命にかかわるから
猫は泌尿器の病気が多い動物です。病気によっては、悪化するとオシッコが出なくなり、毒素が体を巡る「尿毒症」に進行して、命を落とす危険があります。
猫のオシッコの健康チェックポイント
以下の5点が日々の観察のポイントになります。
・量は1日に体重1kgあたり10〜25ml程度のオシッコをしているか
・排尿回数はいつも通りか
・いつもどおりのニオイがしているか
・落ち着いて座っているか
・いつも通りの色か
詳しく以下に紹介していきます。
・量は1日に体重1kgあたり10〜25ml程度のオシッコをしているか
・排尿回数はいつも通りか
・いつもどおりのニオイがしているか
・落ち着いて座っているか
・いつも通りの色か
詳しく以下に紹介していきます。
オシッコの量
オシッコの量はふだんより減っても増えても病気の可能性があり、緊急受診が必要なケースもあります。猫トイレを掃除する際に、トイレ砂を使っている場合は塊の大きさや数を見て、トイレシーツを使っている場合はシーツの重さをチェックしましょう。
量が極端に少ない、出ていない
結石などが原因で尿路閉塞を起こすと、尿毒症になる可能性があるので緊急受診を。とくにオスは尿道が閉塞する可能性が高いので要注意です。
量は1日に体重1kgあたり10〜25ml程度。例えば体重4kgの猫の場合、1日に40~100ml程度であれば明らかな異常ではないですが、ふだんと比べてどうなのかを重視しましょう。
量は1日に体重1kgあたり10〜25ml程度。例えば体重4kgの猫の場合、1日に40~100ml程度であれば明らかな異常ではないですが、ふだんと比べてどうなのかを重視しましょう。
ふだんの2倍以上の量をしている
腎臓病、糖尿病、甲状腺機能亢進症などの可能性があります。
オシッコの色やにおい
オレンジ色をしている
膀胱炎や結石が原因で血尿をしていると考えられます。その場合、猫が何度もトイレに行くのに少量のオシッコしか出ないことも特徴です。尿路閉塞を起こすと尿毒症に進行し、命にかかわることもあるのですぐに受診しましょう。
においが強い
膀胱炎や結石の可能性があります。また、体調不良により強いストレスがかかっている可能性があります。
色が薄い、においが弱い
腎臓病、糖尿病、甲状腺機能亢進症、子宮蓄膿症など、多飲多尿を示す疾患の可能性があります。
健康な猫のオシッコの量は澄んだ黄色で、ジャスミンティーに似た色です。
健康な猫のオシッコの量は澄んだ黄色で、ジャスミンティーに似た色です。
キラキラした黄色をしている
キラキラしたりオシッコが濁っていたりする場合は、結晶が含まれていることが多く、尿石症にかかっている可能性が高いです。
赤色をしている
オシッコに血が混じると赤色(またはピンク色)になります。この場合、腎臓からの出血や膀胱炎、または尿石症などが疑われます。
透明に近い黄色をしている
水をたくさん飲み、かなりオシッコが薄まった状態。多飲多尿が症状の糖尿病や腎臓病の疑いがあります。
オレンジ色をしている
カボチャの煮汁のような濁ったオレンジ色のオシッコは、肝臓病などの病気のほか、膀胱炎や結石が原因で血尿をしていると考えられます。その場合、猫が何度もトイレに行くのに少量のオシッコしか出ないことも特徴です。尿路閉塞を起こすと尿毒症に進行し、命にかかわることもあるのですぐに受診しましょう。
猫のウンチの健康チェックポイント
以下の7点が日々の観察のポイントになります。
・量は、1回あたり人の人差し指1~2本くらいか
・回数は、毎日1~2回排便があるか
(ただし、量や回数は体質やフードによる差が大きいので、「いつものペース」で出ているかが大事です。繊維質の豊富なフードを食べている猫は、ウンチの量も多くなる傾向があるようです)
・ウンチのニオイはいつもどおりか
・硬さは、適度に水分を含み、表面にツヤがあるか
・色は、食べているフードに近い色か
・1回の排泄につき、30秒くらいで終わっているか
・混入物はあるか
(多少、毛が混じっている程度はOK。ほかには何も入っていないのが普通です)
詳しく以下に紹介していきます。
・量は、1回あたり人の人差し指1~2本くらいか
・回数は、毎日1~2回排便があるか
(ただし、量や回数は体質やフードによる差が大きいので、「いつものペース」で出ているかが大事です。繊維質の豊富なフードを食べている猫は、ウンチの量も多くなる傾向があるようです)
・ウンチのニオイはいつもどおりか
・硬さは、適度に水分を含み、表面にツヤがあるか
・色は、食べているフードに近い色か
・1回の排泄につき、30秒くらいで終わっているか
・混入物はあるか
(多少、毛が混じっている程度はOK。ほかには何も入っていないのが普通です)
詳しく以下に紹介していきます。
ウンチの量
猫の1日のウンチの量はフードの量や成分、体重、運度量、飲水量などによって左右されますが、目安は大人の人差し指1本程度、毎日が理想です。
・3日続けて出ない
同じ量のフードを食べているのに、3日続けてウンチがまったく出ていなかったり、小指の先ほどのコロコロしたものしか出ていなかったりする場合は便秘の可能性があります。
・ウンチの姿勢をとるのに出ない
猫が何度もトイレに入り、ウンチをする姿勢をとるのにウンチが出ていない場合は、便秘やウンチが腸内で動かなくなり巨大結腸症になっている可能性があります。
・3日続けて出ない
同じ量のフードを食べているのに、3日続けてウンチがまったく出ていなかったり、小指の先ほどのコロコロしたものしか出ていなかったりする場合は便秘の可能性があります。
・ウンチの姿勢をとるのに出ない
猫が何度もトイレに入り、ウンチをする姿勢をとるのにウンチが出ていない場合は、便秘やウンチが腸内で動かなくなり巨大結腸症になっている可能性があります。
ウンチの色や硬さ
健康な猫はスコップにベタッと付かない硬さの茶色いウンチをします。同じフードを食べているのに色が変わったり柔らかくなったりした場合は、消化器にトラブルが起こっている可能性があります。
・1日に2回以上、下痢や軟便をする
・1回でドバーッと大量の下痢や軟便をする
・2〜3日おきに繰り返し、下痢や軟便をする
いずれも消化器疾患やほかの内臓疾患などの可能性があります。ウンチをふた付きの密閉容器などに入れて動物病院に持参しましょう。
・色がどす黒い、赤い血が混じっている
胃腸内の炎症などにより出血している可能性があります。また、ほかの内臓疾患から二次的に出血していることお考えられます。
・硬くカラカラに乾いている
脱水気味の可能性があるので、なるべく水を多く飲ませる工夫をしましょう。また、脱水を引き起こしやすい病気が隠れている可能性も考えられます。
・1日に2回以上、下痢や軟便をする
・1回でドバーッと大量の下痢や軟便をする
・2〜3日おきに繰り返し、下痢や軟便をする
いずれも消化器疾患やほかの内臓疾患などの可能性があります。ウンチをふた付きの密閉容器などに入れて動物病院に持参しましょう。
・色がどす黒い、赤い血が混じっている
胃腸内の炎症などにより出血している可能性があります。また、ほかの内臓疾患から二次的に出血していることお考えられます。
・硬くカラカラに乾いている
脱水気味の可能性があるので、なるべく水を多く飲ませる工夫をしましょう。また、脱水を引き起こしやすい病気が隠れている可能性も考えられます。
猫のオシッコやウンチから、健康をチェックするためのポイントをご紹介しました。毎日の観察を心がけて、もしも異常に気付いたら、早めに動物病院で受診しましょう。
監修/長谷川諒先生(きたじま動物病院)
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより
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