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シニア猫の病気~猫のかかりやすい病気(3)

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一緒に暮らす愛猫に健康で長生きしてほしいもの。猫は猫齢によってかかりやすい代表的な病気があります。ここでは7才以上のシニア猫がかかりやすい病気を紹介します。高齢の猫がかかりやすい病気は目立った症状がないままじわじわと進行していき予防が難しいものが多いので、なるべく早く飼い主さんが気づいてあげられるように早期発見&治療に役立ててください。

シニア猫のかかりやすい、6つの病気

【1】慢性腎不全
【2】糖尿病
【3】甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)
【4】心臓病
【5】口内疾患
【6】がん
【7】シニアがかかりやすい、その他の病気
・関節炎
・便秘

【1】慢性腎不全

●主な症状
初期症状は多飲・多尿、進行すると元気・食欲がなくなりやせていきます。
初期のうちは元気も食欲もあるので気づくのが遅れがちです。多飲多尿のサインを見逃さないようにしましょう。

●どんな病気?
腎臓の働きが悪くなり、老廃物を排出できなくなる病気が腎不全です。
慢性腎不全とは、腎臓の組織が徐々に壊れて働きが悪くなる病気です。猫は、慢性腎不全にかかりやすく、かかるのはほとんどが高齢の猫です。腎臓は、血中の老廃物をろ過して尿をつくるところですが、働きが悪くなると血中の老廃物が再び体内をめぐるため、体は何とか老廃物を排出しようとして、たくさんの水を飲み、たくさんオシッコをするようになります。病気が進行すると元気や食欲がなくなりやせてきます。オシッコが全く出なくなると命を失います。
●治療法は?
壊れてしまった腎臓は二度と回復しないので、治療の目標は「病気の進行を遅らせること」「残された腎臓の機能を効率的に使ってオシッコをつくり、老廃物を排出させること」になります。具体的には、腎臓に負担をかけない療法食を与えて、腎臓の働きを助ける点滴を定期的に行うのが一般的です。初期のうちに治療を始めれば猫の負担も軽くてすみません。多飲多尿の症状に気づいたら、なるべく早く受診しましょう。

【2】糖尿病

●主な症状
多飲・多尿、初期は多食・進行すると食欲不振、下痢と嘔吐を繰り返すこともあります。
肥満の猫や運動不足の猫は、糖尿病になりやすい傾向があります。以前より多飲多尿になり、食欲が増したらすぐに受診をしましょう。
●どんな病気?
通常、血中の糖は体の各細胞に取り込まれて、エネルギー源になります。この過程で重要な役割をするのが、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンです。しかし、糖尿病の猫はこのインスリンがじゅうぶんに分泌されなくなって、体に糖を取り込めなくなります。そのため、血糖値が高くなり、オシッコの中に糖を排出するようになります。初期には、多くの糖を排出しようとしてたくさんの水を飲み、たくさんオシッコをするようになります。また、食欲が増すことも多いようです。重症化すると、元気・食欲がなくなり、やせてきます。さらに、嘔吐・下痢を繰り返してぐったりしてしまう「糖尿病性ケトアシドーシス」という状態になり、命にかかわることもあります。
●治療法は?
病気の程度や猫の状態によって異なりますが、療法食とインスリン注射で血糖値をコントロールする治療が一般的です。これは毎日決まった時間に決まった量の療法食を与えて、決まった時間にインスリン注射を打つことで血糖値を安定させる方法です。インスリン注射じゃ、獣医師の指導を受けて飼い主さんが行います。今のところ糖尿病を完治させる治療法はありませんが、早く治療を始めればうまく付き合って寿命を全うできます。しかし、症状が進んでしまうと、血糖値のコントロールが難しくなり、安定させられないうちに肝不全や腎不全などの合併症を引き起こすこともあります。

【3】甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)

●主な症状
多食、食欲が増す、活発になる、落ち着きがなくなる。
初期には落ち着きなくウロウロと動き回ったり、興奮しやすくなったりすることもあります。食欲は増すのにやせてくるのが特徴です。
●どんな病気?
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて、心臓に負担がかかる病気です。
甲状腺は、新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンを分泌するところです。甲状腺機能亢進症とは、この甲状腺ホルモンが必要以上に分泌されて、代謝が異常に活発になってしまう病気です。この病気になるのはほとんどが10才以上の猫ですが、初期は活発になり食欲が増すため、飼い主さんはむしろ「最近、愛猫が元気になった」と感じることもあります。しかし、この状態は心臓をはじめとする様々な臓器に負担をかけて、心不全などを引き起こすこともあります。
●治療法は?
毎日、飲み薬を与えることで甲状腺ホルモンの分泌量を抑える方法が一般的です。この場合、生涯にわたって薬を与え続ける必要があります。また手術によって甲状腺を摘出するケースもあります。左右両方の甲状腺を摘出した場合は、その後は飲み薬で甲状腺ホルモンを補うことになります。甲状腺機能亢進症自体は即命にかかわることはなく、治療をしながら付き合っていける可能性があります。しかし、心不全、腎不全、肝不全などの合併症を起こすと食欲がなくなって衰弱し、命にかかわることもあります。合併症を起こす前に治療を始めることが大切です。

【4】心臓病

●主な症状
動くとすぐに疲れる、あまり動きたがらない。健康診断の聴診で心雑音が聞こえる。
少し動いただけで息切れしたり、うずくまってしまったりするなどの様子が見られたら受診しましょう。
●どんな病気?
猫が心臓病になる原因はいくつかあり、先天的な心臓病の症状が10才を過ぎてから出るケースや、慢性腎不全や甲状腺機能亢進症の合併症として発症するケースもあります。心臓は、全身や肺に血液を送り出すポンプのような役割をしているところです。心臓病になって心臓の働きが悪くなると、酸素を多く含んだ血液が全身に行きわたらなくなり、猫は動きたがらなくなったり、疲れやすくなったりします。また、ハァハァと呼吸が荒くなったり、咳をしたりすることもあります。症状が進むと肺に水がたまり(肺水腫)、呼吸困難になる恐れもあります。さらに、心臓内に血の塊(血栓)ができやすくなり、これが全身のどこかの血管で詰まると、突然命を失う可能性もあります。
●治療法は?
今のところ完治させる方法はありませんが、早く治療を始めれば進行を遅らせて寿命を延ばせる可能性があります。具体的には、心臓の働きを助ける薬や血圧に作用して心臓の負担を軽くする薬などを与えます。血栓が詰まってしまった場合は、血栓を溶かす点滴や取り除く手術をすることもあります。また心臓に負担をかけないように、自宅ではなるべく猫を安静に過ごさせて、リラックスできる環境をつくってあげることが大切です。

【5】口内疾患

●主な症状
フードを食べにくそうにする、食べたがらない。口の周りをしきりに前足で触る。
口内に痛みを感じると、フードを食べなくなるほか、食べるときに顔を傾けたり鳴くなどの様子が見られることもあります。
●どんな病気?
加齢とともに歯に歯石が蓄積したり免疫力が弱くなったりすると、口内の病気にかかりやすくなります。口内の病気は重症化すると口内に激しい痛みが起こるたけ、フードが食べられなくなり、やせて衰弱することもあります。また前足でしきりに口の周りに触るなど口を気にする様子を見せることもあります。
【歯周病】
歯に付着した歯垢や歯石の中の細菌によって、歯茎や歯を支える周辺組織が炎症を起こす病気です。歯茎が腫れたり、歯茎から出血したり、歯の根元に膿がたまることもあります。悪化すると歯が抜け落ちることもあります。
【歯肉口内炎】
奥の歯茎や頬の内側、ノドなどに広範囲の炎症が起きたり、潰瘍(かいよう)ができたりして、真っっ赤になる病気です。原因には免疫のアンバランスがかかわっていると考えられており、免疫力が低下する高齢の猫に特に多く見られます。
【歯頚部吸収病巣(しけいぶきゅうしゅうびょうそう)】
歯茎が赤く腫れて歯が溶けてしまう、猫に多い病気です。歯茎との境目や歯茎の中の歯が溶けることが多く、X線検査で確認しないとわからないこともあります。歯周病や歯肉口内炎の症状のひとつとして起こるケースもあります。
●治療法は?
基本的には、どの病気も抜歯をします。歯がなくても食べることに支障がないので、抜歯によって炎症が治まれば、たいていは元気も食欲も回復します。ただし麻酔をかけての抜歯は高齢の猫には負担になることもあります。猫の状態によっては、抗生剤や鎮痛剤による治療が選択されることもあります。

【6】がん

●主な症状
(一部のリンパ腫や乳腺がんの場合)グリグリしたしこりができる。
(消化器系がんの場合)下痢をする、吐く。
消化器のリンパ腫や腸腺がんでは、初期のサインとして下痢をすることもあります。慢性的な下痢をしていたら早めに受診をしましょう。
●どんな病気?
「がん」とは、しだいに大きくなったり全身に転移したりして命にかかわり悪性腫瘍のことです。がんは、体のどの部位にもできる可能性があり、加齢によって発症率が上昇します。ここでは、猫に特に多く見られるがんを紹介します。
【リンパ腫(りんぱしゅ)】
体中に分布しているリンパ節にできるがんです。どこにでもできる可能性がありますが、多いのは首の下や後ろ足のリンパ節です。また、胃や腸など消化器のリンパ節にできると下痢をすることもあります。
【乳腺(にゅうせん)がん】
胸からお腹にかけてある乳腺にできるがんです。メスに多いですが、ごく稀にオスもかかります。乳頭が赤く腫れたり、お腹をなでると硬いしこりに触れることもあります。
【扁平上皮(へんぺいじょうひ)がん】
皮膚や粘膜にできるがんです。口中にできることが多く、場所によっては見て確認できます。鼻の中にできると口臭がしたり、鼻や口から出血することもあります。毛色が白い猫は、耳先にできやすいようです。
【腸腺(ちょうせん)がん】
腸の粘膜層にある腸腺にできるがんで、猫では特に小腸腺がんが多く見られます。下痢、食欲低下、体重減少などの症状が一般的です。がんが腸管を狭めたり、ふさいでしまったりすると嘔吐することもあります。
●治療法は?
がんの大きさや転移の可能性などにより判断しますが、手術で患部を切除するのが基本です。リンパ腫などの化学療法の効果が得られやすいがんは、化学療法で治療することもあります。とはいえ、かん治療は猫への負担が重いので、猫の体力や飼い主さんの意向を踏まえて方針を決めます。

【7】シニアがかかりやすい、その他の病気

【関節炎】
関節の変形などにより関節に負担がかかって、炎症が起こり痛みが生じる病気です。高齢の猫は筋力や靭帯(じんたい)の柔軟性が低下するため、この病気にかかりやすくなります。痛みが強いようなら鎮痛剤を与えます。また、サプリメントを用いることもあります。
【便秘】
高齢の猫が水分摂取量が少なくなり、また排便をするための筋力も低下するので便秘になりがちです。長期間便秘の状態が続くとウンチが腸内で詰まって動かなくなり、巨大結腸症という病気になることもあるので、3日以上ウンチが出ない場合は、動物病院で診察を受けましょう。

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