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飼育環境も関係する!? 猫の「平均寿命」と「長寿の秘訣」

猫を飼っている人は、愛猫の寿命について気になる人も多いでしょう。
猫は人に比べて成長スピードが早く、平均寿命は一般的に「15才程度」だといわれています。ただし、猫の性別や品種別、飼育環境によっても、平均寿命には違いがあるようです。

今回は、猫の「平均寿命」と「長寿の秘訣」についてねこのきもち獣医師相談室の白山さとこ先生が解説します。

猫の平均寿命について

寄り添う猫
getty

オス猫とメス猫で平均寿命は違うの?

猫のオス・メス別の平均寿命は、以下のとおり。

□オス猫の平均寿命:13.7才
□メス猫の平均寿命:14.8才


(※2017年アニコム損害保険株式会社調べ)
メス猫のほうが寿命が長い傾向にあるようですが、以下のような理由が考えられています。
《オス猫は発情期に外でケンカをすることが多い》
まず、オス猫は発情期になると外でケンカをすることがあります。そのケンカによるケガが原因で感染症になってしまい、亡くなるケースが多いといわれています。
《生物学的な違いによる可能性》
人間でも女性の方が平均寿命が長いとされていますが、その一つの要因に性別を決定する性染色体の違いがあるのではないかと考えられています。

猫でもメスにはX染色体が2本ありますが、オス猫には1本しかありません。よって猫の平均寿命にもこのような生物学的な違いが関係している可能性も考えられます。

純血種と混血種では、平均寿命に違いがあるの?

見つめる猫
getty
続いて、純血種や混血種で平均寿命に違いがあるのかを見ていきます。

□スコティッシュ・フォールド:13.4才
□アメリカン・ショートヘア:13.5才 
□混血種:14.3才


(※2017年アニコム損害保険株式会社調べ)
混血種のほうが、純血種よりも平均寿命が長い傾向にあるようですね。この理由は諸説あるものの、次のようなことが考えられています。

  • 混血種は、さまざまな品種の血が混ざっているので、環境の変化などに対する適応力が高い傾向がある。
  • 純血種は、その血統を守るため血が濃くなり、遺伝性疾患などの発現率が高くなる。


このようなことから、一般的に純血種よりも混血種のほうが長生きする、と考えられているようです。

しかしながら、猫の体質などによっても寿命は大きく左右されるため、「混血種だから長生き、純血種だから短命」と断言するのは難しいといえます。

猫の平均寿命と飼育環境は関係あるの?

外で過ごす猫
getty
猫の平均寿命に「飼育環境も関係あるのか」については、下記のようなデータが報告されています。

□家の外に出る猫平均:13.20才
□家の外に出ない猫平均:15.95才

<猫全体の平均寿命は15.03才>

(※2019年ペットフード協会調べ)
やはり、家の外に出ることもある猫のほうが、平均寿命が短い傾向にあるようです。外に出ない室内飼いの猫は、ケガや事故に遭う危険が少なく、また「猫免疫不全ウイルス感染症」や「猫白血病ウイルス感染症」などの病気に感染するリスクがほとんどないために、平均寿命が長くなるそう。

外に出ることもある猫は常に危険と隣り合わせな生活を送るため、その飼育環境は寿命に大きく関係しているといえるでしょう。

猫の健康に悪影響な飼い主さんのNG行為は?

ベロを出す猫
getty
ここからは、猫の健康に悪影響を及ぼす可能性のある飼い主さんのNG行為について取り上げます。

喫煙

タバコを吸う飼い主さんは、愛猫の体に害を及ぼしている可能性があります。タバコを吸う飼い主さんと同じ部屋にいる猫は、当然タバコの煙を吸い込み、受動喫煙の状態になります。

タバコの煙は有害物質の粒子が含まれるため空気より重く、空間の下にたまります。そのため、猫は人よりも有害物質を多く吸い込んでいる恐れがあり、副流煙を吸った猫は「悪性リンパ腫のリスクが上昇する」との報告も……。

また、煙の害だけではなく、タバコを誤食してしまったり、床や壁についたタールを舐めて体内に有害物質を溜め込む危険性も高まります。愛する愛猫のためにも、禁煙を心がけてほしいです。
タバコのリスクについては、下記の記事も参考にしてみてくださいね。

タバコの煙は猫に危険! 猫の「受動喫煙」「三次喫煙」のリスク

猫が運動できる環境を考えていない

猫は運動量が不足すると、ストレスをためやすくなります。おもちゃなどを使って、日頃から充分に遊んであげましょう。また、猫はまわりを眺められる高所や、上下運動ができる場所を好むので、部屋に猫タワーなどを設置するのもいいでしょう。

運動は肥満予防にもなるので、猫が快適に動き回れる環境をつくってあげたいですね。

歯磨きをしてあげていない

くつろぐ猫
getty
歯磨きが苦手で、なかなか愛猫にできない…という飼い主さんもいるのではないかと思いますが、猫が元気でいるためには、歯と歯茎の状態を健康に保つことが大切です。

シニア猫になると、歯周病や歯肉炎といった口腔内トラブルが増える傾向に。また、歯にトラブルがあると食事が満足にとれず、体力や抵抗力が落ちてしまうことも考えられます。

歯磨きはできれば1日1回を目安に

猫の歯磨きは1日に1回できればいいですが、難しい場合は数日かけて全体を磨くようにするといいですね。たとえば、「朝は右上の歯」「午後は右下」など、歯磨きを習慣づけてみてください。

子猫期から歯磨きをするように習慣づけておくと、慣れてくれるコが多いですね。

猫が長生きするために、飼い主さんができることは?

見上げる猫
getty
愛猫が健康でいられるように、飼い主さんが日頃からできることを紹介します。ぜひ、心がけてみてください。

毎日健康チェックをしよう

猫の健康を守るためには、毎日の健康チェックが大切です。下記のようなことは、飼い主さんが確認してあげるようにしてくださいね。

  • おしっこの量や色はおかしくないか
  • おしっこの回数は通常どおりか
  • 便秘または下痢をしていないか
  • 食欲はあるか
  • 水を飲む量は変わっていないか
  • 皮膚や被毛の状態に異変はないか
飼い主さんが愛猫の元気なときの状態を把握していれば、愛猫の異変に気づくこともできるでしょう。

食事や水、運動の量にも注意しよう

猫の健康を守るうえで、「適切量の食事と水分」「適度な運動」は欠かせません。このバランスが崩れると、肥満や病気につながる恐れもあります。

猫の肥満の原因は、「食事の摂取エネルギーが消費エネルギーより多くなる」ことで引き起こされます。飼い主さんが与えるフードの量が多すぎたり、つい人の食べ物を与えてしまったりすると、猫が肥満になり病気のリスクが高まります。

愛猫に必要な1日のエネルギー量を把握して、栄養管理を心がけてください。

猫の平均寿命は今後さらに伸びる可能性も!

遊ぶ猫
getty
猫の一般的な平均寿命は15才程度とされていますが、これには若い年齢で亡くなった猫の事例も含まれているため、低めに設定された数字だそう。

また、現代では医療やフードなどの生活環境が進歩しているために、猫の平均寿命は今後さらに延びることが予想されています。ちなみに、猫の世界最長寿記録は「38才と3日」で、これは人に換算すると170才くらいなのだとか! すごいですよね!

愛猫が健康で長生きできるよう、飼い主さんは日頃から愛猫の様子をよく観察して、ストレスのない生活環境づくりを心がけてあげてください。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・白山さとこ先生)
参考/ねこのきもちWEB MAGAZINE『【猫の平均寿命】種類や性別、飼い方で変わるってホント?』
ねこのきもちWEB MAGAZINE『【獣医師監修】猫の寿命はどのくらい?平均寿命と人間換算年齢、長生きのコツを解説』
文/sorami
編集/ねこのきもちWeb編集室​
CATEGORY   猫と暮らす

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