猫と暮らす
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「臆病な性格」の猫への適切な接し方は? 起こりやすいトラブル、対処法を獣医師が解説
猫にはいろんな性格のコがいますよね。なかには、わずかな物音などにも怖がったり警戒したりと、臆病な性格のコもいるでしょう。
この記事では、臆病な猫に起こりやすいトラブルや対処法などについて、ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生が解説します。
この記事では、臆病な猫に起こりやすいトラブルや対処法などについて、ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生が解説します。
猫が臆病な性格になってしまう原因は?
猫は本能的に、警戒心が比較的強い傾向がある生き物です。もともとその猫が持っている警戒心の強い気質と、その気質を繰り返し刺激されるような経験によって、臆病な性格になってしまう可能性があると考えられます。
臆病な性格のコは、周囲の刺激を敏感に察知し、むやみに周囲の注意を引くような目立つ行動をとりにくい傾向があります。
臆病な性格のコは、周囲の刺激を敏感に察知し、むやみに周囲の注意を引くような目立つ行動をとりにくい傾向があります。
臆病な猫に起こりやすいトラブルは?
もともとの個性として特に強い警戒心を持っている猫の場合は、わずかな物音や少しの環境変化などの些細な刺激でも、とても驚いて怖がってしまうことがあります。
臆病な猫に起こりやすいトラブルの例としては…
臆病な猫に起こりやすいトラブルの例としては…
- ベランダのドアや玄関のドアが開いた瞬間に、驚いて脱走した
- 体調が悪そうで動物病院につれて行きたいけれど、隠れてしまってキャリーに入ってくれない
- 怯えることで攻撃的になったり、挙動不審になったりする
などといったことが挙げられるでしょう。
トラブルを防ぐために、飼い主さんができることは?
上記のようなトラブルを防ぐために、飼い主さんは次のような対策をしてみるとよいでしょう。
- 脱走対策として、可能なら二重ドアにしたり、脱走防止網を設置する
- 生活音のCDなどを流し、普段からさまざまな音に慣れさせておく
- キャリーを部屋に置いておき、普段から出入りさせて慣れさせておく
猫が怯えてどこかに隠れてしまうときに注意したいことは?
猫にとってなにか怖いことが起こったとき、どこかに隠れてしまうことが多いです。誰からも見えない押し入れやベッドの下など、狭くて安全が確保できるところに逃げ込む傾向にあります。
どこかに逃げ込んだあとに出てくるきっかけを失ってしまい、そのまま半日が過ぎてしまうことも珍しくありませんが、持病がある猫、特に泌尿器疾患のある猫は注意が必要に。
飲まず食わずの状態も心配ですが、トイレを一日中我慢することはもっとよくありませんので、気をつけたいところです。
どこかに逃げ込んだあとに出てくるきっかけを失ってしまい、そのまま半日が過ぎてしまうことも珍しくありませんが、持病がある猫、特に泌尿器疾患のある猫は注意が必要に。
飲まず食わずの状態も心配ですが、トイレを一日中我慢することはもっとよくありませんので、気をつけたいところです。
臆病な性格の猫のために意識したい、接し方の工夫は?
臆病な性格の猫にとって、人の自分本位な行動は大きなストレスになる可能性が高いです。臆病な猫に対しては、基本的には猫の気持ちを察しながら、ストレスをかけないように人が合わせて対応することが求められるでしょう。
飼い主さんは、以下のポイントを心がけるようにしてみてください。
飼い主さんは、以下のポイントを心がけるようにしてみてください。
①穏やかな声かけや、ゆったりした動作にしてみよう
大きな声や物音、突然の動きなどは、警戒心の強い猫を強く怯えさせてしまうことがあります。飼い主さんは穏やかな声かけやゆったりした動作を心がけたり、なるべく急に大きい音を出さないように配慮してみてください。
たとえば、掃除の前などには、愛猫に優しく一声かけてあげるのもよいですね。
たとえば、掃除の前などには、愛猫に優しく一声かけてあげるのもよいですね。
②無理に近づかないようにしよう
人のほうから猫に無理に近づくのではなく、猫が自分から近づいてくるのを待ちましょう。まずは、その猫が嫌がらない距離感を理解することから始めてみてください。
③猫からそばに来てくれるまで、なでるのは待とう
猫をなでるのは、猫が自分からそばに来てくれるまで待ってから試すようにしましょう。猫の鼻先に手をゆっくり近づけても逃げないようであれば、まず手や指のニオイを猫に自由に嗅がせてみてください。
その時間を設けた上で、それでも猫がそばにいてくれるのであれば、顎の下やおでこなど、なでられると心地よいと猫が感じやすい場所を、そっと触ることから始めてみましょう。
その時間を設けた上で、それでも猫がそばにいてくれるのであれば、顎の下やおでこなど、なでられると心地よいと猫が感じやすい場所を、そっと触ることから始めてみましょう。
④隠れる場所、逃げ場所を用意してあげよう
家の中に猫が安心できるような場所や、来客があった際などに隠れられる逃げ場所を作ってあげましょう。
⑤猫がおいしいと感じるフードを与えてみよう
警戒心を緩める工夫として、ニオイの強い缶詰などの猫が「おいしい」と感じやすいフードを与えることも、仲良くなるきっかけになることも。
ただし、人がすぐそばにいたり視線を感じたりすると、気にして食べなくなってしまう猫もいるので、初めはその猫にとってストレスにならない距離感を保ちながらの給餌を心がけてみましょう。
ただし、人がすぐそばにいたり視線を感じたりすると、気にして食べなくなってしまう猫もいるので、初めはその猫にとってストレスにならない距離感を保ちながらの給餌を心がけてみましょう。
⑥猫が嫌がらない範囲で、遊びに誘ってあげよう
臆病ではあっても、遊びが好きな気質もあわせ持っている性格の猫もいます。その場合は、人のほうから猫が嫌がらない範囲でおもちゃで誘ってみましょう。
猫が遊びに乗ってきたら積極的に遊ぶようにすることも、リラックスした時間を作るきっかけになると思います。
猫が遊びに乗ってきたら積極的に遊ぶようにすることも、リラックスした時間を作るきっかけになると思います。
臆病な性格も、その猫の個性です。そのコにとって好ましい方法でコミュニケーションをとってあげられるように、飼い主さんは日頃から愛猫の様子を見ながら接してあげるようにしましょう。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/雨宮カイ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/雨宮カイ
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