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猫エイズの感染経路は?人にうつる? 原因や症状など獣医師に聞きました

猫の気をつけたい病気のひとつである猫エイズ。猫エイズにはどのようにして感染するのでしょうか。今回は、ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生に、猫エイズの原因や症状、感染経路、人やほかの動物へうつるのかお話をうかがいました。

猫エイズの原因は?

眠っている子猫
Manuta/gettyimages
猫エイズは、レトロウイルス科のレンチウイルス属に属する猫免疫不全ウイルス(Feline Immunodeficiency Virus, FIV)が、猫の体内に入りこむことによって引き起こされる病気です。正式には「猫免疫不全ウイルス感染症」といい、FIVを保有する猫の唾液や血液が体内に入ることで感染すると考えられています。

猫エイズの感染経路は?

主な感染経路としてあげられるのは、FIVを保有する猫とのケンカとされています。ケンカによって噛み傷やひっかき傷ができてしまうと、そこからFIVが含まれる唾液や血液が体内に入るおそれがあります。

猫エイズの症状は?

目あげている猫
ramustagram/gettyimages
猫エイズは主に5つのステージに分けられ、それぞれ症状が異なります。

1、急性期
2、無症状キャリア期
3、PGL期(持続性リンパ節腫大期)
4、ARC期(エイズ関連症候群期)
5、エイズ期

感染初期となる急性期は、一時的にリンパの腫れや発熱・下痢といった症状がみられることが。この症状がおさまると、無症状キャリア期に入ります。無症状キャリア期の期間は個体差があり、猫によっては無症状キャリア期のまま一生を終えることも。

発症後の主な症状

再びリンパ節が腫れ始めた場合は、猫エイズを発症したと考えられます。「PGL期(持続性リンパ節腫大期)」とよばれ、持続期間は2~4カ月程度。外見的にも異常が見られないことが多く、飼い主さんが気付かないケースも多いようです。
その後「ARC期(エイズ関連症候群期)」に入ると、FIVによって全身の免疫機能が低下します。リンパ節の腫れに加え、口内炎や鼻炎、下痢、皮膚炎といったさまざまな症状があらわれるでしょう。
「エイズ期」に入ると免疫が機能しなくなり、激しい症状が出てきます。急激な体重の減少、貧血、日和見感染、悪性腫瘍ができることも。症状がここまで進行してしまうと、多くの場合1~2カ月程度で命を落としてしまいます。

猫エイズは人やほかの動物にうつるの?

仲良しな犬と猫
TatyanaGl/gettyimages
基本的に、猫エイズは人や犬などのほかの動物には感染しません
複数飼いをしていて、エイズキャリアの猫がいる場合は、ほかの同居猫にも感染が広がるおそれがあります。しかし、FIVは猫の体の外に出てしまうと、長時間感染する能力を保持できないため、飛沫感染などはないとされています

そのため、相性が良く喧嘩をしない、同居猫がエイズワクチンを接種するなどの条件が揃えば、同居猫への感染・発症リスクも低いでしょう。しかし感染確率を0にすることはできないので、隔離して生活させることをおすすめします。
猫エイズのきちんとした知識をもっておくことで、適切な対応をとることができるでしょう。もし愛猫がキャリアになってしまった場合は、今回ご紹介した内容も参考に、獣医師としっかりとサポートしてあげてくださいね。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
参考/ねこのきもちWEB MAGAZINE『獣医師監修|猫エイズ(FIV)とは ~症状、検査や治療、予防について解説』
取材・文/田山郁
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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