同じ血統や兄弟姉妹でも、全く違う性格の猫に育つことがありますよね。猫の個性ともいえる性格は、いつ、どこでその違いが生まれるのでしょう? 猫の性格を形成する4つの要素と傾向を、ねこのきもち獣医師相談室の原駿太朗先生に教えてもらいました。
親猫の遺伝
親猫の遺伝の影響は、容姿だけではなく性格にも表れます。諸説ありますが、親猫から受け継いだ血筋は、子猫の性格にこんな影響を与えるといわれています。
父猫の性格による傾向
同じ環境下で育っても、父猫が人懐っこい性格をしていると子猫も人懐っこくなる傾向があります。
純血種の傾向
人に飼われる前提で交配されている純血種は、フレンドリーな性格の猫が多いといわれています。
被毛による傾向
毛が短い猫はアクティブで、白い部分が多いほど警戒心が強い傾向があります。
生まれもった性別
脳の機能と性ホルモンの影響で、性別による性格の特徴がでることもあります。
オスはメスにアピールしなければならないため、活発で積極的な猫に育つ傾向があります。それに対しメスは、子猫を敵から守り育てなければならないため、気難しい性格になりやすいです。
ただ、この性別による性格の傾向は、去勢・避妊手術の有無によっても個体差が生じます。
幼児期の経験と加齢による変化
猫は生後2カ月頃に社会化期を迎えますが、この期間にどれだけ人やほかの猫とかかわったかが、フレンドリーさに大きな影響を与えます。そして生後2~9ヵ月で性格のベースが決まりますが、7才以降のシニア期に差し掛かり体力が落ちると、無駄な行動をしない落ち着いた性格に変わっていく傾向があります。
育った住環境
飼い主さんとの距離感や、同居猫の有無によっても猫の性格は変わります。例えば、留守番が長く日中寂しい思いをしている猫は、甘えん坊になりやすいでしょう。その反対に、常に人がいる家の猫は落ち着いていることもあります。
同居猫のいる家庭では1匹が元気すぎると、もう1匹が控えめな性格になるなど、猫同士の関係も性格形成の一因になり得るのです。
猫種や性別による傾向はあるにせよ、猫の性格は年齢や住環境によって変化します。猫との同居を成功させるためには、どんな性格の猫に育っても個性として受け止めて、柔軟に付き合っていくことが大切になるでしょう。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・原駿太朗先生)
取材・文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。