猫の肉球の色を見て、毛柄や性格を想像することができますか? 一見何の関係もないように思える肉球の色ですが、じつは毛柄や性格と深い関係があるのです。「肉球×毛柄」のパターンと、「黒・ピンク・あずき・ミックス」の色からわかる性格の傾向を、哺乳動物学者の今泉忠明先生に教えてもらいました。
猫の肉球は4パターンに大別される
猫の肉球の色は、親猫から受け継がれた遺伝子のメラニン色素の量によって決まるといわれています。そのため、毛色や毛柄と関連する傾向があるのです。
肉球のパターンは大きく別けて「黒・ピンク・あずき(灰色がかったピンク)・ミックス(ピンクと黒のブチ)」の4つに分類され、次のような毛柄の猫が多いといわれています。
「肉球×毛柄」のパターン
・ピンクの肉球/白い毛色の割合が多い猫
・黒の肉球/黒い毛色の割合が多い猫
・あずき、ミックスの肉球/グレーの猫や複数の毛色で構成された猫
「肉球×性格」の関係は?
一般的に毛柄に組み込まれた遺伝子から猫の性格がわかるといわれているので、毛柄と関係が深い肉球の色を見れば猫の性格がわかるかもしれません。次章以降で、肉球の色ごとに猫の性格を探ってみましょう。
肉球が「ピンク」の猫はどんな猫?
前述したように、ピンクの肉球は白い毛色の割合が多い猫にあらわれる傾向があります。そして、全身が真っ白な猫は自然界で目立つため、敵から狙われやすい存在に。その名残りから、肉球がピンクの猫は周囲の環境に神経をとがらせて、用心深い傾向があるといわれています。
同じピンクの肉球をした猫でも、白の要素が多い薄いピンクの肉球ほど、白猫の性格が強く反映される傾向があるようです。
《「ピンク」の肉球になりやすい毛柄》
白猫、茶トラ、バイカラー、ミケ、など
肉球が「黒」の猫はどんな猫?
黒い肉球を持つ猫は黒い毛の割合が多いため、自然界で目立ちにくい特徴があります。そのため、敵に襲われにくい安心感から、穏やかな性格になるといわれています。こうした黒猫の特徴が強く反映され、肉球が黒い猫はほかの猫とも争わず、人にもフレンドリーな性格をしていることが多いようです。
《「黒」の肉球になりやすい毛柄》
黒、キジトラ(ブラウンマッカレルタビー)、サバトラ(シルバーマッカレルタビー)、クラシックタビー(シルバー/ブラウン)など
肉球が「あずき」の猫はどんな猫?
あずき色の肉球は、グレーなどの黒猫の遺伝子が強い毛柄の猫に多く見られるため、性格も黒い肉球の猫と似て穏やかなことが多いようです。人やほかの猫に対しても比較的フレンドリーに接することができるので、親しみやすい猫といえるでしょう。
グレーの毛色の猫種によっては、人懐っこく甘えたり、活発に遊ぶのが好きだったりします。
《「あずき」の肉球になりやすい毛柄》
グレー、ポイント(シール/ブルー)など
肉球が「ミックス」の猫はどんな猫?
肉球がミックスになる猫は、毛色に黒が混ざっていることが多いようです。そのため自然界で目立たず敵に襲われにくい黒猫の穏やかさと、周りから目立つ白猫の用心深さなど、さまざまな要素が絡み合った性格をしています。穏やかだけど気分屋で、どこか気まぐれな印象を与える傾向があるでしょう。
《「ミックス」の肉球になりやすい毛柄》
サビ、白が少なめのバイカラー、ミケ、など
ここで紹介した性格は、あくまで多くの猫に見られる傾向です。猫の性格は個体差があるので、傾向と外れた性格をしていている場合もあるでしょう。どんな性格でもその猫の個性として、愛してあげてくださいね。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2020年2月号『じつは性格までわかっちゃう? 可愛いだけじゃない ねこの肉球、色いろいろ』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。