猫と暮らす
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「ビートパルプ」とはどういったもので、キャットフードの原材料に使われているのはなぜですか。
キャットフードの原材料に「ビートパルプ」と書かれていることがあります。これはどのようなもので、何のために原材料に使われているのでしょうか。
「サトウダイコン」と呼ばれるように、ビートの太った根の部分は糖を多く含みますが、あくが強く、糖分を抽出することに特化して利用されています。これを細断し、温水に糖分を溶かし出すなどして砂糖がつくられます。砂糖の原材料というとサトウキビを思い起こす人も多いと思いますが、国内で上白糖として販売されている砂糖の主な原材料のひとつで、国内でも北海道などで生産されています。
糖分をとったあとに残ったビートの繊維部分を、ビートパルプと呼びます。パルプという呼び方のとおり、繊維質に富んだ原材料です。
この繊維質というのは、炭水化物の一種です。炭水化物は、糖類のほか、動物の消化酵素によって消化されるデンプンと、消化酵素では消化できない繊維質に分けられます。
糖分をとったあとに残ったビートの繊維部分を、ビートパルプと呼びます。パルプという呼び方のとおり、繊維質に富んだ原材料です。
この繊維質というのは、炭水化物の一種です。炭水化物は、糖類のほか、動物の消化酵素によって消化されるデンプンと、消化酵素では消化できない繊維質に分けられます。
消化できない「繊維質」をキャットフードに加える理由は?
消化酵素では消化できない炭水化物を「繊維質」と呼びますが、わたしたちの食事でも、「繊維質をとりましょう」とよく言われます。繊維質には、腸の中での重要な働きがあるからです。
まず、繊維質は、胃や小腸の消化酵素では消化できませんが、大腸にいる微生物がつくる酵素によって分解・発酵されます(反芻動物は、胃で微生物がつくる酵素によって発酵できます)。草食動物は大腸(盲腸)が長く、大腸内の微生物が繊維質を分解してじゅうぶんに消化・吸収することができますが、猫はその力が草食動物より弱く、栄養分としては少ししか得ることができません。
繊維質にはさまざまな種類があり、水に溶けやすい(水分を保持しやすい)水溶性繊維、水に溶けにくい不溶性繊維に大きく分けられます。水溶性繊維は発酵速度が速いのに対して、不溶性繊維は、腸内細菌でさえもうまく利用することができません。
水溶性繊維は腸内の善玉菌の栄養となって腸内環境を整える役割があり、水溶性繊維が分解されることによってつくられた成分の一部は、大腸粘膜の細胞のエネルギー源として利用されます。
不溶性繊維は、腸に適度に刺激を与えることによって、腸の運動を活発にします。そのため、整腸作用があります。
ビートパルプは、水溶性繊維と不溶性繊維のどちらも含む、腸にとってちょうどよいバランスの、優秀な繊維質です。しかも、砂糖をつくる過程で発生するため、手に入りやすいというよさがあります。
また、ペットフード全体に占める繊維質の割合が多すぎると栄養効率が悪くなるので、ペットフードの成分表示には「粗繊維」の含まれる最大値の割合が記載されていますが、これはおもに、不溶性で腸内での発酵が遅い繊維(草食動物でも消化しにくい繊維)の割合を量っています。
まず、繊維質は、胃や小腸の消化酵素では消化できませんが、大腸にいる微生物がつくる酵素によって分解・発酵されます(反芻動物は、胃で微生物がつくる酵素によって発酵できます)。草食動物は大腸(盲腸)が長く、大腸内の微生物が繊維質を分解してじゅうぶんに消化・吸収することができますが、猫はその力が草食動物より弱く、栄養分としては少ししか得ることができません。
繊維質にはさまざまな種類があり、水に溶けやすい(水分を保持しやすい)水溶性繊維、水に溶けにくい不溶性繊維に大きく分けられます。水溶性繊維は発酵速度が速いのに対して、不溶性繊維は、腸内細菌でさえもうまく利用することができません。
水溶性繊維は腸内の善玉菌の栄養となって腸内環境を整える役割があり、水溶性繊維が分解されることによってつくられた成分の一部は、大腸粘膜の細胞のエネルギー源として利用されます。
不溶性繊維は、腸に適度に刺激を与えることによって、腸の運動を活発にします。そのため、整腸作用があります。
ビートパルプは、水溶性繊維と不溶性繊維のどちらも含む、腸にとってちょうどよいバランスの、優秀な繊維質です。しかも、砂糖をつくる過程で発生するため、手に入りやすいというよさがあります。
また、ペットフード全体に占める繊維質の割合が多すぎると栄養効率が悪くなるので、ペットフードの成分表示には「粗繊維」の含まれる最大値の割合が記載されていますが、これはおもに、不溶性で腸内での発酵が遅い繊維(草食動物でも消化しにくい繊維)の割合を量っています。
ビートパルプの安全性は?
ビートパルプが加工された原材料であるためか、安全性や薬品の混入などについて不安に感じるという声もあるようです。しかし、猫の体に害のある成分がキャットフードに残存してはならないことは、「ペットフード安全法」で定められています。もし、安全でない製品が市場に出回れば、企業は責任を問われます。このためキャットフードメーカーではそれぞれ、原材料の調達先の選定、原材料の調達時、製造過程や最終製品において、確認や検査を行っています。また、実際に「ペットフード安全法」が守られているかどうか、外部機関であるFAMIC(独立行政法人農林水産消費安全技術センター)が製品の抜き打ち検査を行っています。
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」に投稿されたものです。
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