愛猫の健康を考えるなら、肥満にはしたくないですよね。獣医師によると「猫の体型管理は、飼い主さん次第」なのだそう。また、肥満が原因で起こる病気もあるため、リスク回避のためにも肥満にはしたくないものです。今回は具体的な猫のダイエット方法と太らせないために役立つポイントを紹介します。
肥満が原因で起こる病気が愛猫の寿命を縮める恐れも
人と同様、猫も太ることが原因で、さまざまな病気を引き起こす可能性があります。肥満が原因となる病気でとくに多いのが、血糖値が上昇する「糖尿病」、肝臓に脂肪がたまる「脂肪肝」。これらの病気は、猫の寿命を縮める危険性もあります。そのほかに、太り過ぎて充分な毛づくろいができないことが引き金になる「皮膚病」や、動くことが億劫でトイレに行く回数が減って「オシッコの病気」になる猫も。
【猫のダイエット方法】簡単!3つの部位で体型チェックする方法
体重管理の第一歩は、飼い主さんが愛猫の体型を把握すること。体重だけではわからないので、「肋骨・腰・お腹」の3つの部位の状態を確認して、総合判断しましょう。
パーツ1「肋骨」:前足の付け根から腰に向けて手のひら全体で触りながらチェック
机や床など、平らな場所で猫が伏せているときに行います。両手で前足から腰までになでるように触って、肋骨の存在がどの程度感じられるかで判定。肋骨の凹凸が感じられたら標準体型、かろうじて肋骨を感じられたらぽっちゃり体型、肋骨がどこにあるのかわからなければ肥満体型。
パーツ2「腰のくびれ」:猫の真上から腰のくびれをチェック
床で猫が立っているときに真上から見て、ウエスト部分にくびれがどの程度あるかで判定します。くびれの位置がなんとなくわかったら標準体型、くびれの位置がわからなければぽっちゃり体型、ウエストが膨らんでいたら肥満体型。
パーツ3「お腹」:猫を立たせ、真横からお腹の膨らみ具合をチェック
猫が立っているときに真横から見て、お腹の膨らみ具合をチェックします。お腹のラインが床とほぼ平行なら標準体型、下腹部がぽっこり膨らんでいたらぽっちゃり体型、お腹全体が大きく膨らんでいたら肥満体型。
【猫のダイエット方法】食事管理が一番の成功の秘訣
猫の場合、運動量を増やして体重を落とすのは難しいもの。まずは食事の内容や量などを見直しましょう。
ポイント1:低カロリーのフードを選ぶ
ぽっちゃり・肥満体型猫には、低カロリー設計のフードを選びましょう。さらに、年齢に合った商品を選ぶようにして。カロリー量は減らしても必須栄養素は欠乏しないように配慮されているので、健康面に心配なく体重管理ができます。
ポイント2:適正量を守ってフードを与える
どんな猫にも、目分量でフードを与えていては、適切な体重管理はできません。フードのパッケージに記載されている、体重別の1日の給与量を参考にして、1日分をきちんと計量することが大切です。それでも太るようなら、量を5~10%減らしてみましょう。
ポイント3:食事の回数を増やして小分けにして与える
食事の間隔が長くなると、空腹を感じやすくなります。逆に、少量でも1日4~5回食べていれば、空腹を感じにくく、食べ過ぎも防げるでしょう。1日量の食事を小分けにして与えることで、カロリーオーバーを防ぎつつ愛猫の空腹も軽減させる効果が期待できます。
ポイント4:低カロリーで満腹感を得るためウエットフードを活用
水分量の多いウエットフードは、同じ量でもドライフードより低カロリーなうえ、満腹度もアップする傾向にあります。総合栄養食のウエットフードを選び、1食分を置き換えても良いでしょう。
【猫のダイエット方法】さらに+αでダイエットを成功させよう
次は、食事管理のほかに追加して行いたい、ダイエットのコツを紹介します。
1.フードで誘いながら運動させる
運動するとカロリーを消費できるのはもちろん、筋肉量が増えて基礎代謝が上がるので、痩せやすい体質になります。遊びに興味を示しにくい猫も、フードを利用すれば「食べたい」という気持ちから動くでしょう。シートの上などにドライフードを1粒ずつ転がしたり投げたりして、猫に追いかけさせて。
2.同居猫とは別の場所で食事をさせる
複数飼いで多く見られるのは、食欲旺盛な猫が、同居猫のフードを食べてしまい、太っていくケース。この場合はダイエット中の猫のみ、食事をする部屋を別にして、ドアを閉めて食べさせましょう。
3.週に1回の体重測定
体型チェックでは気付かない体型の変化も、体重の数値にはしっかり表れます。また、ぽっちゃり・肥満体型の猫は、週に1~2%の減量を目指すようにして、急激に痩せ過ぎないように注意を。
体重が減少しなければ獣医師に相談を
一般的な減量速度としては、ダイエットの開始時期は速く、その後減速していきます。半年から1年以上は様子を見たいですが、体重が減らない場合は、動物病院を受診して獣医師に相談すると解決も早まります。より詳しい体型チェックをしてもらい、ダイエット方法のアドバイスをもらいましょう。
参考/『ねこのきもち』2016年11月号「生活習慣病の予防にも 成功する猫ダイエット」
文/紺道ゆあん
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。