マンチカンの魅力といえば、なんといっても短い足と、キュートな丸顔。短足という体型のわりに活発で、甘えん坊が多いといわれるマンチカンの性格や特徴、歴史やかかりやすい病気について、ご紹介します。
マンチカンの性格は社交的で甘えん坊、順応性が高い!
キュートなルックスのマンチカン。外見同様、性格も愛らしいようですね。
マンチカンの性格|活発で社交的
異種交配の関係のためか性格は多種多様ですが、傾向としては活発で社交的なタイプが多いよう。警戒心より好奇心が上回るタイプが多く、イタズラ好きな一面もあります。
マンチカンの性格|甘えん坊
とくに飼い主さんや家族に対しては、すぐすり寄ってくる、甘えん坊な性格が多い印象です。
マンチカンの性格|順応性が高い
ほかの猫種に比べて、人の赤ちゃん、猫、ほかの動物とも良好な関係が築ける傾向に。そのような協調性や、新しい環境になれやすい順応性も高いといわれています。
マンチカンを飼うときに気をつけたい3大NGポイント
マンチカンは実際、飼いやすいのでしょうか? いっしょに暮らすことになったら気をつけたい、3つのポイントは次のとおりです。
マンチカンを飼う時の注意点1 誤食に気をつける
マンチカンは好奇心が強い性格の猫種といわれています。とくに子猫のうちは何でも口に入れて遊びたがるので、猫用おもちゃなど、誤食につながるような口にしやすいものは引き出しの中などに片付けておきましょう。
マンチカンを飼う時の注意点2 入ってほしくない場所への工夫
マンチカンは活動的なので、クローゼットの中など、思わぬところに入り込み、事故につながるケースも。留守番させるときは、入ってほしくない場所には行けないような工夫を。また、出かける前にどこにいるか確認するのをお忘れなく。
マンチカンを飼う時の注意点3 落下事故に気をつける
足の短いマンチカンは高い場所への上り下りが、一般的な猫と比べてやや苦手。シニアになったらよく上る場所には、階段状のステップを付けてあげると、落下事故が防げるでしょう。
マンチカンを飼う際に気をつけたい病気
マンチカンがかかりやすい病気はどのようなものがあるのでしょうか?主なものを以下に挙げてみました。
骨軟骨異形成症および小人症
骨軟骨異形成症および小人症は、前足の“手首”部分と後ろ足首の関節に、骨でてきたコブが形成される症状です。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、短い足が体重を支え切れなくなって骨と骨の間のクッションの役割を果たす椎間板が飛び出し、末梢神経を圧迫するものです。
毛球症
毛球症は、胃腸など消化器官内に毛玉ができ、詰まってしまうものです。
尿石症(ストルバイトおよびシュウ酸カルシウム)
尿石症(ストルバイトおよびシュウ酸カルシウム)は、尿路内に石が形成され、血尿や膀胱炎の原因になるものです。
マンチカンの最大の特徴は短い足!細くやわらかい毛並みも魅力
一目見たら忘れない、ユニークな体の特徴をもつマンチカン。具体的にどんな特徴をもつ猫なのか、知っておきたいですね。
短い足が大きな特徴
マンチカンの外見上の特徴といえば、やはり短い足。一般的な猫とはあまりにも違うため、健康上に問題がないか注視されたこともありますが、現在は問題ないとされています。そのユニークな見た目から、運動は苦手な印象を与えますが、じつは運動神経はなかなかのもの。ただし、後ろ足の短さから、高く飛ぶ力は、ほかの猫種に比べて制限されます。そのスタイルから、ミーアキャットのように後ろ足だけで立ち上がるのが得意です。
長毛も短毛もやわらかい毛並み
マンチカンといえば短毛のイメージですが、長毛もいます。どちらも毛質は細くやわらかい直毛で、触り心地がいいのが特徴。長毛でも、もつれにくい毛質なので、ほかの長毛の猫種に比べてブラッシングしやすく、毛玉はできにくいでしょう。
さまざまな毛色・毛柄がいる
異種交配の関係で、マンチカンにはさまざまな毛色、毛柄が誕生します。多く見られるのは、クラシック・タビー(ターゲット模様)、マッカレル・タビー(体の両側に縦の縞模様が切れ目なく入っている)や、バイカラー(レッド&ホワイト、ブラック&ホワイトなど)です。
マンチカンの始まりは1983年、アメリカ・ルイジアナ州
ダックスフンドのように短い足と、真ん丸な顔が愛らしいと、近年、急激に人気が高まってきたマンチカン。そのルーツは1983年、アメリカ・ルイジアナ州の路上で保護された猫だといわれています。自然発生の猫種のマンチカンですが、アメリカで計画交配されるようになりました。足が短い特殊な体型ゆえ、交配に反対する声も多く、猫種認定は未だ論争中。猫種の登録団体のすべてが公認しているわけではありませんが、一部の団体からは新種として認定済みです。マンチカンの名前の由来は、『オズの魔法使い』に登場する、体の小さい“マンチキン族”になぞられて命名されたという説もあるようです。
マンチカンは性格的にも飼いやすいから初心者におすすめ!
社交的で甘えん坊な性格で、活発なマンチカン。人とのスキンシップも遊ぶことも大好きなので、猫とのコミュニケーションをたくさん取りたい飼い主さんに向きます。また、順応性が高く、とても飼いやすいと評判なので、初めて猫を飼う人にもおすすめですよ。

監修
高野八重子先生
CFAオールブリード国際審査員。
サンフラワーキャットクラブセクレタリー、
ヤマザキ動物専門学校において「ネコ学・審査とグルーミング」の講義を担当。
著書に「猫の教科書」(緑書房 高野賢治氏との共著)、「猫の手入れがわかる本」(誠文堂新光社)などがある。
ヤマザキ動物専門学校