愛猫が鳴いている理由を考えたことはありますか? 猫が鳴く理由には、要求や病気など、さまざまな理由が隠されているようです。今回はねこのきもち獣医師相談室の原駿太朗先生に、猫が鳴く理由と対応について教えていただきました。
猫が鳴くのはなぜ?
人に向けて鳴く理由
猫が人に向けて鳴く理由は、満たしてほしい要求があるときです。
また、飼い主さんの呼びかけに返事として鳴くこともありますが、これは鳴いたときにいいことがあった経験からと考えられます。
猫同士で鳴く理由
猫同士で鳴く理由はコミュニケーションの一環だと考えられます。猫のあいさつは基本鼻をつけるなどのボディランゲージですが、相性のいい猫同士は鳴いてあいさつや返事をすることも。しかし、相手に対して威嚇の気持ちや不安があるときも鳴き合うこともあるようです。
猫が鳴くその他の理由
くつろいでいるときや、階段を降りているときなどに短く鳴いているのは、思わずもれてしまったひとりごとのようなもの。とくに理由はなく、感情や掛け声をつぶやいています。
こんな鳴き方は要注意!
鳴きながら別の行動をする
長時間毛づくろいをしていたり、トイレとは違う場所で粗相をしたりなど鳴きながら異常行動を起こしている場合は、なんらかのストレスを受けているかもしれません。
また、病気やケガが原因の場合も。その場合、排泄物の異常や脱毛、出血や湿疹など体に異変が伴うことがあるため、早めに動物病院を受診しましょう。
ウロウロしながら昼夜問わず鳴き続ける
シニア猫が夜中にウロウロしながら高い声で「アオーン」と鳴いたり、昼夜問わず鳴き続けたりしている場合は、認知症を発症しているおそれがあるため注意が必要です。また、甲状腺機能亢進症など別の病気が隠れていることも考えられるため、おかしいと思ったら、すぐに動物病院を受診しましょう。
猫がうるさく鳴くときの対処法は?
猫がうるさく鳴いているときは、なぜ鳴いているのかを見極めることが大切です。
ゴハンを用意する・量を見直す
フード皿の前で鳴いていたら、それはゴハンを催促しているのかもしれません。フード皿の前で頻繁に鳴くのであれば、ゴハンの量が足りていない可能性も。年齢や体の大きさに合わせてゴハンの量や与える回数を見直しましょう。
トイレを片づける
トイレのそばで鳴いているのは、「掃除をしてほしい!」という意思表示かもしれません。猫はきれい好きなので、愛猫が排泄したらすぐにトイレを掃除してあげましょう。
コミュニケーションを増やす
飼い主さんのそばに寄ってきて鳴いたり、夜中に起きて鳴いたりするのはコミュニケーション不足が考えられます。猫のほうから甘えてきたときは、スキンシップを取るようにしましょう。
避妊・去勢手術を検討する
発情期に入った猫は、大きな声で昼夜問わず鳴き続けます。発情期が理由の場合、一番の解決策は避妊・去勢手術をすることです。手術が難しい場合は、日中はおもちゃで遊び、夜まで体力を残さないなどするといいでしょう。
要求に応えず無視をする
「外に出たい」など応えるのが難しい要求で鳴いているときは、無視を貫きましょう。安易に応えてしまうと、「鳴けば叶えてもらえる」と学習し、激しい要求鳴きにつながることも。
愛猫が鳴いている様子を見極め、いつもと違う様子で鳴いていたら、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・原駿太朗先生)
参考/ねこのきもちWEB MAGAZINE『【獣医師監修】猫が鳴く理由 声の高さや鳴き方で違う猫が「言いたいこと」』
文/山村晴美
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。