必要あるお手入れでも、猫はストレスを感じることがあります。今回はブラッシング・爪切り・シャワーが必要な理由と、猫がストレスを感じるポイント、お手入れのやり方を、ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生が解説します。
毛玉対策に必要なブラッシング
ブラッシングのお手入れは、体表に毛玉ができにくくするため、グルーミングによる毛玉の吐き戻しを抑制するために必要です。もし、お手入れを怠ると、長毛の猫は毛玉のあるところに皮膚炎ができやすくなります。また、毛玉の吐き戻しが多いと食道炎や胃炎になることもあるでしょう。
でも猫は、静電気や長時間拘束されるのが嫌
猫はブラッシング中に静電気が起きることや、力の強さが気に入らないこと、時間が長くなることにストレスを感じます。しっぽをブンブンと振ったり、床に叩きつけたり、嫌がってその場から離れようとする場合はストレスを感じているのでしょう。
ストレスサインに注意しながらお手入れを!
猫がストレスを感じないように注意しながら、次のようにブラッシングをしてあげてください。
長毛種(毎日が理想的)
ピンブラシやスリッカー、コームなどを使用して毛先からほぐし、根元まで繰り返しとかしましょう。
短毛種(週に1~2回ほどが目安)
ラバーブラシやコームを用いて、嫌がらない程度の強さで根元からとかしましょう。
ケガの予防に必要な爪切り
ブラッシングと同様に爪切りも欠かせないお手入れです。カーペットなどに引っかかったり、伸びすぎた爪が肉球に食い込んだりしないためにも、爪は定期的に切ってあげる必要があるでしょう。
でも猫は、足先を触られることが苦手
猫は足先を触られることが嫌いな傾向があるので、爪切りは触られるストレスを感じるでしょう。また、自分の武器でもある爪を切られることや、体を拘束されることもストレスの原因になります。
もし、猫がその場から離れようとしたり、足を引っ込めたりしていたら、嫌がっているのでしょう。
苦手な猫が多いことを踏まえてお手入れを!
猫の爪のピンクの部分は神経や血管が通っているので、先端の白い部分のみカットしてください。月1回を目安にお手入れしましょう。
汚れたところに必要なシャワー
猫のシャワーは基本的には必要ありません。ただ、お尻の周りなどが汚れたときに必要になる場合もあります。また、一部の長毛猫など猫種によっては必要な場合もあります
でも猫は、水に濡れるのがストレス
シャワーは水を使うお手入れなので、水に濡れるストレスがあります。また、洗っている間は自由に動き回れないため、拘束されるストレスも感じるでしょう。
もし、猫が嫌がってその場から離れようとしていたら、ストレスを感じているのでしょう。
もし体が汚れたら、怖がらせないようにお手入れを!
猫の体が汚れた場合は、体温より低い36~38度のお湯で洗ってあげましょう。シャワーの水圧が苦手な猫も多いので、桶にお湯を溜めて、濡らしたタオルかスポンジで体を濡らしてあげてください。
猫に苦手なお手入れがあるのは、しかたのないこと。だからこそ、飼い主さんが猫の嫌がるポイントを把握して、ストレスがかかりにくいケアを心がけてあげましょう。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
取材・文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。