猫の特徴のひとつである、モフモフの被毛。皮膚を守ったり体温を調節したりと、さまざまな役割がある大切な部位です。そんな被毛には、あまり知られていないヒミツがたくさん!知っておくと、飼育の役に立つかもしれませんね。
今回は、猫の毛にまつわるさまざまなヒミツを、猫写真家の石原さくらさんに伺いました。
猫は人より“みっしり”毛が生える!
人は、1つの毛穴に対して1~3本の毛しか生えません。しかしほとんどの猫は、1つの毛穴につき7~10本もの毛が生えています。そのため毛の密度が濃く、平均すると1cm四方につき、約600本もの毛が生えている計算に!ちなみに、短毛種と長毛種では毛の長さが違うものの、毛量自体はさほど違いがありません。
夏と冬では毛量が違う!
猫は年に2回、被毛が生え替わることが知られています。冬になると体を保温するための冬毛が生え、夏になると抜けていきます。
ある程度次の毛が伸びてから古い毛が抜けるため、冬毛が抜けきったとしても、猫の体がツルツルになってしまうことはありません。
猫の毛が逆立つのは、人でいう「鳥肌」と同じ!
猫の毛がボワッと逆立つのは、アドレナリンというホルモンの影響で、毛根の周囲にある筋組織が収縮するからです。これは、驚いたときや興奮したときなどによく見られ、主に背中としっぽの毛が逆立ちます。
遊んでいる子猫が毛を逆立てているときは、楽しくてテンションが上がり、興奮しているからなのでしょう。
猫の毛は生える方向が決まっている!
猫の毛は基本的に生える方向が決まっていて、背中としっぽの毛はお尻の方向に生え、お腹の毛は中央に向かって左右対称に生えています。ブラッシングをする際は、毛の流れに沿ってブラシを動かしましょう。
ブラッシングは、被毛を整えるだけでなく、健康状態をチェックするためのものでもあります。スキンシップをしながら、毎日のブラッシングを習慣にできるといいですね。
毛艶に必要な栄養素はコレ!
猫の被毛1本1本の表面にあるキューティクル(毛表皮)はとても薄く、これが壊れると、毛がもつれたりパサついたりしてしまいます。
被毛の健康を維持するには、フードで被毛にいい栄養素を補うのがおすすめ。被毛を育てる栄養素である「アミノ酸」や「リノール酸」が配合されたフードを選んで与えてみましょう。
猫のかわいらしさを演出し、猫の健康も守ってくれる被毛。愛猫のモフモフを堪能しつつ、ブラッシングやフードで被毛の健康を維持してあげましょう。
お話を伺った先生/石原さくらさん(猫写真家 愛玩動物飼養管理士1級 キャットグルーマー)
参考/「ねこのきもち」2022年4月号『換毛シーズン到来 役割から構造、ケアまで まるっと! “猫毛”のすべて』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。