1. トップ
  2. 猫と暮らす
  3. 健康・病気
  4. 風邪・感染症
  5. 猫がかかりやすい病気の最新治療 原因の解明や薬の進化も

猫と暮らす

UP DATE

猫がかかりやすい病気の最新治療 原因の解明や薬の進化も

猫を飼育するうえで欠かせないことのひとつが、猫がかかりやすい病気を知っておくこと。近年、それらの病気に有効な薬の開発や、病気の原因の究明など、さまざまな研究が進んでいます。今回は、猫がかかりやすい5種類の病気と、その病気の最新情報などを、獣医師の服部幸先生に伺いました。

猫カゼ

小首をかしげる猫
Photography by Adri/gettyimages
熱や鼻水など、人がかかる風邪のような症状が出ることから「猫カゼ」と呼ばれているこの病気は、ウイルスや細菌が原因となって発症します。

猫カゼにかかったら、今までは症状ごとに違う薬を処方して治療をしてきましたが、近年猫カゼのさまざまな症状を一度にコントロールできる「複合注射製剤」が開発されました。投薬は猫のストレスになることも多いため、投薬の回数が減ることで猫の負担軽減にも一役買いそうです。

膀胱炎

肉球を見せてくれる猫
suemack/gettyimages
「膀胱炎」は、結石や細菌感染などが原因で、膀胱に炎症が起こる病気です。尿に血が混じったり、尿のニオイが強くなったりする症状が出ます。

猫の膀胱炎のなかでも圧倒的に多いのが「特発性膀胱炎」です。検査しても結石や結晶がなく、異常な細胞も見られないにもかかわらず、頻尿や血尿などの症状があるのが特徴です。最近の研究では、ストレスや体質が突発性膀胱炎の発症に大きく影響していると考えられています。

尿石症

寝転がる猫
Socreative/gettyimages
「尿石症」は、オシッコの成分が結晶化し、内臓を傷つけたり尿路を塞いだりする病気です。膀胱炎と似たような症状が出たり、強い痛みが生じたりします。

結石には、「ストルバイト」と「シュウ酸カルシウム」の2種がありますが、近年はシュウ酸カルシウムの結石が増えているのだそう。また、膀胱に結石ができる猫が減っている一方で、腎臓や尿管に結石ができる猫が増えており、その多くがシュウ酸カルシウムによる結石だといわれています。

結膜炎・角膜炎

ソファに横たわっている猫
kaorinne/gettyimages
目の結膜や角膜に起こる炎症を、「結膜炎」「角膜炎」といいます。どちらも、猫カゼを引き起こすウイルスが原因となることが多いようです。発症すると、目やにや目の充血などの症状が現われます。

近年、強い抗ウイルス作用を有する「猫ヘルペスウイルス」専用の点眼薬が開発されました。猫ヘルペスウイルスは、猫カゼを引き起こすウイルスの1つ。それに伴って引き起こされる結膜炎・角膜炎の改善や、治癒までの日数短縮が期待できます。

皮膚炎

診察を受ける猫
dadoodas/gettyimages
「皮膚炎」は、皮膚が炎症を起こしたり、部分的に毛が抜けたりする病気です。ノミやダニ、細菌や真菌、アレルギーなど、さまざまな要因で発症します。

近年、猫も信頼度の高いアレルギー検査ができるようになってきました。調べられる物質は、食物や植物、カビや節足動物など40種類。アレルゲンが特定できれば、効果的な治療にもつながりますね。
動物医療が発展し、病気に対抗するさまざまな手段が確立されています。愛猫の病気で気になることがあったら、かかりつけの獣医師さんに相談してみましょう。
お話を伺った先生/服部幸先生(東京猫医療センター院長)
参考/「ねこのきもち」2022年9月号『獣医師の最新トピックス&読者体験談も 猫に多い病気、その理由は?』
文/東里奈
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
CATEGORY   猫と暮らす

UP DATE

関連するキーワード一覧

人気テーマ

あわせて読みたい!
「猫と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る