愛猫が、涙目になっていたり涙を流していたりすると、飼い主さんとしてはびっくりしますよね。ゴミが入っただけやあくびをしただけなど、あまり心配のないケースもありますが、もしかしたら「涙が出る」という症状が出る病気にかかっているからなのかもしれません。
そこで今回は、涙の量が増えたときに考えられる代表的な目の病気を、5種類ご紹介します。
結膜炎
ウイルスや異物による刺激、ひっかき傷などが原因で、結膜に炎症が起こる「結膜炎」。まぶたの裏側にある結膜が赤く腫れ、目やにや涙の量が増えるなどの症状が現われます。
治療は、抗生剤・抗炎症剤の点眼が一般的ですが、病状によっては飲み薬が処方されることもあるようです。
角膜炎
目を覆っている角膜が炎症を起こす病気が「角膜炎」です。主な原因は、結膜炎の悪化、ウイルスや細菌の感染、ひっかき傷・トゲ・毛による刺激など。発症すると、涙の量が増える、目を痛がって開けにくそうにする、光をまぶしがるなどの症状が出ます。
治療方法は、点眼薬や軟膏、抗生剤などの飲み薬、場合によっては外科手術を行うことも。目の違和感から、猫が自分で目を引っかいてしまうことがあるので、エリザベスカラーなどを使用するケースもあります。
眼瞼炎(がんけんえん)
まぶたの周辺に炎症が起こっている状態のことを「眼瞼炎」と呼びます。主な原因は、ウイルスや細菌の感染ですが、結膜炎や角膜炎、外傷による炎症がきっかけで眼瞼炎を発症するケースも。症状は、まぶた周辺の毛が抜ける、涙や目やにがふえる、目の周りに湿疹ができるなどです。
治療では、眼瞼炎の原因を取り除くために、抗生物質や抗真菌薬の投与が行われます。
流涙症(りゅうるいしょう)
「流涙症」は、涙の量や目やにが増える病気です。エキゾチックショートヘアやヒマラヤン、ペルシャなど、鼻が短い「短頭種」の猫に発症しやすいといわれています。
流涙症の発症理由は多岐にわたるため、治療方法も原因によって異なりますが、結膜炎や角膜炎が起きているのなら、抗生剤や抗炎症剤を投与して治療を行います。
眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)
まぶたの一部が内側に折り返された状態になってしまう「眼瞼内反症」。鼻が短い「短頭種」や、シニア猫に時折見られる病気です。毛の生えた皮膚が目の表面を刺激するので、涙や目やにの量が増えたり、結膜炎や角膜炎を発症しやすくなったりします。
治療は主に点眼薬などの処方ですが、まぶたの形状が原因にある場合は、外科手術を行うこともあるようです。
「涙の量が増える」という症状がある病気は、たくさんあります。愛猫の涙量が多いような気がしたら、念のため動物病院で相談をしてみましょう。
参考/「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医師が解説】猫の涙、もしかしたら病気!?原因や対処法を解説!』(監修:目黒アニマルメディカルセンター 隅田川動物病院 循環器担当 佐藤貴紀先生)
文/東里奈
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。