あなたの愛猫は、ふだんどんな座り方をしていることが多いでしょうか? 1日の大半を座った状態で過ごす猫は、座り方のバリエーションも豊富です。今回は、猫の座り方からわかる気持ちや生態について、哺乳動物学者の今泉忠明先生にお話を伺いました。
香箱座り
猫らしい座り方No.1といえるのが「香箱座り」。体重が体全体に分散されて前足首を休めることができるので、猫にとってはいちばん楽な座り方です。前足首を内側に折り曲げているため、危険を察知しても瞬時に立って逃げにくい体勢でもあります。そのため、安心してリラックスしきっているときにとりやすいポーズといえるでしょう。
おじさん座り
後ろ足を大胆に広げる「おじさん座り」は、毛づくろいのときによく見られる座り方。ほとんどの猫にとってはあまり楽な体勢ではなく、長時間このポーズで過ごすことは稀ですが、壁や物に背中を預けてくつろぐ猫もいます。こちらも無防備かつ立ち上がりにくい体勢なので、安心できる場所で見せる姿です。
スフィンクス座り
「スフィンクス座り」は、腰を下ろして前足を伸ばす座り方。気になることがあってまわりを気にしつつも、楽な姿勢をとるために腰を下ろして休みながら待っているときの体勢です。猫にとっては上体のストレッチ効果もありそうですね。
座る猫に関する「へぇ〜」なお話
最後に、座る猫に関するトリビアをご紹介します。
猫の前足首が柔らかいのはなぜ?
猫の前足は、猫1匹でも獲物を捕まえられるように発達したそう。なかでも前足首が柔らかいのは、関節のゆるさに秘密があります。関節がゆるいとしなやかで瞬発的に動けるので狩りがしやすく、人の手のように自由自在に動かせるというメリットがあるのです。
猫の前足はしびれないの?
猫の平均体重4〜5kgと軽く、血液の量も少ないので、人のようにしびれることはあまりないと考えられます。人と比べてはるかに長く同じ体勢で座っていられるのも、猫の特徴です。
猫がどんな座り方をしているかによって、そのときの心理状態がわかることもあります。座っている愛猫の姿を観察してみると、猫との生活がさらにおもしろくなるかもしれませんね。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2022年10月号『いつものポーズから気持ちがわかる!?注目!猫の座り方』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。