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猫の「食物アレルギー」と「アトピー性皮膚炎」とは 獣医師に聞いた

猫とアレルギーといえば、人が発症する「猫アレルギー」が有名ですが、実は猫自身もアレルギーを発症することがあるのをご存じですか? 猫のアレルギーは、人や犬のアレルギーほど解明されてはいないものの、特定の食べ物や花粉、ほこりなどがアレルゲンとなっていることがわかっています。

そこで今回は、猫が発症するアレルギーのうち「食物アレルギー」と「アトピー性皮膚炎」の2種類について、解獣医師の小林真也先生に伺いました。

アレルギーのしくみ

体をかく猫
chendongshan/gettyimages
アレルギーとは、体内に侵入した異物から体を守るために働く免疫の過剰反応です。いうなれば“免疫システムのバグ”なので、本来なら無害である花粉やフードの成分などにも過剰に反応してしまいます。そのバグが影響して、皮膚の病気、嘔吐、下痢、鼻炎などが引き起こされるのです。

食物アレルギー

鼻をなめる猫
Leesle/gettyimages
食物アレルギーは、本来無害な食べ物を有害だと体が誤認して起こります。おもに米や麦などの炭水化物、肉・魚・卵・乳製品などのたんぱく質がアレルゲンになります。

食物アレルギーは、かゆみや発疹、からだをなめ過ぎた結果の脱毛など、皮膚に症状があらわれやすいのが特徴です。ただ、おう吐や下痢など、消化器系の症状が同時にあらわれたり、消化器系の症状だけがあらわれたりするケースもあります。

食物アレルギーが疑われる場合、アレルギー検査でのアレルゲン特定は難しいため、アレルゲンと思われる成分を一切含まないフード(除去食)を与えて様子を見る「除去食試験」が行われます。症状の改善がみられたら、今まで食べていたフードにアレルゲンが含まれているということ。除去食試験を続けてアレルギー反応が起きないフードが見つかれば、症状を抑えることができるようになるでしょう。

アトピー性皮膚炎

頭をかく猫
Julietta24/gettyimages
アトピー性皮膚炎とは、おもにハウスダストや花粉などに反応して症状が出る病気です。症状は、皮膚のかゆみ、発疹、体をなめ過ぎて脱毛するなど、名前のとおり皮膚に症状があらわれます。食物アレルギーでも皮膚に症状が出るケースが多いため、食物アレルギーなのかアトピー性皮膚炎なのか見極めるのは難しいですが、アトピー性皮膚炎は季節や湿度の影響を受けやすいのが特徴です。

アトピー性皮膚炎はアレルゲンの特定が難しく、食物アレルギーと違ってアレルゲンを除去するのも難しいため、治療は薬を用いて症状を緩和することが中心になります。薬の使用に関しては、必ず獣医師の指示に従いましょう。
また、空気清浄機を使ったりこまめに掃除をしたり、室内環境を清潔に保つことも効果的です。
アレルギーは、どんな年齢の猫でも発症するリスクがある病気です。「今アレルギーじゃないから大丈夫」と思うのではなく、いつか愛猫が発症したときに備え、知識を持っておくことが大切です。
お話を伺った先生/小林真也先生(北川犬猫病院グループのヒフカフェ動物病院院長)
参考/「ねこのきもち」2023年2月号『どの年齢でも発症の可能性あり! 猫のアレルギーもツライんです。』
文/東里奈
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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