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完全室内飼いだからと安心できない 猫に多い「寄生虫症」とは

猫の寄生虫症は、動物病院でも受診が多い病気のひとつです。寄生虫の種類によっては室内飼いでも注意が必要で、とくに新しく猫を迎える際には検査を受けることが大切。今回はそんな寄生虫症について、獣医師の重本仁先生にお話を伺いました。

寄生虫症ってどんな病気?

植物で遊ぶ猫
ramustagram/gettyimages
寄生虫には、以下の2種類があります。

・内部寄生虫:猫の体内をすみかにする
・外部寄生虫:皮膚や耳など体の表面にすみつく

猫は内部寄生虫の割合が高く、とくに回虫は外猫の20%ほどが感染しているとも。
症状は寄生虫の種類によって異なりますが、内部寄生虫の場合、下痢などウンチにあらわれることが多いでしょう。
一方外部寄生虫はかゆみなどが生じるため、体をかき壊して皮膚トラブルにつながるケースも。

子猫やシニア猫など免疫力が低い猫の場合、大量の寄生虫に感染すると重篤な症状を引き起こすため、注意が必要です。

回虫駆除をしたあとに室内飼いを続ければ、もう回虫は出ない?

ソファでグルーミング中の猫
kaorinne/gettyimages
猫には「猫回虫」と「犬小回虫」が寄生しますが、圧倒的に多いのは前者。白くて細長く、成虫の長さは2~10cmほどあり、ウンチと一緒に排出されることも。
回虫の卵は温度などの環境が整うと、感染力を持つ幼虫形成卵になります。それを猫が口にすることで感染が成立するため、たとえ室内飼いであっても、回虫を排泄したあとの環境が清浄化されなければ再感染することも。
まめに排泄物を取り除き、トイレ容器を薄めた中性洗剤で丸洗い、天日干しするなどして、清潔を保つよう心がけましょう。

猫のジアルジアは人に感染するの?

のぞきこむ猫
Kryssia Campos/gettyimages
ジアルジアは「原虫類」という内部寄生虫の一種で、猫の体内で増殖していくのが特徴です。原虫類はほかに、トキソプラズマ、コクシジウム、トリコモナスなどもあり、肉眼で見えず顕微鏡で確認する必要があります。そのため原因の特定までに厳密な検査が必要となり、駆虫に時間がかかることも。

このなかで、ジアルジアとトキソプラズマは、動物と人との間でうつる「人獣共通感染症」に該当します。どちらも感染猫のウンチや汚染された水からうつり、人に感染すると嘔吐や下痢などの症状が表れることがあります。そのため猫トイレの掃除の際や、過剰なスキンシップには注意が必要です。
寄生虫の種類によっては、同居の動物や人にも影響を及ぼすことがあるため、発見したら迅速に対処し、日々の生活でも衛生面に注意することが大切です。寄生虫症への理解を深め、愛猫の健康を守ってあげてくださいね。
お話を伺った先生/重本仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/「ねこのきもち」2021年11月号『体験した飼い主さんのリアルな疑問に獣医師がアンサー ねこに多い病気、そこが知りたい! vol.18 寄生虫症』
文/田山郁
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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