窓辺、ベッド、冷蔵庫の上……あなたの愛猫がよくいる場所はどこですか? お気に入りの場所は猫によって異なりますが、そこにいたいと思う理由があるはずです。今回は猫の居場所と気持ちの関係について、哺乳動物学者の今泉忠明先生にお話を伺いました。
1. 窓辺
室内飼いの猫にとって、窓辺は外の風景を見られる刺激的な場所。じっと静かに眺めている様子でも、実はたくさんの刺激を受けています。草木が揺れ動いたり、鳥が飛んだり、わずかな変化にも内心ではワクワクドキドキしているでしょう。
2. 猫タワーの上
猫タワーの上から室内を見下ろすことも多い猫。どうして猫は高い場所が好きなのでしょうか?
猫が高いところを好むのは警戒心のあらわれであり、そこにいると落ち着くから。野生の猫は、敵から身を守り、かつ敵を見つけやすいよう木の上にいるのが常でした。飼い猫にも、野生時代の習性が残っているのです。
3. 冷蔵庫の上
猫はもともと、ひっそりと過ごせる場所を好みます。これは、音を立てると獲物が逃げてしまうおそれがあるため。猫の聴覚は人の約3倍の音域を聞き取れるほど敏感なので、人の足音などの生活音も避ける傾向にあります。そんな猫にとって、冷蔵庫の上は独りで落ち着ける場所なのかもしれませんね。
4. 猫用ベッド
毛布や布団、服の上など柔らかいところを好む傾向がある猫。それは、子猫の頃に甘えていた母猫の感触に似ているからです。母乳を飲んでいたときを思い出して、フミフミすることもあるでしょう。
5. 人のベッドの中
人の約20〜30万倍の嗅覚を持つ猫は、ニオイに敏感です。靴下や脇の下など人のニオイを嗅ぎたかるのは、その中にフェロモンがあるかどうか確認するためなのです。
猫によってお気に入りの場所はさまざまですが、そこにいたいと思う気持ちもさまざまです。猫の居場所と気持ちの関係を分かった上で観察してみると、愛猫との生活がさらにおもしろくなりそうですね。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2022年6月号『お気に入りの理由も解説! うちのコは、いつも、だいたいここにいます。』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。