どんなに完璧に準備しても、何時間も留守番しているうちに、トイレのお世話やコミュニケーションなど、猫は何かしら不満や不足を感じてしまうことがあります。そこで今回は、猫を留守番させた後にやるべきケアについて、獣医師の徳留史子先生に聞きました。
猫の安全確認のために室内をチェックする
留守番中、猫に危険やストレスはなかったか、帰宅後すぐに以下の5つのことをチェックしましょう。
粗相をしていないか
猫が粗相をするのは、相当な緊張状態にある場合や、トイレに不満がある場合が多いです。複数飼いの場合は、猫同士の関係性が原因で緊張していることもあるので、その場合は専門医に相談してみてください。
誤食をしていないか
細かいものが破損していたり、なくなったりしていないかよく確認を。何度も吐く、元気がないなどの症状が見られる場合は、すぐに受診をするようにしてください。
フードや水が減っているか
フードや水の減った量を確認しましょう。まったく減っていない場合は、不満や不安が原因だったり、病気のサインだったりすることもあるので、専門医に相談しましょう。また、水が異常に減っている場合も、おしっこの病気の可能性があるので要注意です。
壁や扉に爪とぎをしていないか
猫によっては不安やイライラから、爪とぎ器以外の場所で爪とぎをすることがあるので要注意。とくに壁や扉などの角に爪とぎをする猫は多いので、気にかけて確認しましょう。
吐き跡がないか
健康な猫の場合は、フードの一気食いや毛玉の吐き戻しで吐くことが多いですが、なかにはストレスや中毒、誤食やそのほかの病気が原因で吐いていることも。吐いたものをよく見て確認してください。
トイレ掃除とフードの用意をする
安全が確認できたら、猫の2大欲求を満たすためにトイレ掃除をしてフードを与えるようにしましょう。
最初にトイレの掃除をする
多くの猫は、留守番中に汚れたトイレに不満を感じています。排泄を我慢していた可能性もあるので、優先的にトイレのお世話をしてあげてください。そのとき、排泄物の色や形に異変はないかもあわせて確認しましょう。
フードをほしがる猫にはフードを優先的に与える
お腹が空いていて、帰宅後フードを要求してくる猫は多いでしょう。その場合はフードを優先的に与えてあげてください。待ち望んでいたフードだからと、急いで食べてしまう猫もいるので、ゴハンの準備をしたら名前を呼ぶなど、声をかけて落ち着かせてから与えるとよいでしょう。
コミュニケーションを図って猫の気持ちを満たす
お世話を終えたら猫を安心させるために、触れたり、嗅がせたりしてコミュニケーションを補いましょう。
思う存分ニオイを嗅がせる
猫はニオイで情報収集する動物なので、飼い主さんが外から運んできた嗅ぎ慣れないニオイが気になって仕方ありません。お世話がひと通り終わったら、ソファに座るなどして、猫の気がすむまでニオイを嗅がせてあげましょう。
喜ぶ部位をなでてあげる
飼い主さんに触れられるのが好きな猫なら、飼い主さんのぬくもりが恋しかったはず。愛猫が好む部位をたくさんなでてあげましょう。やさしく声をかけながらなでてあげれば、猫にとって至福のひとときになります。
猫の好きなおもちゃで遊ぶ
“ひとり遊び”は留守番中にできるので、飼い主さんが帰ってきたからこそできる遊びが、猫にとっては喜びに。じゃらしおもちゃを動かしたり、ボールをなげたり、コミュニケーションをとりながらダイナミックな動きができる遊びを、5分ほど行ってください。
離れているときもそばにいるときも、猫が安心して過ごせるようにしっかり対策を行いたいもの。猫を留守番させたら速やかにアフターケアを行い、愛猫との絆を強めましょう。
お話を伺った先生/徳留史子先生(小動物診療所獣医師)
参考/「ねこのきもち」2018年4月号『ちょっとの心がけで、絆はもっと強まる 猫の留守番ビフォーアフターにすること』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。